赤ちゃんが生まれて間もない頃は、湿疹が出ただけで、不安になるかもしれません。肌にブツブツができたり、乾燥したりと、見た目にもつらそうで、早く治してあげたいですよね。今回は乳児湿疹へのケア方法について、石鹸洗浄や保湿の仕方などをご紹介します。
乳児湿疹とは?
乳児湿疹とは、脂漏性湿疹や新生児ニキビ、乾燥性湿疹など乳児期に現れる様々な湿疹の総称です。
生後3ヶ月頃までは、胎児のときに母体からもらったホルモンの影響で、皮脂の分泌量が多くなっており、脂漏性湿疹や新生児ニキビができやすい傾向にあります。これらの乳児湿疹は、お風呂できちんと体を洗うなどして肌を清潔にすれば、徐々に改善していきます。
生後3ヶ月頃を過ぎると、今度は皮脂の分泌量が減少していき、乾燥性湿疹ができやすくなります。季節柄、特に秋から冬にかけて多く見られます。
乾燥性湿疹へのケアとしては、加湿器や部屋干しで室内の乾燥を防いだり、赤ちゃん用クリームやローションで保湿を行うことが大切です。
乳児湿疹を石鹸洗浄でケアする方法は?
湿疹が出てしまったら、まずは石鹸で洗って、きれいにしてあげることを心がけましょう。
「皮膚が炎症しているのだから、石鹸で刺激しない方がいいのでは?」と思うかもしれませんが、石鹸を使わずにいると、汚れや余計な皮脂が落ちずに、湿疹が悪化してしまうことがあります。特に、低月齢の赤ちゃんの脂漏性湿疹やニキビの場合は、念入りに洗ってあげてください。
赤ちゃんの体を石鹸で洗う際は、赤ちゃん用の低刺激石鹸をしっかり泡立てて、優しくこするようにします。
石鹸で洗った後は、ぬるま湯で湿らせた清潔なガーゼなどで、刺激を与えないように優しく泡を拭きとります。ゴシゴシと強くこするのではなく、ポンポンとガーゼで軽く叩くようにして拭いてあげてください。
赤ちゃんを片手で支えながら石鹸を泡立てるのは大変なので、固形石鹸よりすでに泡状になっているポンプタイプの石鹸がおすすめです。
乳児湿疹を保湿でケアする方法は?
生後3ヶ月頃までは皮脂の分泌がしっかりしているので、特に保湿しなくても良いのですが、生後3ヶ月以降に発症しやすい乾燥を伴う湿疹が現れたときは、1日2回保湿剤を塗るなど、肌の保湿を意識的に行いましょう。
加湿器を使ったり、洗濯物の室内干しをしたりして、部屋の乾燥を防ぎましょう。暖房は部屋を乾燥させてしまうので、基本的に冬は室温が10度以下になったときに、暖房を利用するようにします(※1)。
お風呂のときに強くこすって体を洗うと、皮脂が落ちて症状が悪化してしまうので、石鹸の泡で肌をなでるようにして洗っていきます。また、熱いお湯に長時間浸かることも皮脂が落ちる原因になるので、お風呂の温度は38~39度のぬるま湯にして、時間は5〜10分、長くても15分程度にしておきましょう。
お風呂あがりは肌が乾燥しやすいので、赤ちゃん用の保湿クリームやローションを塗ってあげてください。塗る量は、大人の手の指1関節分がちょうどよいです。
乾燥しやすい秋から冬にかけては、外の乾燥した風で乾燥が強くなってしまいます。出かける前にクリームタイプの保湿剤を塗ってあげましょう。ベビーカーに風よけのカバーをかけるなどして、顔や手足に風ができるだけ当たらないように工夫してくださいね。
乳児湿疹が石鹸洗浄や保湿で改善しないときは?
石鹸洗浄や保湿を行っても、乳児湿疹が改善しない場合や、症状が悪化する場合は、小児科もしくは皮膚科を受診してください。
症状によっては、保湿やかゆみ軽減の目的で、ステロイド系の塗り薬やかゆみを抑える内服薬が処方されます。赤ちゃんにステロイド系の薬を使用するとなると、心配になるかもしれませんが、医師の指示のもとで正しく利用すれば、基本的に影響はありません。
また、ケアをしても乳児湿疹が治まらないときは、実はアトピー性皮膚炎が起きていることもあるので、早めに医師に診てもらい、原因の推定と適切な治療をすることが大切です。
乳児湿疹はこまめな石鹼洗浄と保湿で予防しよう
赤ちゃんの肌の健康を保つために、入浴の際は石鹸できれいに洗い、お風呂あがりやおむつ替えのときなどに、こまめに保湿剤を塗りましょう。
乳児湿疹が出ていなくとも、毎日のスキンケアをきちんと行うことで、湿疹の予防になります。肌がかゆかったり、カサカサしたりしていると、赤ちゃんも不快でご機嫌ななめになりがちです。
こまめなスキンケアで、赤ちゃんの笑顔を守っていきましょう。