乳腺炎を発症すると、胸の痛みで授乳ができなくなるだけでなく、ママ自身に高熱が出てしまうこともあります。乳腺炎を予防するために食事をどうしたら良いかと考えるママも多くいますが、食事で乳腺炎を予防することはできるのでしょうか?
そこで今回は、乳腺炎と食べ物の関係性や予防方法などをご紹介します。
乳腺炎と食べ物は関係がある?
乳腺炎は、母乳が乳房内に溜まりつづけたり、何らかの理由で乳房が傷つき細菌感染したりすることで、乳腺が炎症している状態をいいます。
これまで、乳腺炎を引き起こす原因のひとつに「乳製品等や脂肪分、糖分が多い食品の摂取」があげられていましたが、実際には特定の食品を制限しても乳腺炎の発症を予防できる根拠はありません。
日本助産師会・日本助産学会でも、授乳中のママに向けて乳腺炎の予防のために乳製品や脂肪摂取の制限を勧めないことを提案しています。
食事に関しては、過剰摂取や偏った食事は避け、栄養バランスのとれた食事や適度な水分補給が乳腺炎予防に効果的とされています(※1)。
授乳中におすすめの食事は?
授乳中は、タンパク質やビタミン類、鉄分などは普段より多めにとることが推奨されています(※2)。
授乳中に摂りたいメニューとしては、根菜たっぷりの筑前煮、野菜たっぷり具だくさんのお味噌汁、白米、湯豆腐、切干大根、五目豆、青菜のおひたしなど、煮物や野菜を中心とした和食がおすすめです。
塩分が控えめで日頃不足しがちな野菜やミネラル、食物繊維が摂れるものが良さそうですね。また、一度にたくさんの野菜が食べられるお鍋も手軽ですよ。
授乳中は水分不足にもなりやすいので、こまめな水分補給を心がけましょう。白湯やノンカフェインの飲み物をを飲むようにしてください。
栄養・水分補給以外で乳腺炎を予防する方法は?
乳腺炎を引き起こす主な理由は、授乳間隔のあきすぎ、赤ちゃんがうまく母乳を吸えていない、母乳が出すぎて赤ちゃんが飲みきれない、きついブラジャーによる乳房の圧迫や、乳頭についた傷口からママの手や赤ちゃんの口を介して細菌が入ることです。
また、ママのストレスや疲れが乳腺炎を引き起こすことがあるとも考えられていますよ(※1)。栄養バランスや水分補給とともに、以下のことに気をつけてみましょう。
● 赤ちゃんがしっかりと乳房をくわえられているか確認する
● 赤ちゃんが飲みやすい姿勢で授乳できているか見直す
● 授乳間隔をあけすぎない
● 赤ちゃんが飲みきれなかった分は搾乳する
● 乳頭に触れるときは手を清潔にする
● 赤ちゃんが飲み終えたあとは唾液を拭き取る
● つけ心地が良く苦しくない下着にする
● 赤ちゃんが寝たタイミングで一緒に寝る
● パートナーや家族と協力して休む時間を作る
授乳中はバランスいい食事を摂ろう!
前述の通り、食べ物と乳腺炎の関係性にはっきりした根拠はまだ示されていません。ママの健康のためにも野菜や食物繊維、ミネラルなどが多い食品を摂るようにしてくださいね。
予防していても乳腺炎になってしまうこともあります。乳房にしこりができて赤くなったり熱を持っている状態になって、ママ自身の体温も上がってきた場合は、早めに受診しましょう。