食物アレルギーがある乳児は10人に1人!原因になる食べ物を知っておこう

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

子供を育てるうえで気になるのが「食物アレルギー」。特定の食べ物を食べるとじんましん・呼吸困難・嘔吐などの不快な症状が出る食物アレルギーは、ケアにそれなりの労力を要し、「子供がなったらどうしよう?」と不安を抱いているママやパパはたくさんいることでしょう。今回はそもそも食物アレルギーとは何なのか、症状や検査方法、治療法などについてご紹介します。

食物アレルギーとは?

内臓 体 体のしくみ 

アレルギーとは、異物から体を守るための免疫機能が、体に害を与えないものに対して過剰に反応してしまうことをいいます。そして、食物アレルギーは、特定の食べ物に対してアレルギー反応が起きることです。

食物アレルギーは大人でも発症する可能性があるのですが、特に乳児期に発症する確率が高く、日本における食物アレルギー有病率は乳児で約10%、3歳児で約5%、学童期以降が1.3~4.5%とされています(※1)。

食物アレルギーはどんな症状が出るの?

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アレルギー症状は一見、体調不良と見分けがつきにくく、アレルギー反応が起きているのに気づかず見過ごしてしまうことがあります。したがって、体調が変化したら、その前に何を食べたかを思い返して記録していくと、アレルギーによって症状が現れているのか診断しやすくなります。

食物アレルギーの主な症状は、次の通りです(※1)。

皮膚の症状

皮膚のかゆみや赤み、じんましん、湿疹

呼吸器の症状

咳、声がかすれる、呼吸困難

粘膜の症状

充血、くしゃみ、鼻水、唇や舌の違和感、喉のかゆみ

消化器の症状

吐き気、腹痛、嘔吐、血便

全身性の症状

アナフィラキシーショック

乳児(生後1歳ごろまでの赤ちゃん)の食物アレルギーは、アトピー性皮膚炎を合併することが多く(※1)、赤ちゃんに何かを食べさせた後にアレルギーの存在に初めて気づくことはよくあります。

また、食物アレルギーの症状のなかで、特に気をつけたいのがアナフィラキシーショックです。アナフィラキシーショックとは、意識障害や急激な血圧低下などの全身性の症状のことで、生死にかかわるため、迅速に処置する必要があります。

もしアナフィラキシーショックを疑う症状がみられた場合は、救急車を呼んでください。

食物アレルギーの原因となる食べ物は?

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乳幼児にとって、鶏卵・牛乳・小麦は「3大アレルゲン」と呼ばれ、アレルギー反応が出る人が多いとされている食品です。

この他には、ピーナッツや蕎麦、大豆などの豆類、いくらなどの魚卵、エビやカニなどの甲殻類、キウイフルーツやマンゴーなどの果物がアレルゲンとなる可能性があるので、注意しましょう(※2)。

また、年齢が進むにつれて、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が変わることがあります。たとえば、3歳児の食物アレルゲンは鶏卵、牛乳、小麦であることが多く、大人に多い食物アレルゲンは甲殻類や小麦、果物、そば、ピーナッツです(※2)。

食物アレルギーの検査方法は?

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ある食べ物を食べると毎回アレルギー反応らしき症状が出る場合は、食物アレルギーの可能性があるので、アレルギー検査をおすすめします。一般的に、アレルギー検査としては、血液検査が行われます。

血液検査とは、アレルギー反応を起こすたんぱく質「IgE抗体」の血液中の濃度を調べる検査です。各食品に対するIgE抗体の量を見て、アレルゲンを推定します。

この他にも、皮膚にアレルゲンの疑いがある食品のエキスを接触させて反応を見る検査などがあります。アレルギー検査は小児科、皮膚科、アレルギー科で受けられます。

それぞれのメリットとデメリットを医師と話し合いながら、子供にとって一番望ましい検査方法を選んであげましょう。

食物アレルギーと診断されたら?対策は?

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食物アレルギーの基本的な対策は、アレルゲンを摂取しないようにするというものです。アレルゲンそのものを食べないように注意するだけではなく、加工品に含まれていないかもチェックする必要があります。

また、最近では、経口免疫療法という治療を行うところもあります。この治療法は専門の医師のもと、量を調節しながらアレルゲンを加工品から少量ずつ食べさせていって、アレルゲンに対して体を慣らしていくというものです。

経口免疫療法はまだ研究段階であり、リスクもあります。どの治療法を行うかは、医師と相談して決めるようにしましょう。

食物アレルギーのアレルゲンはどう避けていくの?

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アレルギー検査によって食物アレルギーがあると分かった場合、基本的にアレルゲンを避けていく必要があるのですが、そのときに役に立つのが食品パッケージのアレルギー表示です。

法令によって、食品に使用した場合にパッケージにその名称を表示しなければいけない食物アレルゲンが、7品目あります。また、食品に使用した場合に表示が推奨されている食物アレルゲンは18品目あります。

具体的には、以下の通りです(※3)。

表示が義務づけられている食物アレルゲン

卵・乳・小麦・エビ・カニ・そば・落花生

表示が推奨されている食物アレルゲン

いか、いくら、あわび、オレンジ、キウイフルーツ、クルミ、牛肉、鮭、鯖、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、山芋、りんご、ゼラチン

容器包装された加工食品には、アレルギー表示が義務づけられています。しかし、原材料の表示がないお弁当や、計り売りのお惣菜、そしてアレルギー表示の義務がない小さな食品(容器包装の面積が30平方cm以下のもの)や、屋台、レストランなどでは、店員さんに聞いてアレルゲンが入っていないか確認する必要があります(※4)。

食物アレルギーは克服できることも

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食物アレルギーであっても、一生その食べ物が食べられないとは限りません。赤ちゃんの頃の食物アレルギーは大きくなるにつれて治ることが多く(※5)、乳幼児の間はアレルギー反応が起きていても、大人になる頃には食べられるようになることがあります。

食物アレルギーは、親と子が食べ物との付き合い方や体調管理について学ぶ、大切なきっかけであるとも考えられます。アレルギーの知識を深めながら、楽しい食生活を送れるといいですね。

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