タイミング法の治療方法は?妊娠が成功する確率、費用や回数は?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

不妊治療にはいくつか段階があり、まず経済的・身体的に負担の軽い治療からスタートして、なかなか妊娠できない場合に段階を進めていきます。その最初のステップが「タイミング法」です。

今回は、不妊治療のタイミング法について、妊娠が成功する確率、治療の期間やかかる費用などをご説明します。

タイミング法とは?

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タイミング法とは、医師の指導によって基礎体温や超音波検査、ホルモン検査などから排卵日を予測し、最も妊娠しやすいタイミングにあわせて性交渉を行う方法です。

卵子の寿命は排卵から24時間程度で、そのうち精子と受精できるのは約6~8時間です。そのため、タイミング法によって「排卵日の2日前ごろに性交渉を行い、精子が卵管膨大部で排卵を待ち受けている」という、受精しやすい状態を作ります。

毎月1回、排卵日を予測しながら性交渉を行い、その後に妊娠しているかどうかを確認することを繰り返します。

自然周期によるタイミング法で上手くいかないときは、排卵誘発剤を併用して排卵を促し、受精の確率を高めることもあります。

不妊治療でタイミング法を始める流れは?

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不妊検査で不妊症の原因を調べ、年齢も考慮に入れながら治療法が選択されます。検査の結果、タイミング法が最適とされた場合、または不妊治療の最初の段階として行います。

女性の年齢が35歳未満の場合、自然妊娠できる確率が比較的高いため、まずはタイミング法を6~8ヶ月ほど続けます。

35歳を超えると、妊娠できる確率は年々低くなっていきます。不妊期間が長く、明らかにタイミング法では妊娠ができない原因をもっている場合や、40歳を超えていて自然妊娠の確率がかなり下がっている場合などには、最初から人工授精や体外受精が検討されることもあります。

ただし、上記に当てはまらない場合でも、検査の結果タイミング法が最適とされた場合は選択することもあります。

タイミング法で排卵日を予測する方法は?

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自分で基礎体温をつけることで、ある程度排卵日を予測することはできますが、生理不順が見られる場合、正確に予測するのが難しいかもしれません。

病院では、経膣超音波検査によって卵胞の大きさを測ってもらうことができます。卵胞が直径18~22mm程度になると排卵されるので、排卵日近くに病院で卵胞の大きさを測り、あと何日で排卵するかを予測します(※1)。

またホルモン検査では、尿中の黄体形成ホルモン(LH)の数値を調べることができます。排卵は、LHが脳下垂体から大量に分泌されることによって起こります。そのため、排卵の前日は尿中のLH値が急激に上がります。

排卵が近くなった頃から毎日尿をとってLH値を調べると、陽性になった翌日あたりが排卵日となります(※1)。

そのほか、子宮内膜の厚さを測ったり、子宮頸管粘液検査を行ったりすることで、総合的に排卵日を予測することがあります(※1)。

タイミング法で妊娠が成功する確率は?

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タイミング法で妊娠できるかどうかは個人差が大きいため一概には言えませんが、各病院が出しているデータを平均すると、不妊患者のうちタイミング法によって妊娠する人の割合は30~40%程度といえます。

また、1年間タイミング法を続けた場合の妊娠率は90%を超えるとのデータもあります(※1)。

このことから、6~8ヶ月タイミング法を続けても妊娠しない場合は、人工授精や体外受精などの次のステップを検討してみましょう。

タイミング法にかかる費用は?

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タイミング法は、基本的に保険適用となります。費用は通院や検査の回数、薬の処方の有無などによって異なりますが、病院を受診し、医師によるタイミング法の指導を受けるだけであれば、1回2,000~3,000円程度です。

しかし排卵日を予測するための超音波検査やホルモン検査を月に複数回受けたり、排卵を促すための排卵誘発剤を処方してもらったりすると、病院によっては保険適用外となり、1~2万円かかるケースもあります。

またタイミング法を何周期か繰り返す場合、回数の分だけ受診料や検査費用はかかります。

タイミング法は不妊治療の第一歩

タイミング法は、不妊治療のファーストステップです。タイミング法での妊娠率を高めるためにも、十分な睡眠、栄養のある食事、適度な運動といった規則正しい生活習慣を心がけ、妊娠しやすい体作りをしておきましょう。

タイミング法をしばらく続けても、うまくいかないことはあります。医師やパートナーと相談のうえ、他の不妊治療法への切り替えを検討してみてください。

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