授乳中に寿司や刺身を食べてもいいの?注意点は?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠中、医師から「魚には水銀を多く含むものもあるから、寿司や刺身には気をつけて」と言われたことがあるママもいますよね。そこで気になるのが、授乳中は寿司や刺身を食べていいのかどうかということ。

今回は、授乳中に寿司や刺身を食べてもいいのか、食べる際の注意点などをご紹介します。

授乳中に寿司や刺身は食べてもいいの?

寿司 刺身

授乳中に寿司や刺身を食べていいのかどうか悩む人のなかには、母乳を通じて赤ちゃんに水銀が摂取されるのではないかと心配している人もいるでしょう。

厚生労働省によると、母乳に水銀は含まれるものの、ごく微量のため乳児に健康被害が出るほどのものではないとしています。

青魚のような魚介類には良質なタンパク質やEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)と呼ばれる赤ちゃんの神経の発達に必要な物質が他の食品より多く含まれていることから、摂取することを推奨しています(※1)。

授乳中に寿司や刺身を食べる際の注意点は?

ウイルス 感染 ばい菌 潜伏 感染症

授乳中に寿司や刺身を食べる際に気をつけたいのは食中毒です。授乳中のママが食中毒になると、自分がつらいだけでなく赤ちゃんのお世話もままならなくなってしまいます。

魚介類を食べることで起こる食中毒の原因として代表的なものは、腸炎ビブリオなどの菌によるもの、アニサキスなどの寄生虫によるもの、ヒスタミンという化学物質によるものがあります。

腸炎ビブリオによる食中毒

腸炎ビブリオによる食中毒は7~9月に起こることが多く、原因のほとんどが魚介類かその加工品を食べることです(※2)。

感染すると、12時間前後の潜伏期間を経て耐え難いほどの腹痛や下痢がみられます。発熱、嘔吐、吐き気などの症状が現れることもあります。

下痢や嘔吐などで脱水症状を起こした場合は点滴による治療を行う場合がありますが、重症ではない場合は薬剤等を使わずにそのまま経過をみることが多いです(※2)。

腸炎ビブリオは10度以下では増えず、熱に弱いという特徴があるため、原因となる魚介類を低温で保存しておくことや、調理の際に食品の中心部分を10分以上、60度を超えるように加熱することで、感染を予防することができます(※3)。

アニサキスによる食中毒

アニサキスによる食中毒は、季節を問わず起こります。アニサキスに寄生されたサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類を生で食べることで発症します。

感染すると、食後数時間から数日後に胃の激しい痛みや吐き気、嘔吐、下腹部の痛みなどの症状が現れます。

アニサキスは長さが2~3cmほどと目に見える大きさなので、寿司や刺身を食べる前に見つけたら手で取り除くことや、−20度以下で24時間以上冷凍、または60度以上で1分以上加熱することで感染を防ぐことができます(※4)。

ヒスタミンによる食中毒

ヒスタミンによる食中毒は、常温に放置するなどの不適切な管理をした、カジキ、マグロ、ブリなどの赤身魚や、その加工品を食べることで発症します。

アレルギー反応と似た症状がでる食中毒で、食べてから1時間以内に口周りや耳たぶが赤くなり、じんましんや頭痛、嘔吐や下痢などの症状が現れます。

また、ヒスタミンが大量に含まれている魚を口に入れると、舌がピリピリすることもあるので、そのような刺激を感じたら食べるのをやめましょう。

冷蔵庫のなかでも、長期間保存しているとヒスタミンは増えることがあります。熱にも強いので加熱しても食中毒を防ぐことはできません。赤身の魚はできるだけ早く食べてしまうことをおすすめします(※5)。

授乳中のに寿司や刺身は鮮度や量に気をつけてを食べよう

親子 男の子 ママ

妊娠中と違い、母乳から赤ちゃんの口に入る水銀はごくわずか。そのため、基本的に授乳中に寿司や刺身を食べること自体は問題ありません。むしろ魚に含まれるEPAやDHAなどは、赤ちゃんの脳の発達にいい影響を及ぼす栄養素です。

しかし、鮮度や魚の管理温度、食べる量によっては食中毒のおそれがあります。授乳中に寿司や刺身を食べる場合には、刺身なら鮮度のいいもの、寿司ならかっぱ巻きやかんぴょう巻きなどの巻物や、煮アナゴなどの火が通ったネタを選んだほうが安心かもしれませんね。

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