産後は妊娠しやすい?時期はいつまで?生理前に妊娠するの?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年に山梨医科大学(現 山梨大学)医学部を卒業。板橋中央総合病院を経て、現在は沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターに勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救... 監修記事一覧へ

「産後は妊娠しやすい」という話を聞いたことがある人もいれば、逆に「産後はなかなか妊娠しない」という話を耳にしたという人もいるかもしれません。2人目、3人目の子供が早くほしいというママは、どっちなのか気になりますね。そこで今回は、産後の体の状態や排卵の時期、本当に妊娠しやすいのか、生理が来る前に妊娠することはあるのかなどをご説明します。

産後の体の状態は?

授乳 おっぱい

女性の体は、出産をすると赤ちゃんを育てるための機能が高まるようにできています。その一つが「プロラクチン」というホルモン。このホルモンの分泌量が増えることで母乳の出が良くなる一方、卵巣機能が抑制されます(※1)。

赤ちゃんが母乳を吸う刺激によって、プロラクチンの分泌が促進され、卵胞の発育などを促す「性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)」の分泌は減るため、授乳中しばらくは生理や排卵が止まります。

この仕組みにより、ゴナドトロピンよりもプロラクチンの方が多く分泌されている間は、基本的には排卵が起こらず、妊娠することはありません。

産後、早い時期で妊娠すると、早産や低出生体重児が増えることがわかっています。特に産後6ヶ月以内に妊娠すると、早産の危険性が1.4倍にもなるという報告があります(※2)。

このリスクがもっとも低くなるのは、出産から次の妊娠までの間隔が18~23ヶ月のときです(※3)。

産後すぐに排卵が起こらないのは、ママの体調や育児、そして出産のリスクが落ち着くまでは妊娠を防ぐという、自然のメカニズムといえるでしょう。

産後は妊娠しやすいといわれる理由は?

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「産後は妊娠しやすい」ことの理由として、「出産によって子宮や卵管がきれいな状態になっているから、受精卵が着床しやすい」という話を聞いたことがあるかもしれません。

しかし、それを裏づける医学的根拠は、今のところありません。子宮や卵巣、卵管などの状態には個人差があるため、一概にはいえないでしょう。

そもそも産後は、前述のとおりプロラクチンの分泌によって排卵が抑えられているので、出産してすぐの時期は妊娠しづらい状態です。

ただし、授乳をしているママに比べると、授乳をせずにミルクで赤ちゃんを育てているママはプロラクチンの分泌が少ないため、産後すぐに妊娠する可能性があり、注意が必要です(※4)。

そのため、「産後に妊娠しやすい」かどうかは、生殖機能の状態や母乳育児をしているか、またプロラクチンとゴナドトロピンの分泌バランスなどによって異なるといえます。

産後の排卵はいつから?生理前に妊娠することもある?

疑問 クエスチョン

「産後、生理が再開していないのに妊娠した」「授乳中なのに次の子供を授かった」というママがいるのも事実です。これは一体なぜなのでしょうか?

先述のとおり、産後しばらくはゴナドトロピンの分泌量が少ない状態が続き、卵巣機能が抑えられるため、授乳しているママだと産後3~12ヶ月、授乳していないママは産後2ヶ月ほどは排卵も生理もありません(※1,4)。

生理が再開したとしても、最初の生理は無排卵であることも多くあります。しかし、排卵が再開する時期は人それぞれで、生理が来るよりも前に排卵が起こることもあります。

過去の調査では、授乳していないママは産後12週(約3ヶ月)でほぼ100%、授乳中のママでも産後20週(約5ヶ月)で約50%に排卵が見られたというデータもあります(※5)。

つまり、生理がまだ来ていなかったり、母乳育児をしていたりする期間でも、排卵が起こる可能性はあります。性交のタイミングと排卵時期がたまたま重なれば、生理前に妊娠することも十分に考えられるのです。

「まだ生理が再開していないから大丈夫だろう」と安心せずに、産後すぐや授乳中でも避妊をするようにしましょう。

2人目、3人目が欲しい人も、産後すぐの妊娠は様々なリスクがあることが報告されているので、焦らずに次の妊娠を考えたいですね。

産後の妊娠に向けた性交渉の時期は?

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性交渉自体は、産後1ヶ月ほどから再開してかまいません。先にもご説明したとおり、性交渉を再開すれば妊娠する可能性があるので、避妊には注意しましょう。

ただし、ママは育児の忙しさもあり、性交渉をする余裕がないこともあると思います。パートナーと、お互いの気持ちや体を思いやりながら、無理のないタイミングで再開したいですね。

夫婦生活を再開してよいかどうか不安があれば、かかりつけの産婦人科医に相談してからにすると安心です。

また、産後はホルモンバランスが整うまでに時間がかかるので、しばらくは生理不順の状態が続くことがよくあります。

そのうえ産後1年ほどは、授乳や赤ちゃんの睡眠サイクルなどで、ママの朝夕のリズムも変わります。基礎体温を正確に測れないことなどから、排卵日を把握するのもなかなか難しいかもしれません。

産後、妊娠を目指した性交渉を行うのは、ママのホルモンバランスが整ってからが良いでしょう。出産リスクの観点からいうと、前述のとおり、1年半ほど経ってから行うことをおすすめします。

産後に妊娠しやすい状態になるには?

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妊娠しやすい体づくりのためには、健康的な生活を送ることが大切です。これは、産前と変わりません。産後の疲れを癒やし、心身の健康を保つことが妊娠の可能性を高めるための近道ですよ。

1日3食、栄養バランスの取れた食事をしっかり摂りましょう。産後はお腹のたるみが気になって、早く痩せたいと考える女性も多いかもしれませんが、過度や運動や食事制限で無理をするのではなく、骨盤矯正やストレッチなどを試すのがおすすめです。

母乳育児を行うことでも、ママの体質は健康的に改善していきますよ。

また、赤ちゃんのお世話でまとまった睡眠をとれない毎日が続くと思いますが、旦那さんや家族にも協力してもらいながら適度にストレス発散をしてくださいね。

産後の妊娠は体調を見ながら考えましょう

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産後の妊娠のタイミングは、希望する家族計画だけでなく、ママの体の状態も見ながら考えることが大切です。何よりまだ幼い赤ちゃんのお世話もあるので、あまり無理はしないでくださいね。

年齢的に早めの妊娠を希望しているなど、それぞれ事情があると思うので、健診のときなどに産婦人科医に相談し、パートナーとよく話し合ったうえで決められると良いでしょう。

妊活に取り組む期間やタイミングなどは、無理のない計画を立てることをおすすめします。

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