赤ちゃんが眠たそうにしながら目をこする姿は、かわいい仕草のひとつでもありますよね。しかし、赤ちゃんが頻繁に目をこすっていると心配になることもあるのではないでしょうか。今回は、赤ちゃんが目をこする理由をはじめ、目をかくときの原因として考えられる病気や注意点をご紹介します。
赤ちゃんが目をこするのはなぜ?眠いから?
赤ちゃんが目をこするのには、主に下記のような理由があります。
眠い
赤ちゃんが目をこする理由としてまず考えられるのは、「眠い」からです。人は眠くなると瞬きの回数が減ったり、涙腺の働きが低下したりするため目が乾燥し、涙で潤すために目をこすることがあります。
睡眠時間がたっぷり必要な赤ちゃんは、眠くなる頻度も高いため、目をこすることがよくあります。
目がかゆい・痛い
目の周りがかゆい、目が痛い、視界がぼんやりしているといった違和感があると、それを解消しようとして、赤ちゃんは目をこすったり、かいたりすることがあります。
眠くなるタイミングでないのに目をかいているときは、まず赤ちゃんの目をしっかり観察しましょう。白目が充血していれば、なんらかのウイルス感染などによる炎症やアレルギー反応が起きている可能性があります。
赤ちゃんは手先を上手に使えないので、ゴシゴシとこするってしまうことがよくあります。ママやパパが気になるほど目をこすっているときは、注意してみてあげましょう。
赤ちゃんが目をかく原因は?病気の可能性は?
赤ちゃんが目をかくのは、前述のとおり、眠いことや、かゆみや違和感があることが主な原因です。また、一過性のアレルギー反応や、目の病気が潜んでいることが原因の場合もあります。
ただし、稀に下記のような目の病気が原因で赤ちゃんが目をかいているときがあります。当てはまる症状があれば、早めに眼科を受診してくださいね。
結膜炎
症状
赤ちゃんの目の病気で最も多いのが結膜炎。白目の表面とまぶたの裏の結膜が炎症を起こすため、白目が充血し、目やにの量が多くなります。
結膜炎には、「細菌性結膜炎」「ウイルス性結膜炎」「アレルギー性結膜炎」などの種類があり、それぞれかゆみと痛みが現れるため、目をかいてしまうことがあります。
治療方法
結膜炎の種類にあわせて点眼薬が処方されます。細菌性結膜炎とウイルス性結膜炎は、白目の赤みが取れるまで、1~2週間ほどかかります。アレルギー性結膜炎の治療期間には、個人差があります。
逆さまつげ(睫毛内反・睫毛乱生)
症状
逆さまつげとは、上まつげと下まつげが、逆の方向に向かって生えた状態です。まつげが眼球に触れてしまうため、チクチクするのが気になると目をこすってしまいます。
まつげが目の中に触れるため、目やにが出たり、目が充血したりする症状も見られます。
治療方法
逆さまつげは自然に治る場合がほとんどですが、症状がひどいと眼球を傷つけて結膜炎などの感染症を引き起こす可能性があります。
点眼薬で感染予防を行いますが、場合によってはまつげの向きを変えるための手術をすることもあります。
鼻涙管閉塞症
症状
涙点から鼻腔へ通る鼻涙管が詰まる病気です。涙が鼻の方へ流れずに逆流してしまい、常に涙目になったり目やにが増えたりして、目をこすることがあります。
治療方法
自然治癒する場合がほとんどですが、点眼薬と目頭のマッサージをして早めに閉塞が解消できるように促します。6ヶ月ほど経っても自然に治らない場合には、鼻涙管を開通させる手術を行うこともあります。
斜視
症状
物を見つめるときに、片方の目は目標物を向いているのに、もう一方の目が別のほうを向いてしまう状態です。目を動かす筋肉や神経の異常などが原因で発症します。視界に違和感があるために目をこすることがあります。
治療方法
斜視には様々な種類があり、症状によっては治療を行わず、成長とともに治るのを待ちます。矯正眼鏡をかける場合や、目の筋肉の働きを改善させる手術をするケースもあります。
弱視や乱視
症状
赤ちゃんの視力は3歳くらいでほぼ成人と同様になりますが、何らかの病気で目の発達が遅れると、視力が弱くなったり、視界がぼやけたりすることがあります。視界がはっきりしない違和感から、目をこすることがあります。
治療方法
視力を正常にするには、早期の治療が重要です。眼鏡での矯正や問題ある目を使う訓練をして治療します。先天的な障害の場合には手術が必要です。
赤ちゃんが目をこするときの対処法は?
赤ちゃんは力の加減ができないため、目をこすったり、かいたりすると、眼球や目の周りを傷つけて感染症を引き起こす可能性があります。悪化させないよう、以下の方法でケアをしてあげてくださいね。
赤ちゃんの手指を清潔にする
赤ちゃんが頻繁に目をこするときは、ベビーミトンをつけたり、手指を洗って清潔な状態にしたりして、ばい菌が目の中に入らないようにしてあげましょう。眼球を傷つけないようにこまめに爪を切ってあげることも大切です。
かゆくて機嫌が悪くなってしまうときは、冷やしたタオルをそっと目に当ててあげましょう。炎症して部分的に熱を持っていることがあるので、冷やすことでかゆみが抑えられます。
ガーゼで目やにを拭き取る
赤ちゃんが目をこすって目やにが出ているときは、睡眠中に涙の流れが滞ったことで、汚れが溜まったことが原因の場合もあります。
目やにが出ているときは、清潔なガーゼを水で濡らし、目頭から目じりに向けて拭き取ってあげましょう。放っておくと、目やにが乾燥してかぶれるなど、さらにかゆみを引き起こす場合があります。
白目が赤くなければ、経過観察で問題ありません。
赤ちゃんが目をこするときはよく観察をしよう
赤ちゃんは、目が痛いのか、かゆいのか、見えにくいのか言葉で伝えることができません。目をかいていても、病気の心配がなければそれほど気にしなくても大丈夫ですが、赤ちゃんが頻繁に目をこすっているときは、「どうしたのかな?」と、注意してよく観察しましょう。
ちょっとしたシグナルを見逃さないように、普段の癖や眠たいときの仕草との違いに気づいてあげることが大切です。
赤ちゃんが成長するにつれて目をこすることも減ってくるので、いまの時期は手指を清潔にしたり定期的に目やにを拭き取ったりすることを心がけてくださいね。