「赤ちゃんが寝なかなか寝付かない」「夜中に何度も起きる」という悩みはよく聞きますが、その反対に「赤ちゃんが起きない」という悩みも意外と多いものです。ずっと寝続けていると、授乳やおむつ替えの時間を考えて起こしたほうがいいのかと迷ってしまいますね。体調が悪いのではないかと不安を感じるママもいるかもしれません。そこで今回は、新生児がなかなか起きないときについて、授乳のために起こしたほうがいいのか、病気の危険性はないのか、対処法をご紹介します。
新生児はどのくらい起きないもの?

生まれたばかりの新生児は、昼と夜の区別がまだなく、おっぱいやミルクを飲んだり、泣いたりする以外の時間はほとんど眠っています。
だいたい2~3時間ごとに寝たり起きたりを繰り返しますが、睡眠のリズムには個人差があるため、4~5時間ほど寝続けることもあります。
夜の間に、ある程度まとまって眠るようになるのは、生後3~6ヶ月頃になってからです。生後3ヶ月を過ぎたら、夜は部屋の電気を消し、朝はカーテンを開けて朝日を浴びるように生活習慣を整えていくと、赤ちゃんの睡眠のリズムが整ってきますよ。
新生児が起きないとき授乳はどうする?

新生児期は母乳なら1~2時間ごと、ミルクなら2~3時間ごとに与えるのが目安です。そのため、赤ちゃんがなかなか起きてくれないと、母乳やミルクをどうしたらよいのか悩んでしまいますね。
このとき、起こしたほうがよいかどうかは、新生児の状態によって異なります。
体重の増加量をチェック
日々、赤ちゃんの体重が増えているなら栄養が足りている証拠です。睡眠時間が長くても無理に起こす必要はありません。
新生児の場合、生まれて最初の数日間は一時的に体重が減りますが、1週間ほどで出生体重に戻り、そのあとは1日に約30~40gずつ増えていきます。
体重が増えていないようであれば、長く寝ているせいで授乳間隔が空きすぎて栄養が足りていない可能性もあります。短い間隔で起こしてあげて、授乳をしましょう。母乳だけでは足りなさそうな場合は、ミルクを足してあげてください。
おしっこの量や回数をチェック
赤ちゃんのおしっこの量や回数は、母乳やミルクを飲んだ量や汗の量によってもまちまちですが、新生児であれば1〜2時間に一度のペースで、1日15〜20回が目安です。
寝ている時間が長く、3〜4時間経ってもおしっこをしていないようであれば、起こして授乳をしたほうがいいかもしれません。
一般的に、夏は汗の量が増えるため、おしっこの量や回数が減ります。脱水症状をさけるためにも、顔色や呼吸を見ながら少し多めに母乳やミルクをあげてみてください。
新生児が起きないときに上手に起こす方法は?

新生児がなかなか起きず、授乳やおむつ替えの必要があって起こすときは、「優しく慎重に」が基本です。体をゆすったり大きな声を出したりしないようにしてください。
赤ちゃんの口にママの乳首や哺乳瓶を近づけて、くわえさせてあげると、びっくりさせることなく起こすことができます。足の裏をくすぐる、軽くつねるなどの軽い刺激を与えてみるのも一つの方法です。
これらの刺激を与えても起きないときは、無理に起こさずに様子をみましょう。赤ちゃんにとっては授乳よりも睡眠の方が大事なタイミングだと考え、30分ほど寝かせてからまた同じように起こしてみてください。
新生児が起きないのは病気のサイン?

赤ちゃんがあまりにも起きずに寝続けていると、不安になるかもしれませんが、ほとんどのケースは、ただ安心してぐっすり眠っているだけなので心配はいりません。
ただし、眠っている間ずっと放っておくのではなく、念のため呼吸をしているかどうかは確認してあげてください。というのも、寝ている間に呼吸が止まって「乳幼児突然死症候群(SIDS)」を起こす可能性もゼロではないからです。
鼻や口に手をかざしたり、耳をすましたりすれば、呼吸しているかどうかわかりますよ。
乳幼児突然死症候群の原因は、いまだにはっきりわかっていませんが、うつぶせ寝だと発症率が高いという報告があり、厚生労働省も1歳を過ぎるまでは仰向けで寝かせるように注意喚起をしています(※1)。また、家族内の喫煙もリスクになります。
赤ちゃんが苦しくならないように、基本的には仰向けか、頭を少し横向きにして寝かせてあげましょう。
赤ちゃんが起きないときも慌てず成長を見守って

赤ちゃんの睡眠については、寝すぎても寝なさすぎても、心配になてしまうものですが、体重が増えていて、元気に成長しているのであれば、様子を見ましょう。生活リズムが整うまでは睡眠時間が定まらないものなので、赤ちゃんのリズムに合わせてあげてくださいね。
ただし、赤ちゃんがずっと寝ているだけでなく、顔色が悪い、おしっこが半日出ない、むくみがある、呼吸が早いといった普段と違う症状を伴うときは、注意が必要です。
日頃から赤ちゃんの様子をしっかりと観察して、気になることがあれば、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。