生理が定期的に訪れるのを煩わしいと思ったことはありませんか?しかし、生理は体が妊娠の準備をしているサインであり、妊活中の女性にとって、自分の生理周期と排卵日を把握することは、妊娠する上でとても大切なことです。また、排卵日に卵巣から出される卵子には寿命があるため、妊娠するタイミングを見つけるのにはコツが必要。そこで今回は、卵子の寿命や排卵と生理の仕組みなどについてご紹介します。
生理とは?
生理とは、女性特有の生理的な出血のことで、医学的には「月経」と呼ばれています。
子宮内膜は妊娠に備えて厚くなりますが、妊娠が成立しないと必要がなくなり、子宮内膜の表面の一部がはがれて出血が起こります。これが生理です。
妊娠をしていない限り、基本的に生理は一定周期で起こるものですが、50歳頃、卵巣の機能が低下すると、生理が起きなくなります(※1)。生理が終わることを閉経といいます。
排卵とは?生理後どれくらいでくる?
排卵とは、卵巣から成熟した卵子が飛び出すことをいいます。一般的に、排卵から約2週間後に生理はきますが、生理後どれくらいで排卵が起きるかには個人差があり、1週間後の人もいれば、3週間後の人もいます。
排卵日を特定する方法は後述します。
排卵と生理の仕組みは?周期はどうなる?
それでは、排卵と生理の仕組みを、周期ごとに確認していきましょう。生理周期には個人差がありますが、安定している人の場合は28~30日のサイクルで訪れ、出血が3~7日間続きます(※1)。
卵胞期
生理が始まった日から、排卵までの期間を「卵胞期」といいます。この時期に、卵巣にある卵子の元となるいくつもの「原始卵胞」のうちの1つが、脳下垂体の指令で分泌される女性ホルモンの影響を受け、成熟卵胞へと成長していきます。
また、卵胞から分泌される「卵胞ホルモン(エストロゲン)」という女性ホルモンの作用により、子宮内膜が受精卵を受け止めるために少しずつ厚くなっていきます。
排卵期
実際に排卵があった日を「排卵日」といい、その前後の期間を「排卵期」と呼びます。このとき、脳の視床下部が卵子の成熟を察知すると、脳下垂体からホルモンが分泌され、その影響で卵子が卵巣から卵管へと排出されます。
この排卵のタイミングで性交し、女性の体内に放たれた精子と卵子が卵管で出会うことで、受精が成立します。
黄体期
「黄体期」とは、排卵後の卵胞が黄体という組織に変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する期間を指します。このとき子宮内膜は、黄体ホルモンの影響で卵子が着床しやすい状態になります。
妊娠が成立しなかった場合、ここから2週間ほどかけて、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの分泌が減少していきます。
月経
女性ホルモンの量が減ることで妊娠の準備を整えていた子宮内膜が必要なくなり、表面の一部が剥がれ落ち、血液とともに子宮口から排出されます。生理が始まると同時に基礎体温は下がり、低温期に入ります。
排卵後の卵子の寿命はどれくらい?
卵子の寿命は、排卵後約24時間といわれています(※2)。この24時間という限られた時間のなかで精子と出会わず、受精しなかった場合、その卵子は妊娠する機能が失われます。
妊娠しやすいのは排卵前後?
妊娠は卵子と精子がタイミングよく出会う必要があるため、排卵の時期を把握しておくことがとても大切です。
卵子の寿命が約24時間なのに対し、精子が女性の体内に入ってからの寿命は、約72時間あるとされています(※2)。
そのため、排卵の前に精子を送り込んで、卵子が来るのを待たせておいた方が、妊娠確率が高まるといえるでしょう。妊娠しやすいタイミングとして性交を行うなら、排卵日の2日前くらいが狙い目です。
排卵期間はどうやって見つけるの?
先にもご説明したとおり、卵子の寿命は24時間と短いため、排卵日や排卵期間を正確に掴むことは妊娠をするために大切なこと。下記のような方法で排卵日を調べましょう。
基礎体温を把握する
女性の基礎体温は、生理周期に合わせて、上図のように変化します。生理から排卵までを低温期、排卵から次の生理までを高温期といい、低温期から高温期への変わり目で排卵が起こります。
2〜3ヶ月基礎体温をつけ続ければ、ある程度正確に排卵日を予想することができるようになりますよ。
排卵検査薬を使う
女性の体内では、排卵直前になると「LH(黄体化ホルモン)」というホルモンが増加します。排卵検査薬は尿中に含まれるLHを検知して、排卵直前であることを知らせてくれるものです。
基礎体温表とも組み合わせて、うまく利用してくださいね。
これらの他にも様々な方法があるので、「なんとかして排卵日を予測したい!」という人は、ぜひ関連記事も合わせて参考にしてください。
卵子の寿命や排卵のタイミングを把握しよう
卵子には寿命があるため、妊娠するには上手に排卵のタイミングを把握することが大切です。でも、あまり気負いすぎてストレスが溜まり、体に負荷をかけてしまうのは避けたいところ。
赤ちゃんのことを想像しながら楽しくリラックスした状態で、自分にあった方法に取り組めるといいですね。