排卵の仕組みとは?排卵が起こるとどんな体調変化が起きるの?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

排卵とは、卵巣から卵子が飛び出すことをいいます。卵子が精子と受精することなく、子宮内膜に着床しないと、排卵後から2週間前後で子宮内膜が剥がれて外に出ます。これが生理(月経)です。今回は、排卵にフォーカスして、排卵のときに体の中では何が起きているのか、詳しくみていきましょう。

排卵とは?仕組みは?

排卵 卵巣 卵子 卵管 卵管采

排卵とは、卵巣から卵子が飛び出て卵管に入ることを指します。卵巣はうずらの卵ほどの大きさの臓器で、卵巣の中には卵胞(卵子を含む細胞の集合)があります。

生理の時期になると脳から卵巣に命令が送られ、いくつかの卵胞が同時に成長していきますが、その過程でほとんどの卵胞が成長をやめて閉鎖卵胞と呼ばれるものになります(※1)。

残った1個の卵胞だけが約2週間で20mmほどに成長して、卵子を放出します。放出された卵子は、卵管采から卵管に取り込まれます。これが排卵の流れです。

排卵が起きるとどんな体調変化が見られる?

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排卵が起きると女性ホルモンが変化します。それによって女性の体には、さまざまな体調の変化が見られることになります。

排卵による体調の変化の代表的なものには、下腹部に痛みが起こる「排卵痛」や基礎体温の変化、卵巣の表面が破られることによって起こる「排卵出血」と呼ばれる少量の出血などがあります。他にも、頭痛やめまい、吐き気や胸の張り、体のだるさやほてり、眠気や体重の増加などがみられることもあります。

人によってはおりものの状態が変わることもあります。排卵直前のおりものは一般的に、透明でよく伸びます(※1)。

つまり、透明で伸びるおりものが確認できたらまもなく排卵日になる、ということですね。

ただ、排卵日の症状には個人差があり、上で紹介した体調の変化を感じる人もいれば、全く感じない人もいます。排卵日を予測したいときは、体調の変化だけでなく、基礎体温を記録したり、排卵検査薬などを合わせて使うといいでしょう。

排卵はいつ起こるの?

基礎体温表

上のグラフは女性の基礎体温の変化を表したものです。基礎体温とは、朝目が覚めた直後や、体を動かす前の最も安静時の体温のことで、女性の体温は、ほぼ0.3~0.6度の間で周期的に変化しています(※1)。

女性の体のバイオリズムは基礎体温ごとに大きく分けて「低温期」と「高温期」の2つに分かれていて、排卵は低温期から高温期に切り替わるタイミングで起きています。その排卵のタイミングを「排卵期」と呼ぶこともあります。

そのため、基礎体温を毎日測定・記録することで、いつ排卵が起きているか、排卵期を予測することができます。

それぞれの時期によって、女性の体内では下記のような変化が起こっています。

低温期

生理が始まる頃に、体温がぐっと下がって低温期に入ります。生理中に子宮内膜を外に出し、卵巣にある卵胞を成熟させていきます。

排卵期

成熟した卵胞が卵子を放出します(排卵)。卵子は精子と結合しなければ寿命を終えてしまいます。

高温期

卵子が放出されて抜け殻となった卵胞は「黄体」という細胞になります。黄体は着床に備えて子宮内膜を厚くする役割があります。着床しなかった場合、子宮内膜は必要なくなるので次第に萎縮し、剥がれ落ちて体外に排出されます。

体調に異常がなければ、この高温期は約14日間続きます(※1)。

排卵と基礎体温の関係は?

基礎体温 基礎体温計 グラフ

基礎体温を測っていくうちに、排卵期から次の排卵期までの周期の大まかなグラフが書けるようになるでしょう。

先ほど紹介した図のように基礎体温グラフが低温期と高温期に分かれておらず、いびつな形になっている人は注意が必要です。もしかすると、無排卵月経、子宮内膜の問題、ホルモンバランスの異常などの可能性があります。

基礎体温を調べることによって、排卵日を把握することができ、妊娠しやすい時期が分かります。妊活をする人は、基礎体温を測ることから始めてみてくださいね。

排卵日を把握しよう!

子供を望む夫婦にとって、詳しい排卵の様子を知っておくことは大切なことです。女性が排卵していない時期に性交しても妊娠の可能性は低いですが、排卵期に性交をすれば妊娠する確率がぐっと高くなります。

基礎体温を測ったり、排卵日の体調変化を知っておいたりすることで、自分の排卵期がいつなのかをきちんと確認してみましょう。

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