アレルギー性結膜炎とは?原因や症状、治療法は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

食べ物や動物など、なんらかにアレルギーがある人が増えていますが、植物やハウスダストに反応して目にかゆみや充血が出る「アレルギー性結膜炎」という病気もあります。結膜炎には様々な種類がありますが、アレルギー性結膜炎にはどんな特徴があるのでしょうか?今回は、アレルギー性結膜炎の原因や症状、治療・予防法についてご説明します。

アレルギー性結膜炎とは?子供もかかるの?

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「結膜」は、まぶたの裏側と眼球前方の表面をつないでいる薄い膜のことです。結膜は、外の空気と直接触れる部分なので、ウイルスや細菌、アレルゲンなどの異物と接触しやすく、外傷もつきやすいので、炎症を起こしやすいのです。これが「結膜炎」です。

結膜炎は、原因によっていくつかの種類に分けられます。「アレルギー性結膜炎」とはその名のとおり、アレルギー性反応によって引き起こされる結膜炎のことです。アレルギーの原因物質であるアレルゲンがまぶたの裏や白目部分を刺激すると、体がそのアレルゲンに対して過剰に反応してしまい、炎症が起きてしまいます。

発症時期には個人差があり、小学校入学前の子もいれば、小学校入学後少し大きくなってからの子もいます。日本眼科学会によると、日本には約2,000万人のアレルギー性結膜炎の患者がいて、その大半は花粉症によるものであると推測されています(※1)。

アレルギー性結膜炎の原因は?

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アレルギー性結膜炎は、発症の時期で「季節性」と「通年性」に分けられます。季節性のアレルギー性結膜炎の場合、原因となる花粉が舞う季節だけに発症します。地域によって異なりますが、春のスギやヒノキ、秋のブタクサやヨモギが有名ですね。

一方、通年性のアレルギー性結膜炎は、ハウスダストやカビ、ダニ、ペットの毛、化学建材といった室内に年中存在しているものが原因で、1年を通して症状が引き起こされます。

なお、「巨大乳頭結膜炎」もアレルギー性結膜炎の一種ですが、これはコンタクトレンズが原因で起きる結膜炎です。

アレルギー性結膜炎の症状は?

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アレルギー性結膜炎の症状は、季節性も通年性も違いはなく、目のかゆみや充血です。目に痛みやゴロゴロとした異物感が現れたり、涙が出たりする場合も。アレルギー反応がひどいと、まぶたや白目が腫れたり、ゼリー状の目やにが出てきたりすることもあります。

小さな子供は特に、かゆみや異物感を我慢できずに目をこすってしまい、症状を悪化させてしまうことがあります。子供がしきりに目を触っていることに気づいたら、こすらないように声を掛け、早めに小児科か眼科へ連れて行きましょう。

アレルギー性結膜炎の治療法は?目薬を使うの?

目薬

アレルギー性結膜炎に対する。薬物療法としては、症状を抑えるための「対症療法」と、アレルギーの元となるアレルゲンを抑える「原因療法」の2種類があります。

対症療法

対症療法として、抗アレルギー作用をもつ目薬が処方されます。これは、結膜炎のかゆみやくしゃみを引き起こす「ヒスタミン」という物質の働きを抑える効果のある薬です。

症状が重い場合は、ステロイドの目薬や、抗ヒスタミンの飲み薬が処方されることもありますが、目に白内障や緑内障などの副作用が現れることもあるので、適切に使ってください。

花粉による季節性のアレルギー性結膜炎があるとわかっていれば、花粉が飛散する時期より前から薬を使い始めると、より効果的です。

原因療法

検査の結果、アレルギー性結膜炎の原因となっているアレルゲンがわかっている場合、そのアレルゲンの濃度を徐々に高めながら注射します。この方法によって、体がアレルゲンに対して反応しないように慣らしていきます。

この治療法は「減感作療法」と呼ばれ、ある程度効果がありますが、最低半年間、毎週通院する必要があります(※1)。

アレルギー性結膜炎の予防法は?

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普段からなるべくアレルゲンに触れないように心がけることが、アレルギー結膜炎の予防につながります。以下のポイントについて意識してみてくださいね。

季節性のアレルギー性結膜炎の予防法

● 外出時にゴーグル型の眼鏡やマスクをする
● 帰宅したら玄関の外で服や髪についた花粉を落とす
● 手洗い、うがい、洗顔をこまめにする
● 洗濯物は室内干しをするか、取り込む前に花粉を落とす

通年性のアレルギー性結膜炎の予防法

● 室内の掃除をこまめに行う
● 濡れ雑巾などでホコリが舞い上がらないように掃除する
● 布団は天日干し後、掃除機できれいに吸い取る
● 絨毯やラグマットよりフローリングの上で過ごす
● 動物を屋内で飼うのを避ける

子供のアレルギー性結膜炎は早めに病院へ

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子供がアレルギー性結膜炎を発症すると、かゆみを我慢できず、目を強くこすってしまって悪化させてしまうことがあります。普段から子供の様子を観察し、目を頻繁にこする、目が充血しているなどの様子があれば、できるだけ早く小児科か眼科を受診しましょう。

「体質の問題だから仕方ない」と思ってしまうかもしれませんが、子供のうちにアレルギー性結膜炎の原因となるアレルゲンを調べておくことで、適切な対策を取ることができます。症状がひどく、生活に支障をきたす場合などは、アレルギー検査を受けることも検討してみてくださいね。

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