妊婦は鉄分を摂取しよう!妊娠中の食べ物で即効性があるのは?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠すると体に様々なマイナートラブルが現れますが、そのなかでもよく見られるのが「貧血」です。貧血の妊婦さんは、鉄分を摂取することで症状が改善することもありますよ。今回は、妊娠中の貧血を改善するために、鉄分を多く含む食べ物をご紹介します。

妊婦に鉄分が必要な理由は?なぜ貧血を起こしやすいの?

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妊娠中は赤ちゃんへ栄養や酸素を送るために、妊婦さんの血液量は増加します。このとき、全身へ酸素を送り届けるヘモグロビンが増える量に比べて、血漿(けっしょう)と呼ばれる液体成分の方がたくさん増えるため、血液全体が薄まり、貧血を引き起こしやすい状態になります。

さらに、血液量が増えることで、赤血球を作り出す鉄分の需要が高まるので、妊婦さんの体は鉄分が不足しやすい状態にあります。これらの原因から、妊娠中、特に妊娠中期以降は「鉄欠乏性貧血」が起こりやすくなります。

妊婦さんが貧血を解消するためには、不足しがちな鉄分を積極的に摂取することが大切です。

妊婦が摂るべき2種類の鉄分とは?

野菜 カロリー

妊婦さんが摂った方がいいとされる1日あたりの鉄分摂取量は、厚生労働省が以下のように定めています(※1)。

18〜29歳 30〜49歳
妊娠初期 8.5mg 9.0mg
妊娠中期〜後期 21.0mg 21.5mg

食事で鉄分を摂取するときに覚えておきたいのが、鉄分の種類です。鉄分には、肉や魚など動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、野菜や海藻類などに含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。

ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて体に吸収されやすいのですが、肉類や魚介類をたくさん食べるのは大変ですよね。一方、非ヘム鉄は野菜や海藻に含まれるので摂取しやすいのですが、吸収率がよくないので他の食材と組み合わせて食べなければなりません。

それぞれの特徴を活かしてバランスよく鉄分を摂取することが貧血の予防には大切です。次からは、妊婦さんが鉄分を上手に摂取するためのおすすめの食材やアイデアをご紹介します。

妊婦の鉄分摂取におすすめ!「ヘム鉄」を多く含む食べ物は?

あさり 貝

ヘム鉄は、肉類・魚介類に多く含まれています。鉄分を多く含む代表的な肉類・魚介類とその鉄分含有量は次の通りです(※2)。

● 豚レバー(焼き鳥1串/約30g):3.9mg
● 鶏レバー(焼き鳥1串/約30g):2.7mg
● かき(むき身5個/約75g):1.6mg
● 牛もも肉(赤身約1枚/70g):2.0mg
● めじまぐろ(切身1切/70g):1.3mg
● あさり(むき身約10個/30g):1.1mg
● しじみ(むき身約10個/20g):1.7mg

鉄分を多く含む食べ物の代表格はレバーで、少量でたくさんのヘム鉄を摂取できます。

ただし、レバーは動物性のビタミンAである「レチノール」を多く含みます。妊婦さんがレチノールを過剰摂取すると、胎児に「発育不全」や「促奇形性」を引き起こすリスクが高まるため、食べ過ぎには注意しましょう(※3)。

また、サプリメントからのビタミンAの過剰摂取にも気をつけてください。

レバーだけでなく、牛や豚の赤身にもヘム鉄は含まれるので、食事のメインに赤身肉を使った料理を取り入れるのがおすすめです。あさりやしじみなどの貝類は、味噌汁にして飲めばつわり中の妊婦さんでも摂取しやすいですよ。

妊婦の貧血対策におすすめ!「非ヘム鉄」を多く含む食べ物は?

納豆 大豆

ヘム鉄だけで鉄分摂取量を満たすのは難しいので、非ヘム鉄を多く含む食材も取り入れて貧血対策をしましょう。非ヘム鉄を多く含む食材とその含有量は次の通りです(※2)。

● 乾燥大豆(100g):6.8mg
● 小松菜(生100g) :2.8mg
● 切干大根(乾100g):3.1mg
● ほうれん草(生100g):2.0mg
● 高野豆腐(水煮100g):1.7mg
● 納豆(1パック45g):1.5mg

ほうれん草や小松菜などの葉物野菜や切り干し大根、高野豆腐は副菜としても取り入れやすいのでおすすめです。納豆は鉄分を摂取できるだけではなく、ほかの栄養も多く含むので、妊婦さんは積極的に食べたいですね。

妊婦の鉄分摂取をサポートする食材は?

飲食 小魚 しらす

前述のように、非ヘム鉄は摂取しやすいのですが、体内での吸収率が低いという問題があります。そこで鉄分の吸収率を高めるために、タンパク質とビタミンCを一緒に摂取してください。特にビタミンCは血液を作るサポートをする栄養なので、積極的に摂りたいですね(※3)。

タンパク質を多く含む食材の一例

● しらす干し
● 豆腐(大豆類)
● いわしの丸干
● あじ
● ハマグリ

ビタミンCを多く含む食材の一例

● ピーマン
● パセリ
● レモン
● アセロラ
● ケール
● 芽キャベツ
● 柿
● ブロッコリー

これらの食材をうまく取り入れることで、鉄分の摂取量が高まります。上手に組み合わせたメニューを考えて効率的に鉄分を摂取したいですね。

なお、コーヒーや紅茶には鉄分吸収を妨げる作用があり、カフェインも含むため、できれば食後に飲むのは控えましょう。

妊婦は鉄分摂取と生活改善で貧血の予防を!

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妊娠中期・後期には鉄分の推奨摂取量が増えるので今までの食生活を続けているだけでは十分に満たせないこともあります。

妊娠中は食べ物の好き嫌いが出やすかったり、胃腸の調子が悪くなったりするので、うまく鉄分を摂取できないかもしれませんが、貧血を予防するためにも、メニューや食材を工夫して積極的に摂取することを心がけてくださいね。

また、妊婦さんの貧血は、赤血球を作り出す「葉酸」が不足することでも起きやすくなります。鉄分だけでなく、葉酸をはじめとした様々な栄養素をバランス良く取り入れましょう。

妊婦さんが貧血を予防するには、食事の改善だけでなく、日々の生活習慣を見直すことも大切です。しっかりと睡眠を取り、適度に運動をするなど、健康的な生活を目指しましょう。

妊娠中に貧血が続くとイライラしてしまうこともありますが、うまく鉄分を摂取して乗り切ってくださいね。

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