乳製品は、カルシウムがたっぷりでたんぱく質も豊富に含む食品です。しかし、産婦人科などの母乳外来で、乳製品の摂取を控えるように指導されたママもいるかもしれませんね。
今回は、授乳中に牛乳やチーズなどの乳製品を食べてもいいのか、また豆乳などの類似製品は摂取してもいいのかについてご説明します。
授乳中の牛乳やチーズなどの乳製品は母乳に影響するの?
授乳中は母乳を通じて赤ちゃんに栄養を与えるため、栄養不足になりがちです。そこで乳製品でカルシウムやたんぱく質などを手軽に摂取したいと考えるママも多いですよね。
一方で、「授乳中にママが牛乳を飲むと、おっぱいの出が悪くなる」「乳製品を食べると、乳腺炎の原因になる」という話を聞いて、不安になっている人も多いのではないでしょうか。
実際のところ、食事を制限することで乳腺炎を予防できる根拠はないとされており、UNICEF/WHOも「授乳中の女性は特別なものを食べたり、特定の食事を避けたりする必要はない」としています(※1)。
ただ、特定のものを過剰摂取したり、偏った食事をすることは体に良いことではありません。ママの健康のためにも、乳製品を含め栄養を考えながらバランス良く摂るようにしましょう。
授乳中に牛乳を飲むと赤ちゃんがアレルギーになるの?
「授乳中に母親が牛乳を飲んでいると、赤ちゃんが牛乳アレルギーになる」という噂を聞き制限するママもいるようですが、これにも医学的根拠がありません(※3)。
厚生労働省や日本小児アレルギー学会も、授乳中のママがアレルゲン物質を含む食事の制限をすることを推奨しておらず、偏った食生活をしないよう提言しています(※4, 5)。
ママの健康のためにも制限する必要はないため、ママ自身に牛乳アレルギーがない限り気にしないでくださいね。
授乳中に豆乳は飲んでもいいの?
豆乳は牛乳に比べてカロリーが低く、たんぱく質やマグネシウム、ビタミンなどの栄養素が豊富に含まれているので、授乳中もおすすめの飲み物です。料理にも、牛乳の代わりに活用してみるのもいいですね。
ただし、ヘルシーな豆乳も適量を飲むことが大切です。厚生労働省の食品安全委員会は、大豆イソフラボンの安全な摂取目安量を1日あたり70~75mgとしています(※6)。
豆腐や味噌など、豆乳以外の大豆製品にも大豆イソフラボンが含まれることを考えると、授乳中に飲む豆乳はコップ約1杯分(200g)にとどめておきましょう。
授乳中は乳製品を適度に摂りましょう
母乳で赤ちゃんを育てていると、乳製品に限らず様々な食べ物による影響が気になってしまうもの。
しかし、母乳への影響を心配しすぎて特定の食品を避けてしまうと、栄養に偏りが生じてしまう可能性があります。1日の食事全体の栄養バランスを考えながら、適度に乳製品を摂りましょう。