赤ちゃんの目が赤く充血していたら、病気かもしれないと不安になりますよね。しかし、赤ちゃんの目が赤く充血するのは珍しいことではありません。赤ちゃんの目の充血は一時的なものもあれば、病気が引き起こしているものもあって原因はさまざまです。問題があれば、できるだけ早く対処してあげたいですよね。今回は、赤ちゃんの目が赤く充血するときの原因や対処法についてご説明します。
赤ちゃんの目の充血は病気のサインなの?
白目の部分が赤くなることを一般的に「充血」といいますが、これは、目が外的刺激やウイルス感染を起こしたり、鼻の粘膜が腫れたりして炎症を起こし、目の血管が膨らんで赤く目立った状態のことです。
赤ちゃんの目が赤く充血していること自体は、実は珍しくありません。眠気やかゆみのせいで目をこすってしまい、赤ちゃんの目が赤く充血することがあります。
また、逆さまつげになっている赤ちゃんも多いため、目に違和感があってこすってしまい、目が赤く充血している場合もあります。
程度の軽い充血であれば、放っておいても数日で治まるので心配はありません。
ただ、赤ちゃんの目の充血が数日経っても治まらなかったり、目やにも出ていたり、ずっと目をこすり続けていたりする場合は、なんらかの病気にかかっている可能性があります。
病院を受診し、医師に診てもらいましょう。
赤ちゃんの目が赤く充血する原因は?
赤ちゃんの目が赤く充血しているときは、病気が原因の場合もあります。
ここでは、赤ちゃんの目に充血を引き起こす病気をご紹介します。目の充血以外の症状にも注意してくださいね。
細菌性結膜炎
目が病原菌に感染することで、結膜(白目の表面にある膜)が炎症を起こします。
主な症状は以下のとおりです(※1)。
- ・目が充血する
- ・膿をもった目やにが出る
- ・涙目になる
赤ちゃんや子供は、インフルエンザ菌などに感染して発症することが多いのが特徴です。病原菌を突き止めて、それの菌に対応する抗菌薬で治療を行います。
アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダストなどのアレルゲン(アレルギー反応を起こす物質)に反応して起こる結膜の炎症です。
主な症状は以下のとおりです(※1)。
- ・目が充血する
- ・かゆみ
- ・涙目
- ・まぶたの腫れ
くしゃみや鼻水などの、アレルギー性鼻炎の症状を伴うこともあります。
アレルギーの原因を突き止め、それを生活の中から排除することが大切です。抗アレルギー薬やステロイド薬などの目薬が処方されることもあります。
はやり目(流行性角結膜炎)
特定のタイプのアデノウイルスに感染することで発症する感染症です。
主な症状は以下のとおりです(※1)。
- ・目が充血する
- ・さらさらした目やにが出る
- ・涙目になる
- ・まぶたが腫れる
- ・くびや耳の後ろのリンパ節の腫れや痛みが出る
1~5歳くらいの子供がかかりやすく、感染力が強いことが特徴です。
保育園や幼稚園、家庭内で誰かが感染したら、手洗いを徹底したり、タオルの共有を避けたりして、感染の流行を予防する必要があります。許可が出るまでは登園はできません(※2)。
治療にはステロイド薬、消炎薬などの目薬が処方されますが、治るまでに2週間程度かかることが一般的です。
ぶどう膜炎
ぶどう膜と呼ばれる、眼球の内側にある部位に炎症が起きる病気です。「内眼炎」と呼ばれることもあります。
主な症状は以下のとおりです(※1)。
- ・目が充血する
- ・まぶしさや目の痛みを感じる
- ・視力の低下
- ・目のかすみ
- ・飛蚊症(明るい場所を見ているときに、ゴミや糸くずが飛んで見える)
子供のぶどう膜炎の発症率は8%以下ですが、重い視力障害が残ることもあります(※3)。
治療には、ステロイド薬の目薬を使うことが一般的です(※3)。
逆さまつげ
まぶたが厚かったりして、上下のまつげが内側に向かって生えている状態のことです(※1)。
まつげが眼球に触れると、眼球を傷つけることもあります。
主な症状は以下のとおりです。
- ・目が充血する
- ・まぶたが内側を向いている
- ・しきりに目を触ったり、こすったりしている
- ・目やにが出ている
赤ちゃんの頃に起こりやすく、2歳頃までに自然に治っていくことも多いのでそれほど心配する必要はありません。
赤ちゃんが目をかゆそうにこすっていたら、まつげが眼球に当たってないかを見てあげてください。充血や目やにがひどい場合は、病院で目薬を処方してもらえますよ。
成長しても治らない場合は、まつげが眼球を傷つけないように手術をすることもあります。
川崎病
川崎病とは、4歳以下、とくに2〜3歳くらいの子供に多い全身性の病気です。原因はまだはっきりとはわかっていません。
以下のような、特徴的な症状が現れます。
- ・目が充血する
- ・5日以上発熱が続く
- ・発疹が出る
- ・唇が紅潮する(赤くなる)
- ・首のリンパ節が腫れる
心臓に合併症を引き起こす危険があるため、入院して治療を行います。
麻しん(はしか)
麻しんは、麻しんウイルスに感染することで起こる感染症です(※1)。
主な症状は以下のとおりです。
- ・発熱・咳・くしゃみといった風邪に似た症状が出る
- ・目が充血する
- ・目やにが出る
- ・涙目になる
- ・口の中の粘膜に白い斑点ができる
- ・体全体に発疹が現れる
特別な治療法はなく、熱や頭痛などを和らげる対症療法が一般的です。予防接種を受けておけば、麻しんにかかることは予防できます。
ここで説明したとおり、赤ちゃんの目の充血は、病気の一つのサインとして現れることがあります。赤ちゃんの目が赤く充血していたら、発熱や発疹など他の症状がないか注意しましょう。
もし何か病気にかかっている疑いがあるときは、すぐに小児科もしくは眼科を受診してください。
赤ちゃんの目が赤く充血したときの対処法は?
赤ちゃんの目が赤く充血していたら、目の炎症を悪化させないように、赤ちゃんの目や手を清潔に保つようにしましょう。
赤ちゃんの目やにがひどいときは、水で濡らして絞った清浄綿やガーゼで優しく拭き取ってあげてください。汚れた面は使わず、一度拭いたら折り返したり、新しいものに変えたりしましょう。
また、赤ちゃんが目をこすって眼球を傷つけないように、爪は短く切っておくことも大切です。
赤ちゃんの目の充血がなかなか治らないときは病院を受診し、充血の原因を特定して適切な治療を受けてください。
赤ちゃんの目が赤く充血するのを予防しよう
赤ちゃんは、目の症状を自分で訴えることもできません。しかも、目がかゆかったり違和感があったりすると、我慢できずに目をこすったりかいたりしてしまいます。
目の充血はこすることで、さらに悪化してしまうことが大半です。赤ちゃんの目が赤く充血していたり、目をこすったり、かいたりする仕草を見せたら、目の状態を確認してあげてください。
目の充血だけでなくさまざまな症状を伴っている場合には、一度小児科や眼科を受診し、何か病気が隠れていないかを確認しましょう。
普段から赤ちゃんの様子をよく見て、できるだけ早く変化に気づいてあげてください。