臨月に入るといつ陣痛が来てもおかしくないので、いつ来るかとソワソワしてしまいますよね。予定日が近づくと、「○○をしたら陣痛が来た」という噂を試してみたくなるかもしれません。そんな陣痛を促すという噂の一つに「食べ物」に関するものがあります。今回は、食べ物で陣痛が促進されることはあるのか、陣痛が始まったらどんな食事がいいのかについてご説明します。
そもそも陣痛とは?
「食べ物で陣痛が促されることはあるのか」を説明する前に、陣痛がどういうものかを知っておきましょう。
陣痛とは、お腹の中の胎児を外に押し出すために子宮が収縮する際に起こる痛みのことです。最初は、痛みの感覚が不規則に現れる「前駆陣痛」から始まります。
やがて、子宮は規則的に収縮して痛みを感じるようになり、この痛みの間隔が10分程度になると陣痛(いわゆる本陣痛)です。
陣痛から出産までの時間には個人差がありますが、一般的に初産婦は12~15時間、経産婦だと4~6時間ほどかかります(※1)。
陣痛を促進する食べ物はあるの?
結論から言うと、医学的に証明された「陣痛を促進する食べ物」はありません。特定の食べ物を食べることで子宮収縮を起こす、という医学的な根拠は今のところ見つかっていないのです。
インターネットの掲示板やSNSなどで「特定の食べ物を食べたら陣痛が来た」という情報を見かけることもあるかもしれませんが、たまたまそのタイミングで自然に陣痛が始まっただけだと考えましょう。
陣痛を促すというジンクスがある食べ物は?
世間一般では、陣痛を促す食べ物のジンクスがあります。焼肉・オロナミンC・カレーの3つが代表的ですね。これらも医学的な根拠はありませんが、どうしてこんな噂が生まれたのでしょうか?
焼肉
「出産後はなかなか焼肉に行けないから、今のうちに行こう」「出産前に焼肉で体力をつけよう」などの理由で、出産直前に焼肉を食べる妊婦さんもいます。
そのタイミングと陣痛が重なる人が多かったために、生まれたジンクスだと考えられます。
オロナミンC
「カフェインで興奮すると陣痛が来やすくなる」という噂から、カフェインを多く含むオロナミンCが陣痛につながるのではないかと考えられたのかもしれません。
ただし、カフェインが子宮収縮を促すということ自体に医学的な根拠はありません。
なお、妊娠中は、母体・胎児ともにカフェインの影響を受けやすく、胎児の発育に影響する可能性があるので、コーヒーであれば1日に2杯までに抑える方が良いでしょう(※2)。
カレー
カレーには様々な香辛料が含まれるので、「体を刺激して子宮収縮を促す」というジンクスが生まれたのではないでしょうか。
しかし、刺激物が子宮収縮に影響をおよぼすという根拠も、特にありません。
陣痛が始まったらどんな食べ物を食べたらいいの?
陣痛が始まって、規則的に痛みを感じるようになってからはどんな食べ物を食べると良いのでしょうか?
先述のとおり、本格的な陣痛が始まってから出産を終えるまでは、初産の人なら10時間以上かかるのが一般的です。そのため、余裕がある段階で、少量でもカロリーのあるものを摂取しておくのがおすすめです。チョコレートやアメ、ゼリー状のスポーツ飲料は、手軽に食べられてエネルギーを補給できます。
陣痛が始まってしまうと体の自由がきかなくなり、痛みのせいで飲み物を飲むのがやっと…という状態になる人も多いものです。最初のうちにしっかりと栄養補給をしておいてくださいね。
陣痛に備えて栄養バランスのとれた食事を
予定日が近づいても陣痛がなかなか来ないと不安になってしまうかもしれません。
根拠はないといわれてもジンクスを試してみたくなるものですが、特定のものばかり食べると栄養が偏ってしまいます。お腹の赤ちゃんが元気に産まれてこられるように、栄養バランスのとれた食事を心がけてくださいね。
また、いざ陣痛がきたときに、緊張のあまり体に力が入りすぎてしまうと、お産が終わるまでに時間がかかってしまうことも。できるだけリラックスして出産に臨めるように、陣痛が始まる前に呼吸法を練習しておくのもおすすめですよ。