助産院とは?安全に出産できるの?費用はどれくらい?

分娩施設というと総合・個人病院の産婦人科が一般的ですが、「助産院」で出産する選択肢もあります。どんなところで産婦人科と何が違うのかなど気になっているかもしれませんね。

そこで今回は、助産院と産婦人科との違いや出産するための条件、安全性、費用などについてご紹介します。

助産院とは?産婦人科との違いは?

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助産院(助産所)とは、助産師のみで分娩の手伝いや妊産婦・新生児への保健指導を行う場所です。

助産院の定義や開設許可、管理については法律で定められていて、「同時に10人以上の妊婦、産婦、産褥婦を入所させてはいけない」「管理者が助産師であること」などさまざまな条件があります(※1)。

助産院が産婦人科と違う点は、主に以下の通りです。

産婦人科医が常駐していない

助産院には産婦人科医がいません。そのため、帝王切開や陣痛促進剤の投与、吸引分娩といった医療行為が必要になっても行うことができません。

分娩の途中で医療行為が必要となった場合は、連携している産婦人科へ搬送されます。

受け入れ可能な妊婦さんが限られている

助産院は医療の助けを借りずに母子の自然な力で出産することを目的とした施設なので、基本的には妊娠経過が順調で自然分娩ができる人だけに利用が限られます(※2)。

助産院で出産するための条件は?

チェックリスト

助産院で出産するためには、以下のような基本条件があります。

助産院で出産するための基本条件(※2)

● 妊娠経過に異常(前置胎盤、妊娠高血圧症候群,妊娠糖尿病、羊水過多・過少など)がないこと
● 双子や三つ子など多胎妊娠ではないこと
● 合併症(気管支喘息、心疾患、血液型不適合など)がないこと
● 胎児に異常(胎児発育遅延、巨大児など)がないこと
● 妊娠34週以降に逆子(骨盤位)ではないこと
● 過去に帝王切開をしていないこと
● 過去もしくは現在、婦人科系疾患(子宮筋腫、子宮癌など)がないこと
● 感染症(B型肝炎、C型肝炎、性器ヘルペス、HIVなど)がないこと など

すべての基本条件を満たしていなくても妊婦さんの症状や赤ちゃんの状態によっては、妊娠中は産婦人科医が管理し、出産は助産院でできる場合もあります。

基本条件ではないものの、不妊治療での妊娠、35歳以上での出産、過去の妊娠・出産で異常があった場合などは、助産師が連携する産婦人科の医師と相談して対応ができるかが決まります(※2)。

助産院で出産するメリットは?

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助産院で出産をするメリットは、「家庭的な雰囲気や親身になってくれる助産師のもとで、妊婦さんやその家族に合ったスタイルの自然分娩ができる」ということでしょう。

助産院には分娩台がなく布団を敷いてのお産になることがほとんどなので、立ち膝や立位など妊婦さんが希望する姿勢で自由に出産することができます。水中出産や自宅出産に対応している助産院もあります。

また、母乳育児を推奨するところが多く、母乳マッサージや母乳相談など、産後の心と体のアフターケアが充実しているのも特徴です。

助産院で出産するのは安全なの?

妊婦 お腹

助産院では医療行為が行えないので、安全面に不安を感じる人もいるかもしれません。

出産にはさまざまなアクシデントがつきものです。陣痛が起こるまで問題なく経過していたとしても、いよいよ出産というときに思わぬことが起こる可能性もあります。

多くの助産院ではリスクを軽減するために、産婦人科と密に連携を取り、出産当日は緊急でも産婦人科で処置してもらえるように手配するなど、できる限りの準備を行います。

ただし助産院によって違いがあるため、出産時のリスクなどにどのように対応しているのか事前に確認しておくようにしてくださいね。

助産院での妊婦健診の内容は?出産費用はどれくらい?

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助産院での妊婦健診の内容は基本的に産婦人科と同じで、尿検査・血圧測定・腹囲測定・浮腫検査や、赤ちゃんの心音・胎位などの確認が行われます。

ただし、エコー検査や血液検査は連携している産婦人科で受けます。

妊婦健診の基本費用は助産院によって異なりますが、基本的に1回につき5,000円ほどが目安です。

自治体で発行される補助券が使えることがほとんどですが、助産院や自治体によって使えないところもあるので確認しておきましょう。

分娩費用も助産院によって違いがあります。一般的には50万円前後で、産婦人科とあまり変わりません。

授乳指導や育児相談などのアフターケアを実施している助産院の場合、利用するときには別途費用がかかります。

助産院は自分らしい出産をするための選択肢のひとつ

できるだけナチュラルで自分らしい出産をしたいと願う人は、助産院で理想的なお産ができるかもしれません。ただし、妊娠・出産は何が起こるかわからないので、万が一のことも考えたうえでパートナーや家族とよく相談して決めるようにしてください。

助産院を選ぶときは、どこの産婦人科と連携しているか、施設の雰囲気はどうか、費用はどれくらいかなど、しっかりとチェックしておきましょう。

自分が望むバースプランにあった施設を見つけて、満足のいくお産ができるといいですね。

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