卵アレルギーの赤ちゃんは、たまごボーロを食べられる?症状は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

赤ちゃんが発症するアレルギーのなかでも、特に多いのが卵アレルギー。卵は多くの料理やお菓子に使われる食材なので、卵アレルギーとどう向き合っていけばいいのか不安になるママやパパも少なくありません。今回は卵アレルギーについて、原因や症状、対処法、また、たまごボーロなどの加工品は食べさせてもいいのかをご紹介します。

赤ちゃんの卵アレルギーが起こる原因は?

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人間の体には、外から侵入してくるウイルスや細菌に対して抗体を作り出し対抗しようとする免疫機能が備わっています。しかし、本来は体に害のない物質に対しても、免疫機能が過剰に反応してしまうことがあります。これが「アレルギー」です。

卵アレルギーは、卵を食べたときに起こるアレルギーです。卵の卵白には「オボアルブミン」や「オボムコイド」というたんぱく質が含まれており、これがアレルゲン(アレルギーの原因になる物質)になって、赤ちゃんの体にアレルギー反応を引き起こすのです。

そのため、離乳食のステップが進んで赤ちゃんに初めて卵を食べさせるときは、まず卵黄だけを与えて様子を見ます。卵黄で問題がなければ加熱した全卵を少しずつ食べさせます。

赤ちゃんの卵アレルギーの症状は?

赤ちゃん 泣く 目 こする

アレルギー症状の現れ方や程度には個人差がありますが、卵アレルギーの主な症状は以下の通りです。

赤ちゃんの卵アレルギーの症状

  • ・皮膚のかゆみや湿疹、じんましん
  • ・咳や呼吸困難
  • ・目のまわりの腫れ、充血 など

体調不良だと思って見過ごしてしまうこともあるので、症状が現れる前に何をしたかや、何を食べたかを思い返して記録しておくと、アレルギーが原因で症状が起こっているかを判断しやすくなります。

場合によっては、アレルギー反応としてアナフィラキシーショック(急激な血圧低下や意識障害などの全身性の症状)を起こし、命にかかわることもあるので注意が必要です。

赤ちゃんの卵アレルギーを検査する方法は?

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赤ちゃんがどんなアレルギーを持っているかは、医療期間で検査をしない限りはっきり分かりません。そのため、何かを食べさせたときに湿疹が現れて、初めてアレルギーがあることを知るケースがほとんどです。

一般的に、赤ちゃんがアレルギーを持っているかどうかは血液検査によって調べます。具体的には、採血をして「IgE抗体」というアレルギーの引き金となるたんぱく質が血液中にどれくらいあるかを検査します。

卵アレルゲンに対するIgE抗体の量が多ければ、卵アレルギーの可能性があります。しかし、IgE抗体の量が多くてもアレルギー症状が起きないこともあり、検査の結果と経過を見て、医師が慎重に判断をします。

赤ちゃんの卵アレルギーの対策は?

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食物アレルギーの基本的な対策は、アレルゲンの食べ物を食べないことです。赤ちゃんが卵アレルギーと診断されたら、一定期間は卵が使われた食品を与えないようにします。

卵はさまざまな食品に含まれているので、外食したり加工食品を購入したりする際は、卵が使用されていないかよく確認しましょう。「卵・鶏卵・たまご・玉子・エッグ・卵白・うずら卵」というように、卵そのものの表記方法が統一されていないので注意してください(※1)。

容器包装された加工食品にはアレルギー表示が義務付けられていますが、材料表示がないお弁当や計り売り方式の惣菜、表示義務のない小さな食品(容器包装の面積が30平方cm以下のもの)などを購入するときは、必ず店員さんに確認してくださいね(※2)。

卵アレルギーだと、たまごボーロも食べられないの?

赤ちゃん おやつ せんべい

赤ちゃんのおやつの定番ともいえる「たまごボーロ」にも、その名の通り、卵が使われています。赤ちゃんが卵アレルギーだと診断された場合は、たまごボーロを食べさせないようにしましょう。

たまごボーロのなかには、原材料に全卵ではなく「卵黄」と表記されているものもあります。

前述のように、卵アレルギーは卵白に反応して起こるため、「卵黄しか使っていないものなら大丈夫では?」と思うかもしれませんが、製造過程で卵白が混ざっていることもあるため、基本的には食べさせないようにしてください。

一方で、赤ちゃんの月齢や年齢が進んで、医師から少しずつ卵の入ったものを食べさせてもいいといわれたときには、たまごボーロやクッキーから試すこともあります。

赤ちゃんの卵アレルギーは治るの?

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乳幼児期に発症した卵アレルギーは、月齢・年齢が進むにつれて治るケースがほとんどです(※3)。

赤ちゃんが卵アレルギーを発症すると、ママやパパは「このままずっと卵が食べられないのでは?」と不安になるかもしれませんが、多くの場合は、成長に伴って食べられるようになるので心配はいりません。

前述の通り、赤ちゃんが卵アレルギーと診断されたら、基本的には医師の指示のもと、加工品などを少量から食べさせていくなどの対処が必要です。

赤ちゃんが卵アレルギーのとき、予防接種はどうする?

赤ちゃん 予防接種 注射

厚生労働省の予防接種ガイドラインによると、麻しんワクチン、おたふくかぜワクチン、インフルエンザワクチンには鶏卵成分が含まれていますが、ごく微量(0.01g)のため、軽度の卵アレルギーを持った赤ちゃんが接種しても問題になることはほとんどありません(※4)。

ただし、卵を食べて、アナフィラキシーショックを起こしたことがある場合は、接種できないこともあります。

卵アレルギーがある場合は、予防接種を受ける前に医師に卵アレルギーがあることを必ず伝えましょう。どれだけの卵を食べられるかで、予防接種を行うかどうかが判断されます。

卵アレルギーの赤ちゃんは保育園や幼稚園ではどうする?

保育園 幼稚園 教室 机 椅子

卵アレルギーを持った赤ちゃんや子供が保育園・幼稚園に入る場合は、医療機関や園と連携しながら給食に配慮してもらう必要があります。

自治体や園によって対応方法は異なりますが、近年は子供のアレルギーについての認知度が上がっているので、なんらかの対応をしてくれる園が多いようです。

給食がある保育園や幼稚園に入園を希望する場合は、卵をはじめ、アレルゲンとなる原料を除去したメニュー対応が可能かどうか、保育園や幼稚園の見学時や入園申し込み時に確認しておきましょう。

赤ちゃんが卵アレルギーでも心配しすぎないで

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赤ちゃんに卵アレルギーが出ると、不安になってしまうものですが、乳幼児期に発症した食物アレルギーは成長するにつれて自然と治まることがほとんどです。

卵は様々な食品に含まれているため、その都度確認するのは大変なことですが、食品表示を確認する癖ができると、それほど苦にはなりませんよ。

赤ちゃんの月齢・年齢が進んだら、担当医師と相談したうえで、たまごボーロやクッキー、中華麺のつなぎなど少量から始めて、問題がなければ次第にその量と形態を変えて徐々に慣らしていきましょう。

卵アレルギーと診断されても、気負わず上手に付き合っていけるといいですね。

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