人工授精(AIH)とは?費用や流れ、方法は?始める時期はいつ頃?

子供が欲しい夫婦にとって、なかなか妊娠できないと「不妊かもしれない」と悩むこともありますよね。不妊治療は決して特別なことではなく、現在では6組に1組のカップルが不妊治療を受けています(※1)。一人で不妊に悩むよりも、パートナーと相談して早めに不妊治療を行っている産婦人科を受診しましょう。今回は不妊治療の一つである「人工授精」について、治療の流れや方法、費用などをまとめました。

人工授精(AIH・AID)とは?

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人工授精とは、女性の子宮内に人工的に精子を注入して授精させる生殖医療技術のことをいいます。

人工授精は精子の提供者によって種類が区別されていて、配偶者が提供した精子を利用するものを「配偶者間人工授精(AIH=Artificial Insemination by Husband)」と呼び、第三者から提供された精子を利用するものを「非配偶者間人工授精(AID=Artificial Insemination by Donor)」と呼びます。

基本的に、不妊治療のファーストステップはタイミング法です。タイミング法を何回か試しても妊娠しない場合や、夫婦の年齢が高い場合に早期対処したほうが良いと判断される場合に人工授精が行われます。いわば、不妊治療のセカンドステップともいえます。

人工授精は男性不妊への治療法?

? 疑問

人工授精が行われるのは、主に男性側の精子に問題がある場合です。たとえば、男性の精子の数が少ない、あるいは精子が子宮内へうまく入らない、膣内でうまく射精できないなどいくつかあげられます。こうした症状がある際に人工授精を行うことで、妊娠する確率を高めることができるのです。

不妊の原因が女性側と男性側どちらにあるかわかりませんので、きちんとパートナーと相談して、一緒に不妊検査を受けるようにしましょう。病院での検査で不妊の原因を明らかにしてから、最適な不妊治療にのぞみたいですね。

人工授精の流れや方法は?

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人工授精というと、いったい何をするのかと不安に感じる方も多いと思います。基本的には以下のように排卵前から準備を始めて、排卵後に人工授精を行い、妊娠しているかどうかを確認するという流れが基本です。

1. 排卵日を推測(生理~7日以内)

人工授精の成功率を高めるため、生理になった段階から次の排卵に向けた準備を行います。人工授精では排卵に合わせた精子の注入が必要なため、排卵日を予測することが大切です。排卵の方法は女性の体の状況によって、完全自然排卵に任せるか、排卵誘発剤の使用を検討します。

2. 排卵前検査(生理10日~12日)

超音波検査にて直接卵胞の成長を確認したり、排卵検査薬で黄体形成ホルモン(LH)を測定することで、排卵日を正確に予測します。そして排卵日を特定した上で、人工授精を行う日に向けて準備を行います。

3. 排卵日(生理12日~排卵日当日)

排卵から24時間以内のタイミングで人工授精を行えるように、定期的に通院します。女性は排卵しているかを確認され、男性は排卵に備えて採取した精子を病院に渡します。

この場合、自宅か病院にて用手法(マスターベーション)を行い、指定の容器に入れて提出します。病院では、精液中の雑菌によって女性が卵管炎を起こす可能性や、精液中のプロスタグランジンという物質によって子宮収縮を引き起こす可能性を考慮して精子の洗浄を行います。

そして排卵していると判断された際には、その精子を細いチューブを使って女性の子宮内へ注入します。

4. 妊娠判定

人工授精後は着床可能性を高めるための処置を行い、人工授精を実施してから14日後には妊娠判定を行います。妊娠検査薬を使用したり、月経の有無を確認したりして妊娠しているかを判断します。着床していない場合には再び人工授精を行うことになります。

人工授精での精子は、どうやって採取するの?

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人工授精には精子の採取が必要になりますが、産婦人科やクリニックにはなかなか行かない男性にとって、どうやって採取するのか気になる人も多いようです。採精は自宅でも可能ですが、採取直後からよい状態に保つには、やはり病院で採取したほうがよいとされています。

不妊治療を行っている病院には、基本的に採精室という場所があり、できる限り落ち着いて採取できるような、ネットカフェの個人ブースのような小部屋が用意されています。中から鍵がかけられ、病院の中でもフロアの端のほうに設置するなど、配慮されています。

人工授精で無精子症のときはどうする?

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男性不妊の原因の一つに無精子症があります。無精子症とは精液中に精子が全く無い状態をいい、男性の100人に1人は無精子症であるといわれています。手術やホルモン剤投与によって治療する以外に、精子バンクからの精子提供を受け、非配偶者間人工授精(AID)によって妊娠・出産をめざすことも選択肢の一つです。

日本でも非配偶者間人工授精で出産された方もいますが、まだまだ認知されていないこともあり、選択には勇気が必要ですよね。パートナー間でしっかり話し合った上で、不妊治療の一つとして検討してくださいね。

人工授精の費用は?保険は適用される?

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人工授精は自由診療扱いとなり、保険が適用されません。そのため、1回人工授精を行うに当たり約2~3万円の費用がかかります。費用については病院によっても異なるので事前に確認してくださいね。

ただし、人工授精の治療以外の飲み薬や注射代には保険が適用されるので、受診する際には保険証を忘れないようにしましょう。

人工授精は早い年齢がタイミング的にベスト!

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人工授精を希望される方の多くは、長い間(数年間)子供ができずに悩み、来院される方が多いようです。ですが、女性や男性ともに年齢が高くなると、徐々に妊娠率が下がってしまうため、妊娠したいと思った時点ですでに妊娠が難しい状況になっていることも。

人工授精で大切なことは早期原因の発見と対処です。そのため、人工授精を行うタイミングは早ければ早いほど、妊娠する確率も高くなります。

生理周期が安定した妊娠しやすい体質の女性が妊娠する確率は、1周期あたり20~25%で、複数回妊娠をチャレンジすれば、1年で約80%、2年で約90%だといわれています。それでも、仕事や対人関係などのストレス、加齢、卵子や精子の質の低下、女性器の病気によって妊娠する確率は低下してしまいます。

人工授精は障害児や奇形児、流産などのリスクはあるの?

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「不妊症は障害児や奇形児、流産率が高い」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。どのような研究があったのかなどの情報源やその確からしさを冷静に知識として身につけてくださいね。

人工授精でいうと、体外受精や顕微授精を除いた「人工授精」だけに目を向けたリスクの研究結果は見当たりません。そもそも人工授精で行っているのは「精子を子宮に入れるだけ」なので、自然妊娠による赤ちゃんの障害リスクと変わらないと考えられています。

そもそも、「人工授精が直接的な原因」というよりも、不妊治療をする方は男性、女性ともに高齢の方が多いので、出産後の赤ちゃんへの影響・リスクが高いのです。人工授精は費用もそれほど高いものではないため、不妊が気になった早い段階で、治療の検討をするとよいでしょう。

人工授精の選択は、パートナーと話し合ってから

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不妊は女性が悩むことが多いですが、その原因の半分は男性側にあります。女性だけではなく男性も不妊への問題意識を持って子作りに励むことで、妊娠できる確率が上がりますよ。

少しでも不妊治療について気になることがあればパートナーと話し合い、二人で一緒に専門医に相談しましょう。人工授精を何度試しても妊娠に至らない場合は体外受精が検討されますが、体外受精の成功率も年齢に左右されるので、不妊に悩んでいる方は一日でも早く受診することをおすすめします。

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