妊娠35週目の赤ちゃんの体重や大きさは?早産で出産する影響は?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠35週は、妊娠9ヶ月の最後の週です。出産まであとわずかですが、お腹の重みのせいで体への負担が増え、身体的にも精神的にもストレスを抱えやすい時期です。赤ちゃんは成長の最終段階に入り、生まれてくる準備を着々と進めていますよ。

今回は妊娠35週の妊婦さんと赤ちゃんの状態や、この時期に早産になった場合の影響についてなどをご説明します。

妊娠35週目の妊婦さんの状態は?

妊婦 お腹 ハート

妊娠35週のお腹の大きさは、子宮底長で30cmほどです(※1)。子宮は、みぞおちから指2~3本分ほど下の位置まできています。この高さは今がピークで、来週からは出産に向けて少しずつ下がっていきます。

妊娠35週を過ぎてから出産予定日までの1ヶ月で、赤ちゃんはあと約1kg成長するので、ママ自身の体重も1kg以上は増加することが多いです(※1)。安産を迎えるためにも、引き続き適正な体重増加を心がけましょう。

栄養バランスの取れた食事を心がけながら、体力づくりのためにもウォーキングなどの適度な運動を行ってくださいね。

妊娠35週目の赤ちゃんの状態は?

35週 エコー写真

妊娠35週になると、赤ちゃんの発育が最終段階に入ります。個人差があるものの、身長は約45cm、体重は約2,300gまで成長します(※2)。

標準より大きかったり小さかったりしても、医師から指摘されなければ不安に思う必要はありませんよ。

赤ちゃんは自力での呼吸ができるようになっていて、早産になっても赤ちゃんの生存率は妊娠37週以降の正期産とほとんど変わりません(※1)。

しかし、呼吸障害などの合併症や、低出生体重児として生まれるリスクは依然としてある状態です。今はまだもう少し、ママのお腹のなかで成熟が必要です。

妊娠35週目に注意しておきたいことは?

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妊娠35週目には以下に気をつけましょう。

貧血

妊娠後期になると、出産での出血に向けて血液量が妊娠前より約40%増加します(※3)。

血液中で酸素を運ぶ役割をする赤血球を作るため、そして赤ちゃんを育てるために、鉄分の必要量が増えるので、ママの体は貧血になりやすい状態です。

貧血になると、ママの脳に届けられる血液が少なくなり、立ちくらみやめまいを引き起こしてふらつきや転倒をしやすくなります(※1)。

今の時期はできるだけゆっくりと動くようにして、特に立ったり座ったりするときや階段の上り下りをするときは、手すりなどをつかんでおくようにしてください。

貧血は食事でもある程度は改善が期待できるので、鉄分が豊富な赤身の肉や大豆製品、ほうれん草などを意識して食べるようにするといいですよ。

医師から鉄剤を処方された場合は、安全な出産のためにもしっかりと飲むようにしてくださいね。

前駆陣痛が起こる可能性がある

妊娠35週は、お腹が不規則に張る「前駆陣痛」を感じ始めている人もいるかもしません。

前駆陣痛には個人差があるものの、生理痛のような痛みや、お腹の張りを伴うことが多いです。

少し安静にしていればおさまるようであれば問題ありませんが、規則的にお腹が張る、安静にしても張りがおさまらない、出血を伴うなどの場合は、出産が近づいている可能性もあります。

異変を感じたら、すぐに産院に連絡するようにしてくださいね。

妊娠35週目にやっておくといいことは?

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妊娠35週目には以下をやってみてもいいかもしれません。

自治体や民間のサービスを調べておく

今のうちに、自治体や民間のサービスなどを調べておくのがおすすめです。

子育て支援センターや産後サポート、病児保育、ミールキットなど育児や家事を支援してくれるサービスはとても便利です。

事前に登録が必要なところも多いので、今のうちからピックアップしてどのようなサービスがあるか、いくらかかるのかなど調べておくと安心ですね。

ベリーペイントをして記念撮影する

「ベリーペイント」とは、安産を祈願して妊婦さんの大きくなったお腹に絵を描くことです。

海外のおまじないが起源といわれていて、妊娠中の思い出として、あるいは出産への不安な気持ちをリフレッシュするために、妊娠35週頃にペイントしてもらう人も多いようです。

ベリーペイントの記念写真を残しておくことで、赤ちゃんが大きくなってから思い出話をしてあげることもできますよ。

ベリーペイントができる期間は特に決まっておらず、臨月に入ってからでも受けられます。体調が良いときを見計らってチャレンジしてみてもいいかもしれませんね。

ただしお腹が冷えると張りやすくなるので、冷えないように注意しましょう。もし途中でお腹が張ってしまったら、無理せず中止するようにしてくださいね。

妊娠35週目は心の準備を進めよう

妊娠35週頃は体調がすぐれない日も多く、ちょっとしたことでストレスがたまってしまうかもしれません。そんなときは無理せず、周りを頼ってくださいね。

いよいよ来週は臨月に入ります。ストレスをうまく解消しながら、心の準備を進めていけるといいですね。

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