卵子の若返りはできる?質の良い卵子を作るには?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターを経て、板橋中央総合病院に勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救急診療、分... 監修記事一覧へ

妊娠するためには、精子と受精するための卵子が必要です。卵巣内にある卵子の数を増やす方法はありませんが、卵子が老化するスピードを遅らせることで、妊娠しやすくなる可能性もあります。そこで今回は、卵子の質をできるだけ良い状態で保つ方法についてご説明します。

卵子の若返りはできるの?

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現在の医療技術では、一度老化した卵子を若返らせることはできません(※1)。

卵子は、女性が生まれた時点ですでに数が決まっており、途中で新たに補充されることはありません。

たとえば40歳のときに排卵された卵子は、生まれた時点で女性の体内にあったものなので、20歳のときに排卵された卵子と比べると20年分老化が進んでいる、といえます。

加齢とともに卵子の質が下がることで、卵子の染色体異常や受精卵(胚)の発育不良が起き、妊娠できる確率が下がるほか、妊娠したあとに流産する確率が高くなります(※2)。

卵子がだんだん老化していくのは自然な生理現象なので、それに抗うことはできませんが、できるだけ老化のスピードを遅らせ、卵子の質を保つための対策はできると考えられています(※1)。

質の良い卵子を作るポイントは?

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それでは、卵子が老化するスピードをできるだけ遅らせ、質の良い卵子を作るには、どのようにすればいいのでしょうか?

ポイントは、体内で常に発生している「活性酸素(過酸化酸素)」が増えすぎないよう、抑えることといわれています(※1)。

もともと、活性酸素は悪い物質ではなく、体内に侵入した細菌やウイルスを退治する役割を担っています。しかし、活性酸素を抑える機能が弱まると、活性酸素による酸化ストレスが進み、全身の皮膚や血管、内臓などを酸化させ、細胞の老化を引き起こしてしまうのです。

普段の暮らしのなかで、活性酸素が増えすぎてしまう要因はいくつかあります。後述のとおり生活習慣を改善し、活性酸素の過剰発生を抑えることで、卵子の老化スピードを遅らせることにつながると考えられます。

質の良い卵子のためにできることは?

卵子の老化の原因のひとつである「活性酸素」の発生を抑えるために日常生活のなかでできることを、いくつかご紹介します。

1. しっかり睡眠をとる

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これまでの研究で、活性酸素による酸化ストレスを抑え、卵子の質を改善することができる、と考えられている物質として「メラトニン」があります(※3)。

メラトニンというホルモンは、日中に強い光を浴びているあいだは分泌が抑えられ、夜間に暗くなると一気に分泌されます。メラトニンには眠気を誘う作用もあり、適切に分泌されることで睡眠リズムが作られます(※4)。

夜遅くまで明るい場所にいたり、スマホやパソコンの画面の光を見ていたりすると、メラトニンがきちんと分泌されず、卵子の老化が進んでしまうかもしれません。

そうならないためにも、できるだけ夜更かしはせず、部屋を暗くしてしっかりと睡眠時間を確保するようにしましょう。

2. 適度な運動をする

ヨガ

適度な運動をすることは健康にとって良いことなのでぜひ行ってほしいのですが、激しい運動をしすぎると活性酸素による酸化ストレスが高まり、逆に細胞の老化が進むことがわかっています(※5)。

そのため、激しいトレーニングをするのではなく、ウォーキングや軽いジョギング、ヨガやストレッチなど、息切れせず、気持ちがいいと思える程度の適度な運動を行ってみてください。これらが楽にできるようなら、少しずつ負荷をあげてもいいですね。

3.ストレスをうまく解消する

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実は、過度なストレスも活性酸素を増やす一因といわれています(※5)。イライラや不満を溜めこみすぎると、卵子の老化に拍車をかけてしまうかもしれません。

前述の適度な睡眠や運動のほか、ゆっくりお風呂に浸かったり、趣味の時間を作ったり、自分に合った方法でうまくストレスを発散させましょう。

妊活していると、「早く授かりたい」と焦ってしまうこともあるかもしれませんが、できるだけ気持ちを落ち着かせて取り組めるといいですね。

4.喫煙・過度の飲酒をやめる

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タバコには何種類もの有害物質が含まれており、それらが合わさることで酸化ストレスを高めるといわれています(※5)。

自分自身が禁煙するだけでなく、副流煙を吸いこんでしまわないよう、禁煙のお店を選ぶ、一緒に住む家族にも禁煙してもらうなどの工夫をしたいですね。

また、過度の飲酒も活性酸素の増加に影響すると考えられています(※6)。「お酒を飲むことでストレス発散できる」という人もいるとは思いますが、飲みすぎには注意しましょう。

5.抗酸化ビタミンを摂る

アボカド 

活性酸素の過剰発生を抑えるとともに、「抗酸化作用」のある食べ物をとって、活性酸素による酸化ストレスを防ぐことも効果的です。

特に、ビタミンA・C・Eは「抗酸化ビタミン」とも呼ばれ、血液や細胞などに発生する活性酸素を消し、酸化ストレスに対抗する抗酸化酵素の働きを助けてくれます(※7)。

抗酸化ビタミンを多く含む食材の例は次のとおりです。食事全体の栄養バランスに気をつけつつ、これらの食材もうまく取り入れていきたいですね。

● ビタミンA:レバー、アンコウ肝、ウナギ肝
● ビタミンC:柑橘類、いちご、赤ピーマン
● ビタミンE:アボカド、かぼちゃ、アーモンド

質の良い卵子を作るには、生活習慣から

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今のところ、卵子を「若返らせる」ことはできませんが、「老化を遅らせる」ことはできると考えられています。基本となるのは、健康的な生活習慣。自分の普段の生活を見直してみて、できるところから少しずつ改善していきたいですね。

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