生理後すぐであれば、次の排卵まで時間があるから妊娠する可能性はほとんどない、と思っていませんか?しかし、生理後すぐに排卵する可能性はゼロではないので、妊娠を望んでいない人は注意が必要です。今回は、生理後すぐ排卵することがあるケースや、排卵のタイミングを見極めるいくつかの方法をご説明します。
生理後、排卵までの期間はどれくらい?

生理周期が安定している、つまり毎月同じくらいの日数で生理がくる人の場合、「次の生理予定日の約14日前」に排卵が起きると考えられます。
たとえば、生理周期が27日であれば、「前回の生理開始日の約13日後」に排卵するという計算になります。
生理の出血がだいたい5日間続く人は、「生理が終わって約8日後が排卵日」ということです。
ただし、妊娠の可能性が高いいわゆる「危険日」は排卵日当日だけを指すものではありません。最も妊娠しやすい期間は、「排卵日の2~3日前から、排卵翌日くらいまで」続きます。
これを踏まえると、「生理が終わって約5~9日後が一番妊娠しやすい」といえるでしょう。
生理直後の妊娠はありうる?

前述のとおり、生理周期も1回の生理が続く期間も正常な人であれば、生理後すぐに排卵が起こるとはあまり考えられません。
しかし、ホルモンバランスの乱れなどが原因で生理不順が起きていると、いつ排卵するか予測しにくく、予期せぬタイミングで排卵が起こることもありえます。
また、生理周期や1回の生理が続く日数には個人差があり、もし次の例のように生理周期が短く、生理が長く続く場合、生理が終わってすぐ排卵し、生理直後の性交で妊娠することもありえます。
例)生理周期が23日で、生理が7日間続く場合
(23-14)-7 = 2
→ 生理終了の2日後に排卵が起きる
「生理直後は安全日」と思っている人もいるかもしれませんが、100%妊娠しないとも言い切れません。妊娠を望んでいない場合は、生理直後であっても避妊を心がけてくださいね。
なお、生理周期が24日以内と短いことが2~3ヶ月続く場合、「頻発月経」と診断され、治療が必要となることもあります(※1)。
生理が来るのが早い・遅い、1回の生理が長すぎる・短すぎるといった場合には、婦人科を受診することをおすすめします。
生理直後の妊娠が不安なら排卵日の予測を

「生理直後であっても妊娠する可能性がある」と聞くと、不安になる人もいるかもしれませんね。
できるだけ確実に避妊するためには、コンドームなどをつけるのはもちろんのこと、次のような方法で排卵のタイミングを予測するのがおすすめです。
基礎体温を測る
基礎体温を毎日測ると、生理や排卵のリズムをつかみやすくなるので、妊娠を望む人にとっても有効な方法です。
ホルモンバランスが正常で、排卵が起こっていれば、基礎体温は「低温期」と「高温期」の二相に分かれます。排卵は、低温期から高温期に移る数日間のどこかで起こるため、基礎体温を測ってグラフにしておくと、タイミングが取りやすくなります。
排卵検査薬を使う
妊娠しているかどうかを調べる「妊娠検査薬」があるように、排卵のタイミングを知ることができる「排卵検査薬」というものもあります。
これは、排卵直前に分泌量が増えるホルモンを感知する検査薬で、基礎体温表とあわせて使うと、より排卵予測の精度が高まります。
排卵日付近の体の状態を把握する
排卵日付近になると、腹痛や腰痛など「排卵痛」が現れたり、「排卵出血」と呼ばれる少量の不正出血があったりといった体の変化が見られることがあります。
ただしこれらの変化には個人差があり、全く何も感じないという人もいます。
生理直後の妊娠可能性もゼロではありません
女性のホルモンバランスは環境の変化やストレスなどが原因で乱れやすく、生理周期や排卵のタイミングがずれてしまうことも。そのずれによっては、生理直後でも妊娠する可能性はあるので、妊娠を希望していない場合はパートナーとしっかり話し合い、避妊を徹底してくださいね。
排卵予測のために基礎体温をつけたり、自分の体の変化を観察したりすることは、自分の体と向き合うきっかけにもなり、妊活をすることになったときにも役立つかもしれません。わからないことがあれば、婦人科の医師に相談してみましょう。