無痛分娩とは?費用は?デメリットやリスクはある?

出産時の痛みは「鼻の穴からスイカを出すくらいの痛さ」「あまりに痛くて半分気絶しながら出産した」などいろいろな言葉で表現されます。そんな先輩ママの体験談を聞くと、分娩時の痛さを少なくする「無痛分娩」が気になりますよね。「痛みを緩和する」という良さを受けられる一方で、デメリットやリスクはあるのでしょうか?今回は無痛分娩についてまとめました。

無痛分娩とは?

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無痛分娩とは、麻酔薬をつかい、陣痛の痛みをやわらげながら出産する方法です。麻酔で完全に眠ってしまうわけではなく、痛みをやわらげつつも、意識はある状態です。分娩時のいきみは必要ですし、出産直後の赤ちゃんを抱っこすることもできます。

つまり、痛みが軽くなるというだけで通常のお産とほとんど変わりません。「無痛分娩」という名前から「まったく痛みがない」というイメージがあるかもしれませんが、あくまでも「痛みが軽くなる」だけということは頭に入れておきましょう。また、無痛分娩の場合、分娩日を決めて行う計画分娩になることが一般的です。

無痛分娩の割合は?

% パーセント 割合

欧米では一般的な無痛分娩ですが、日本ではまだ主流ではありません。2008年に厚生労働省の研究班が行った調査では、日本にある約2800の分娩施設のうち、無痛分娩の中でも硬膜外無痛分娩を行ったのは250施設程度とされています(※1)。

なお、海外で無痛分娩の割合は、アメリカでは約6割(2008年)、フランスでは約8割(2010年)、アジアでは全体的に無痛分娩の利用率は低く、利用率が高い国の中では、シンガポールで16%、香港で9%、台湾で9%(1997〜1999年)という調査結果が出ています(※2)。

無痛分娩の麻酔方法は?

注射

無痛分娩には、「硬膜外麻酔」と「点滴麻酔」という2つの方法があります。麻酔はママの脳に影響をおよぼして痛みをやわらげ、眠気を起こしますが、同じことが赤ちゃんにも起きて、少し眠たそうに生まれてくることも。ただしこれは一時的なもので、赤ちゃんも麻酔の影響がなくなれば元気になりますよ。

硬膜外麻酔

背骨の脊髄に近い場所にチューブを入れて麻酔薬を注入する方法で、針をさす際に、少しチクっとした痛みを伴います。硬膜外麻酔は痛みをやわらげる効果が強いのですが、意識は分娩の最後まではっきりしていて、赤ちゃんへの影響はほとんど見られないといわれています。

麻酔薬の影響が母子ともに少ない点から、海外では硬膜外麻酔が一般的な方法です。また、この方法は「硬膜外鎮痛法」とも呼ばれています。

点滴麻酔

静脈から麻酔薬を入れる方法です。硬膜外麻酔と比べると、点滴は鎮痛効果が弱いのですが、事前の処置は簡単です。分娩中に多少眠くなる方もいますが、たいていは赤ちゃんが生まれてくるまで意識があります。

無痛分娩のメリットは?痛みは本当にないの?

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無痛分娩は完全に痛みがなくなる、というわけではありません。ただ、分娩時の痛みがやわらぐだけでなく、母体への疲労感が少なく、出産後の回復が比較的早いというメリットがあります。

また、分娩中はいきむタイミングで呼吸を止めて力を入れてしまうことがあり、赤ちゃんに届く酸素量が減るといわれています。減る量が少しであれば問題ないのですが、妊娠高血圧症候群などで赤ちゃんへの血流が元々減ってしまっていると、赤ちゃんへの酸素量が少なくなる可能性も。その場合、硬膜外鎮痛法で無痛分娩をすれば、血流と酸素量を保って分娩できるというメリットがあります。

それ以外にも、心臓や肺に持病を持つ妊婦さんも、母体への負担を軽くするために無痛分娩を積極的に検討した方が良いこともあります。自分の体のことも合わせて無痛分娩が気になるときには、産婦人科医に相談してみましょう。

無痛分娩のデメリットは?

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まず、通常の分娩よりも費用が高くなることがあげられます。また、痛みをやわらげる効果には個人差があり、中には想像していた効果が得られなかったという人も。

逆に、麻酔の効果が強く現れると、いきみを感じられない場合や子宮収縮が弱くなる場合もあり、分娩を進めるために、鉗子分娩や吸引分娩が選択される確率が高くなります。この確率は、点滴よりも硬膜外麻酔の方が高いといわれています。

無痛分娩にリスクはあるの?

リスク

硬膜外麻酔であれ、静脈からの点滴であれ、無痛分娩が赤ちゃんに大きな影響を与えることはほぼないという研究結果があります。無痛分娩で生まれた赤ちゃんは、出産直後のアプガー指数(赤ちゃんの心拍数、呼吸状態、皮膚の色、反射などを点数化したテスト)でも正常な反応で、ママの血液検査でも同じく正常で、悪影響は認められませんでした。

ママに投与される麻酔薬の量が通常よりも多い場合は、出産直後の赤ちゃんが音や光に対して反応しにくいことがあります。しかしこれらの反応は一時的なもので、長期間続くものではありません。また多量に麻酔薬が使われると、赤ちゃんの呼吸が一時的に弱まるリスクもありますが、お医者さんが細心の注意を払って確認してくれているので安心ですね。

無痛分娩は自閉症の危険性が高まるって本当?

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「無痛分娩は自閉症の原因になるの!?」という話しを耳にされた妊婦さんもいるかもしれませんが、どの医療機関からもそのような調査結果が出たことはなく、医学的な根拠はありません。

なお、無痛分娩の麻酔ではなく、「陣痛促進剤を使用した場合、自閉症を引き起こすリスクが高まった」という調査報告がアメリカでされています(※3)。ただ、陣痛促進剤と自閉症の直接的な医学的関係が明らかにされているわけではなく、統計的にその数字が出た、というだけなのです。

無痛分娩の費用はいくらかかる?

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費用としては、通常の出産と同じく保険適用外になります。病院によって異なりますが、無痛分娩費用は一般的に、通常の分娩費用に加えて、個人施設では0〜5万円、一般的な総合病院だと3~10万円程度、大学病院等であれば1〜16万円となります。

費用については、詳細を施設スタッフに確認しておくと安心ですね。

無痛分娩の病院の探し方は?

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妊娠が分かったときから無痛分娩を希望していれば、日本産科麻酔学会が公開している無痛分娩施設リストを参考にして、近隣の実施病院を探して受診してみましょう。

ただ、もちろん妊娠週数が進んでから検討する人も多くいます。そのときは、妊婦健診を受けている産婦人科で、担当医や助産師に相談してみてくださいね。無痛分娩を行っている施設を紹介してもらいましょう。無痛分娩が行える施設であっても、できるだけ妊娠32週より前に希望を伝えるのがおすすめです。

無痛分娩は産婦人科医にしっかり相談しましょう

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無痛分娩については、さまざまな噂や考え方がされていますが、リスクや分娩方法について産婦人科医と相談しながら、家族と一緒に自分に合った分娩方法を決められるようにしましょう。

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