妊娠したいと考えている人は、「妊娠しやすい排卵日はいつ?」ということをまず知りたいですよね。排卵日がいつかを正確に把握することは、妊活の第一歩になりますよ。
今回は排卵日がいつかを知るために、排卵日と生理周期との関係や具体的な計算方法をご紹介します。
排卵日とは?
そもそも排卵日とは、名前のとおり「排卵が起こる日」です。
排卵とは卵巣から卵子が飛び出ることをいい、そのあと卵子が精子と結合することで受精卵ができ、受精卵が子宮内膜に着床して根づくことで妊娠が成立します。
精子と卵子の寿命も考慮すると、「排卵日の少し前から数日間、何度か性交する」ことが妊娠の可能性を高めるポイントとなります。
排卵日と生理周期の関係は?
排卵日を知るために、まずは、生理周期において体に何が起きているかを知ることから始めましょう。
卵胞期
卵胞期は、生理が起こってから排卵までの時期のことです。卵胞期の長さには個人差があるため、生理周期が人によって異なります(※1)。
脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されることで、卵巣内では15~20個程度の原子卵胞が成長を始めます。そのうち、卵子として成熟してやがて排卵されるのは1個のみです。
卵胞から分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の量が増え、子宮内膜を厚くして妊娠しやすい状態を作ってくれます。
排卵期
卵胞が成熟すると、脳下垂体から黄体形成ホルモン(LH)が分泌されます。この刺激を受けて、卵巣で成熟した1個の卵子が卵巣から出ていくのが排卵期です。
排卵された卵子は、卵管膨大部という場所で精子との受精のときを待ちます。
黄体期
排卵したあとの卵胞は黄体という組織に変化し、主に「プロゲステロン(黄体ホルモン)」を分泌します。
プロゲステロンは、子宮内膜を厚い状態のまま維持し、体温を上昇させます。黄体期に入ると基礎体温が高温期に入るのは、プロゲステロンの作用によるものです。
また、黄体期は便秘や肌荒れのような体調に変化を感じる人もいます。卵子が精子と受精した場合、受精卵が子宮内膜に着床するのを待つ期間でもあり、約14日間ほど続きます。
月経(生理)
受精卵が子宮に着床せず、妊娠が成立しなかった場合、エストロゲン・プロゲステロンともに減少します。
そして、不要になった子宮内膜が剥がれ落ち、血液と一緒に外に出てくるのが月経(生理)です。
生理期間は5~6日程度で、再びエストロゲンの分泌が増えてくると出血が止まり、また卵胞期に戻ります。
排卵日はどうやって計算するの?
生理周期が毎回安定している場合、排卵日は「次回生理予定日から14日を引く」ことでおおよその予測ができます。
生理が終わってから何日目に排卵日が来るかを予測したいというときには、生理周期と生理期間の情報が必要となります。
たとえば、生理周期が28日で、生理期間が5日間の場合、「28ー14ー5=9」で排卵日は生理終了後9日目頃にきます。
ただし、生理不順の人だと次回の生理予定日がいつになるかわからないため、排卵日を単純に計算で予測できません。
また、生理周期が安定している人でも、体調などで変わる可能性もあります。
排卵日はいつ?3つの排卵日計算方法
ここでは、排卵日がいつ頃になるのか予測するための具体的な方法をご紹介します。
手軽さや正確性などそれぞれにメリット・デメリットはありますが、自分に合った方法を見つけてくださいね。
基礎体温表
朝に目が覚めてすぐ測る体温が基礎体温となります。体を動かすと体温が上がるので、横になったままの状態で測りましょう。
個人差はありますが、低温相から高温相に変わる境目で体温が大きく下がる日があり、この日を含めて前後数日の間に排卵が起こります(※2)。
2~3周期分の記録をつけることで正確性が高まり、ホルモンバランスの異常や婦人科系の病気を早期発見できる可能性があります。
一方、毎日基礎体温を測ってグラフにしなければならず、手間がかかります。
また、寝不足や飲酒などの影響を受けて基礎体温が上下してしまうこともあるため、生活習慣を整えるようにしてくださいね。
排卵検査薬
排卵検査薬は、尿のなかに含まれるLHを検知する検査薬で、陽性反応を示したタイミングで性交渉を行うと、妊娠する可能性が高くなります。
脳下垂体からLH(黄体形成ホルモン)が大量に分泌される「LHサージ」のピークから約16~24時間後に排卵が起こる、という仕組みを利用して排卵のタイミングを予測します(※2)。
排卵検査薬は毎日使用すると、最初はうっすらと陽性反応を示して徐々に線が濃くなっていくため、毎月使っていれば、あと何日で排卵が起きそうかが計算しやすいですよ。
不妊治療で用いられることも多く、より確実に排卵日を計算したい人におすすめの方法ですが、費用がかさむのがデメリットです。
超音波卵胞計測
婦人科などの超音波検査で、卵子を包む卵胞の大きさを測ることで排卵日を予測することもできます。
卵胞は1日に約1~2mmずつ大きくなり、約20〜22mmになったところで排卵するため、発育していく卵胞のサイズを測ることでかなり正確に排卵日を判断できます(※2)。
不妊症治療のタイミング法でも、この方法で排卵タイミングを把握することが多くあります。精度が高い一方で、婦人科に通う費用と手間がかかります。
排卵日は体調から予測もできる?
先述の方法に比べると正確性は劣りますが、「排卵日が近づいているな」と予測する方法もあります。排卵日付近はホルモンバランスが変化するため、以下のような体調変化が起こることがあります。
排卵痛
症状には個人差がありますが、お腹全体に痛みを感じたり、左右の卵巣付近にチクチクとした痛みを感じたりすることもあります。
排卵出血
排卵期には、エストロゲンが一時的に減少することにより子宮内膜が剥がれ落ち、少量の出血を引き起こすことがあります。
また、卵胞から卵子が飛び出すときに出血を伴うため、卵管から子宮をつたって少量の性器出血がある場合があります。
だるさ、ほてり、眠気
排卵後には基礎体温が上がるため、それに伴って体のだるさやほてり、眠気を感じる人もいます。
このほかにも排卵日周辺になると、吐き気や胸の張り、腰痛などさまざまな体調変化が起きる人もいます。
また、気分が落ちこみやすくなったりイライラしたりと、精神的な変化が見られることもあります。
まずは基礎体温をつけてみよう!
妊娠を希望する人は、まず基礎体温をつけてみるのがおすすめです。妊娠したいのになかなかできないというときは、二人で悩まずに早めに婦人科を受診するようにしてくださいね。