子供の目をふと見たときに、赤く充血していると、ちょっと驚いてしまいますよね。そんなときは、「何かの病気なのかな?」と不安な気持ちになるものです。今回は子供の目の充血について原因や対処法、病院へ行く目安などをご紹介します。
子供の目が赤い!目の充血はどんな状態?
目の充血は、眼球の血流が増えて毛細血管が広がり、白目が赤くなる状態のことをいいます。目の充血は、主に以下の2種類に分けられます。
結膜充血
まぶたの裏側と目の表面を覆っている薄い膜である「結膜」が赤くなっている状態です。ウイルス感染やアレルギーによる結膜炎は、この結膜充血にあたります。
毛様充血
角膜である黒目の周辺が赤くなっている状態です。結膜充血よりも重症度が高く、角膜炎や強膜炎などが原因で起こります。
この2種類は、素人目で判断するのは難しいものですが、黒目から離れるにしたがって充血がひどくなっているのが結膜充血、その逆で、黒目に近づくほど充血がひどくなっているのが毛様充血と覚えておくといいでしょう(※1)。
子供の目が充血して赤い!原因は?
子供の目の充血は、目をこするなどの外的刺激や疲労だけが原因ではなく、病気によって起こることもあるので注意が必要です。子供の目の充血を引き起こす病気としては、主に以下のものが挙げられます。
風邪
風邪を引くと、風邪ウイルスが鼻や結膜から侵入して結膜炎を起こし、目が充血することがあります。風邪の主な症状は発熱や鼻水、鼻づまり、咳などです。
プール熱(咽頭結膜熱)
プール熱は、夏に流行しやすいアデノウイルスによる感染症で、幼児や学童期の子供がかかることが多い病気です。結膜炎や喉の腫れ、4〜5日続く発熱を引き起こします。
はやり目(流行性角結膜炎)
はやり目(流行性角結膜炎)は、子供たちの間で流行しやすいアデノウイルスによる結膜炎です。はやり目になると、目が充血した後に、涙や目やにがたくさん出ます。
麻疹(はしか)
麻疹は、38度以上の発熱や咳など風邪の症状から始まり、目の充血や目やにが現れます。熱は4日目くらいで一度下がるものの、半日くらいで再び上がり、同時に赤い発疹が顔や胸のあたりに現れます(※2)。
アレルギー反応
アレルギーの原因になる物質(アレルゲン)に触れたり食べたりして起きるアレルギー反応のひとつに、目の充血があります。
他にも、咳やくしゃみ、鼻水、盛り上がった湿疹などがアレルギー反応として現れることがあります。
ものもらい
ものもらいは、まぶたにある脂や汗を出す腺が化膿して起こる炎症のことです。充血の他には、まぶたの腫れや目やに、目のかゆみといった症状が現れます。
逆さまつげ
本来は外側に向かって生えているまつげが内側に向かって生えることで、まつげが眼球に触れてしまい、充血を起こします。顔の脂肪が多い赤ちゃんのときに起きやすく、多くは2歳頃までに自然と治ります(※3)。
川崎病
川崎病は、全身の血管が炎症を起こす病気で、その原因はいまだ分かっていません。
川崎病が発症すると、熱が出て数日後に目が充血することがあります。5日以上の発熱、唇の腫れ、首のリンパ節の腫れ、手足のむくみ、全身に赤い湿疹といった症状が出ることもあります(※2)。
子供の目が充血したときの対処法は?病院に行く目安は?
子供の目が充血したときは、発熱や咳など他の症状が出ていないかチェックしてください。また、膿状の黄緑色の目やにや、粘り気のある白い目やになど、普段見ない目やにが出ていないかも確認しましょう。
充血以外の症状や、いつもとは違う目やにが出ていたら、病気にかかっている可能性があるので、小児眼科を受診しましょう。病院では、目の充血の原因に合わせて、抗菌目薬や抗アレルギー作用のある目薬などが処方されます。
特に体調に異変がない場合は、疲労や外的刺激によって目が充血している可能性があるので、安静にして休息をとります。
ゆっくり湯船につかったり、心地よい温度の蒸したタオルをまぶたに当てたりすると、目やにが取れ、血流のアンバランスも改善することがあります。目を休めても充血が何日も続く場合は、念のため医師に診てもらいましょう。
子供の目の充血を予防する方法は?
目が赤くなって、見た目としても気になる充血は、できることなら予防したいですよね。
感染症にかからないようにしたり、疲れを溜めないようにしたりすることで、子供の目の充血は予防することができます。普段から以下のことを意識して、子供の健康を守っていきましょう。
・帰宅したら、手洗いとうがいをする
・感染症の流行シーズンには、外出時にマスクをつけ、人混みを避ける
・アレルゲンとの接触を減らすために、こまめに掃除する
・テレビやパソコン、スマートフォン、タブレットを長時間続けて見ないようにする
・睡眠を十分にとる
子供の目の充血は異変を知らせてくれるサイン
子供の目が充血していたら、病気にかかっている、もしくは疲労が蓄積している可能性があります。つまり、目の充血は体の異変を知らせてくれるサインでもあるのです。
体のSOSを見逃さないためにも、普段から子供の目をこまめに観察するようにしてくださいね。