妊娠中はお腹への影響に不安を感じ、「できれば飛行機に乗りたくない」と思う人もいるかもしれませんね。しかし、里帰り出産など、どうしても飛行機に乗らなければならないときもあります。妊娠中に飛行機に乗るときは、何に気をつければ良いのでしょうか?今回は妊娠中の飛行機の利用について、いつまで乗れるのか、どんなリスクがあるのか、何に注意すればいいのかなどについてご説明します。
そもそも妊娠中は飛行機に搭乗してもいい?

気圧などが適切に調整されている現代の航空機であれば、搭乗しても母子ともに大きな問題はないとされています(※1)。
しかし、飛行機は気流の関係で突然大きく揺れたり、座席に長い時間着席していなければならなかったりと、母体にそれなりの負担をかけてしまいます。
飛行機に乗る際には、妊婦健診などでかかりつけの医師に相談し、搭乗の許可をもらってからにしたほうが安心ですね。
妊婦は飛行機にいつからいつまで乗れる?

自身の健康やお腹の赤ちゃんの成長に問題のない妊婦さんの場合、妊娠5~7ヶ月(妊娠16週0日~27週6日)の安定期の間なら、比較的、負担が少ないでしょう。
里帰り出産などで飛行機を利用しなければならない場合は、できればこの期間内の里帰りを検討してください。
また、航空会社によって規定に違いはありますが、一般的に出産間際の搭乗では、医師の診断書の提出や医師同伴の必要があります。
航空会社JALとANAの規定(国内線の場合)
- 出産予定日を含め8日以上28日以内の搭乗:診断書の提出が必要
- 出産予定日を含め7日以内の搭乗:診断書の提出と医師の同伴が必要
詳しい規定や事前に受けられるサービスについては、各空港会社のホームページに掲載されているので、チェックしてみましょう。
妊娠中に飛行機に乗るリスクは?

妊娠の経過に問題がなく、医師からの許可を得ていれば、飛行機に乗っても母子に大きな影響が出ることはないとされています(※1)。
ただし、飛行機の中で長時間同じ姿勢でいることは、エコノミークラス症候群のリスクを高めます。
妊娠中は特に足がむくみやすいので、座ったままできる足首の運動を行うのがおすすめです。つま先を伸ばしたり真上に上げたり、足首を回したりしましょう。
また、定期的にトイレに行くなどして適度に体を動かしましょう。飛行機の中は乾燥しているので、水分をこまめに摂ることも心がけてくださいね。
妊娠中に飛行機に乗る際の注意点は?

妊娠中に飛行機に乗る際は、トラブルが起きないように事前の準備をしっかり行うことが大切です。また、搭乗中も、ちょっとした心がけで快適に過ごせるようになります。
1. ゆったりとした服装を心がける
飛行機に乗ると、狭いところに長い時間座り続けることになります。
身体を締め付けるような服は血行を妨げる原因になるので、胸やお腹周りがゆったりとした服を着ましょう。また、靴を脱いでスリッパを着用するのもおすすめです。
2. 水分をこまめに摂る
飛行機の中は乾燥しているため、体の水分が奪われがちです。水分が不足すると血栓症が起きやすくなるので、水分はこまめに摂るようにしましょう。
カフェインを毎日大量に摂取すると胎児に影響を与える可能性がありますが、コーヒーや紅茶でリラックスできるのであれば、適量を飲んでもいいですね。
3. 予約する席を工夫する
つわりの症状が出やすい妊娠初期や、貧血や胃痛などの症状の出やすい妊娠後期は体調が急に悪くなることもあります。
そんなケースに備えて、気軽に席を立てるような通路側や、トイレ近くの席を予約しておきましょう。
特に妊娠初期はつわりや頻尿でトイレに行くことが多いので、予約する座席の位置には気をつけたいところです。
しかし、トイレが空いていない場合や、余裕をもって横になれるスペースがない場合もあります。体調が思わしくないときは、日程をずらすことも視野に入れてくださいね。
4. 必須アイテムを持っていく
妊娠中に飛行機に乗るときは、母子手帳、保険証、緊急連絡先(かかりつけの病院や連絡してほしい人)を書いたメモを必ず携帯しましょう。
また、何かあったときに妊婦だと分かってもらえるように、マタニティマークをカバンにつけておいてくださいね。
海外旅行に行く際は、万が一の時のために、出産予定日や産科への受診歴、現在の状況を英文で記したものも持って行くようにしましょう(※1)。
妊婦が飛行機に乗るときは事前にサービスを確認しよう

妊娠中に飛行機に乗るとなると、何かと不安になってしまうかもしれませんね。
しかし、かかりつけの医師の承諾をもらい、事前の準備さえ怠らなければ、過剰に心配する必要はありません。
各航空会社も妊婦さん向けのサービスを用意しているところが多いので、まずはどんなサービスを利用できるのかインターネットや電話で確認してみましょう。
そして、搭乗前や搭乗中に困った事があれば、1人で悩まず航空会社スタッフに相談してみてくださいね。