口内炎ができると、痛さで食事をするのもつらく、イライラしてストレスもたまりますよね。大人にできるものとばかり思うかもしれませんが、実は赤ちゃんにも口内炎ができるのです。赤ちゃんが口内炎になると、痛みで母乳やミルクの飲みが悪くなることがあり、注意が必要です。今回は赤ちゃんに口内炎ができる原因や症状、治療法、自宅でのケア方法などについてご紹介します。
赤ちゃん・乳児の口内炎とは?どういう症状が出る?
口内炎とは、口の粘膜に起きる炎症のことです。赤ちゃんが口内炎になると、舌や唇、頬の内側などに真ん中が白くて、外側の部分がピンク色の水ぶくれができます。
基本的に痛みを伴うので、機嫌が悪くなったり、離乳食や授乳を拒否したりすることがあります。また、よだれが多くなったり、口臭がきつくなったりすることも。
赤ちゃん・乳児の口内炎の原因は?
赤ちゃんの口内炎の多くは、ウイルス感染によるものです。
ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎は、単純ヘルペスウイルス1型の感染が原因で起こります。生後6ヶ月~3歳の乳幼児が発症しやすく、初めてヘルペス性口内炎になったときには、口の周りにかさぶたの様な発疹が現れ、歯肉が腫れてひどい痛みを感じたり、約39度の高熱が出たりします(※1,2)。
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は、ストレスや栄養の偏りによって免疫力が低下したときに発症する傾向にあります。
症状としては、真ん中がくぼんだ小さい潰瘍が口の中にできます。1週間ほどで自然と治まっていきますが、歯磨きをしたり、口の粘膜を噛んだりしただけで再発してしまうことがあります(※1,2)。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナとは、6月から8月にかけて流行するウイルス性の病気で、いわゆる夏風邪の一種です。ヘルパンギーナが引き起こす症状としては、口内炎以外に38度以上の発熱が挙げられます。
手足口病
コクサッキーウイルスやエンテロウイルスの感染が原因で発症する手足口病にかかると、口内炎ができます。また、手の平や足の裏などにも水ぶくれのような発疹が現れます。
手足口病になっても熱が出るとは限らず、発熱しても微熱程度で済むことが一般的です。
カンジダ性口内炎
カンジダ性口内炎とは、カビの一種であるカンジダが増殖して起こる口内炎です。口の中に白い苔のようなものが見られるのが特徴です。
ほとんどの場合、自然によくなっていきますが、母乳やミルクを飲むのに影響が出ているときは薬を使って対処します(※3)。
赤ちゃん・乳児の口内炎の診断方法は?
口内炎は、基本的に問診と視診によって診断されます。しかし、口内炎を起こしている原因を調べるために血液検査が行われることもあります。
赤ちゃん・乳児の口内炎の治療法は?病院に連れて行くべき?
アフタ性口内炎やウイルス性口内炎は、1週間程度で自然に治まっていきます(※2)。ただし、口内炎の痛みがひどくなると、授乳や離乳食を嫌がるようになって栄養不足や脱水症状に陥ってしまうことがあります。
赤ちゃんが授乳や離乳食を何度も嫌がる場合や高熱が出た場合は、小児科を受診しましょう。一般的に症状に合わせて、解熱剤、口の中に塗れる軟膏などを処方してもらえます。
赤ちゃん・乳児の口内炎を自宅でケアする方法は?
口内炎ができると、飲食のときに痛みを伴うことがあるので、離乳食をあげている場合は熱いものや冷たいもの、酸っぱいものは基本的に与えないようにしましょう。
スープやうどん、ヨーグルト、ゼリーなど口当たりのいいものをあげると、飲食の際の痛みを軽減させることができます(※2)。
乾燥を好むウイルスの感染を防ぐため、また脱水症状にならならいようにするため、水分補給をしっかり行うことも大切です。
赤ちゃん・乳児の口内炎の予防法は?
赤ちゃんの口の中が不衛生だとウイルスの感染を引き起こしやすくなるため、食後は歯磨きをして、口の中を清潔にしてあげてください。また、口の中が乾燥していると口内炎が起きやすくなるため、適度に母乳やミルク、水を飲ませて口の中を潤しておくようにしましょう。
口内炎は、栄養の偏りが原因で起こることもあります。特にビタミンB1、B2、Eをしっかりとることで口内炎予防につながるので、これらのビタミンが豊富に含まれた食材を離乳食に積極的に使ってみるのもおすすめです(※1)。
赤ちゃん・乳児の口内炎は早めのケアを
赤ちゃんが口内炎になると、口の中が痛くなることが多く、ぐずったり食欲が落ちたりします。口内炎のつらさから早く解放させてあげるためにも、水分補給をこまめに行ったり、栄養バランスがとれた離乳食を与えたりしてケアしてあげましょう。
症状がひどいときは、できるだけ早めに小児科を受診してください。ママやパパのケアで、口内炎からの回復を助けてあげましょう。