冬に子供や赤ちゃんがかかりやすい感染症は?家庭でできる予防法は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

冬は様々な感染症が流行する季節で、幼稚園や保育園が学級閉鎖になることもあります。子供の健康を守るためにも、病気の種類、症状、対策、予防法の基礎知識はもっておきたいですよね。今回は、特に冬に注意しておきたい子供や赤ちゃんの感染症について、原因や症状、対策、家庭でできる予防法をご紹介します(※1)。

冬の感染症1. 風邪

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風邪とは、急性の鼻炎、咽頭炎など上気道炎の総称で、約90%がウイルス性のものです。

発熱した場合は、脇の下、首の周囲や股の付け根の内側など、太い血管が走っている部位に冷たいタオルやアイスノンを置き、体全体の温度を下げましょう。ただし、熱自体はウイルスと闘っている結果なので、無理に下げようとせず、苦しさを和らげる程度に。

また、発熱によって子供の体力は消耗するので、あまり動き回るようなことはせず、発汗による脱水を避けるために水分補給を十分に行ってください。風邪は悪化すると肺炎や中耳炎を引き起こすことがあります。3日以上発熱が続くなどのときには放っておかず、早めに病院を受診をしてくださいね。

風邪の主な症状

● 発熱、咳、鼻水、くしゃみ、喉の痛み

冬の感染症2. インフルエンザ

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インフルエンザの症状は、一般的な風邪と似ているものの、38~40度の高熱が一気に出て、全身のだるさや筋肉痛など、全身の症状が強く出るのが特徴です。

インフルエンザの流行期に38度以上の熱があり、筋肉痛や関節痛、頭痛、くしゃみを伴わない咳といった症状があれば、発熱から6〜12時間を目安に小児科を受診しましょう。

特に脱水症状には注意し、こまめに水分をあげてくださいね。

インフルエンザの主な症状

● 高熱、頭痛、関節痛や筋肉痛、機嫌の悪さ

冬の感染症3. ノロウイルス・ロタウイルス

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ロタウイルスやノロウイルスは、秋から冬に流行しやすい感染性胃腸炎です。どちらも抗ウイルス剤はなく、対症療法で回復を待ちます。

下痢や吐き気、嘔吐が続き、脱水症状を引き起こす可能性があるので、こまめに水分補給を行いましょう。脱水症状がひどい場合は点滴を行うことがあります。下痢止めは病気の回復を遅らせることもあるので、市販薬などを使用せずに、医師に相談の上で対処するようにしましょう。

ノロウイルス・ロタウイルスの主な症状

● 発熱、嘔吐、水のような下痢、顔色不良、四肢が冷たい

冬の感染症4. RSウイルス

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RSウイルス感染症は2歳までにほぼ100%の確率で感染する病気です。基本的には冬の感染症ですが、近年は夏に流行がはじまる傾向があるので、冬以外の季節も注意が必要です。

RSウイルスと聞くと特殊な病気のように感じますが、いわゆる風邪を引き起こす病原体の一つです。特効薬はなく、解熱剤や咳止めなどで症状をやわらげます。ただし、咳や発熱などの症状がひどいときには、入院して集中的に治すこともあります。

乳幼児では喘鳴・呼吸困難などが細気管支炎・肺炎の症状としてみられることもあるので、不安なときは小児科を受診してください。

RSウイルスの主な症状

● 発熱、ぜこぜこした咳、顔色不良、呼吸困難

冬の感染症で他にも気をつけるべき病気は?

冬限定の感染症ではありませんが、ほかにも気を付けるべき感染症はあります。以下の症状は季節問わず発症する感染症なので、症状をしっかり把握しておきましょう。

百日咳

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百日咳は呼吸器系の感染症で、乳幼児によく見られる病気です。初期症状は風邪と変わらず、2週間ほど経過した頃に短く激しい咳が出て、呼吸音が「ヒュー」という息苦しい音になることが特徴です。

大人や年長児が感染すると「咳の長引く風邪」程度の症状で済むことが多いものの、年少児や乳児がかかると脳障害が残るなど命に関わることもあります。

一回の咳で何度も繰り返し咳き込むような症状があれば、小児科を早めに受診し、抗生物質等を服用して対処しましょう。

百日咳の主な症状

● 長期間の咳、呼吸困難、発熱

マイコプラズマ肺炎

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マイコプラズマ肺炎は、学童期の子供が発症することが多い病気です。

一度病院に行って「風邪」と診断されても、高熱や咳が長く続く場合はマイコプラズマ肺炎の疑いがあるので、小児科医の指示を再度仰ぎましょう。症状がひどく食事をとれない場合は、入院することもあります。

マイコプラズマ肺炎の主な症状

● 発熱、長く続く痰を伴わない乾いた咳、脱力感、疲労感、頭痛

溶連菌感染症

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A群β溶血性連鎖球菌という菌に感染することで発症する感染症で、潜伏期間があり、実際に感染してから約2~4日で症状が出ます。

風邪と違い、咳や鼻水の症状はほとんどないのが特徴で、診断された場合には小児科医の指示に従い抗生物質を飲ませて対処します。

治療をしないまま放置すると、急性糸球体腎炎・リウマチ熱という合併症を引き起こす可能性がある病気なので、症状がなくなっても抗生物質は指示された量を全て飲みきり、体内から確実に溶連菌を取り除くことが大切です。

食事は喉に刺激の強いもの(熱い・冷たい・辛い・すっぱい)を避け、消化のよい食べ物を食べさせてあげてください。

溶連菌感染症の主な症状

● 発熱、喉の痛み、体や手足に紅い発疹、舌にイチゴのようなブツブツ(イチゴ舌)、頭痛、腹痛、首すじのリンパ節の腫れ

子供の冬の感染症を予防するには?

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子供の冬の感染症を予防するには、感染源を家庭に入れないこと、家庭内で広めないことが大切です。次のようなことに心がけて、冬の感染症を予防しましょう。

手洗い・うがい

手洗いやうがいを習慣にしましょう。うがいができない小さな子供の場合は、水分補給で口の中をうるおすだけでも細菌やウイルスの繁殖を抑えることができるので、帰ってきたら飲み物をあげてください。

タオルの共有を避ける

手をふくタオルを経由してウイルスや細菌に感染してしまうことがあります。できるだけタオルは別々に用意し、こまめに取り替え、常に清潔に保っておきましょう。

オムツの処理時の注意

病気の症状が治まった後でも、しばらくの間はウイルスや細菌が便から出ています。使用後のオムツはしっかり密封してから捨てましょう。

また、オムツを替えたママの手洗いも忘れずにしっかりと行ってください。

人ごみを避ける

体調が悪いときや疲れが溜まっているときは、外出の日程や内容を見直すことも必要です。感染症の流行時期には、できるだけ人ごみを避け、ゆっくりと過ごしたいものですね。

冬の感染症にかかったら、幼稚園や保育園はどうする?

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感染症の診断を受けたときは、幼稚園や保育園、学校への通園・登校がどうなるか、気になりますよね。厚生労働省からは、感染症の種類によって第一種から第三種まで分類され、それぞれの種類によって出席停止期間が発表されています(※2)。例えばインフルエンザは第二種に分類され、発症したあとの5日と、さらに解熱してから2日(幼児は3日)は出席停止になります。

感染症の種類や保育園・幼稚園の方針によっても対応は変わってくるので、小児科医や保育士・幼稚園の先生に対応を確認しましょう。どうしても仕事が休めないときは、病児保育やファミリーサポートなどの制度利用を検討してください。

感染症予防で冬を乗り越えよう

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冬の子供の感染症は、風邪と症状が似たものがたくさんあるので、症状を見て風邪と決めつけずに、子供がつらそうにしているときは迷わず小児科を受診しましょう。

また、日々の手洗い・うがいを心がけ、ウイルスを子供の身から遠ざけることは感染症の予防に効果的です。健康的な生活を習慣づけ、親子で楽しい冬を過ごしてくださいね。

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