赤ちゃんのよだれかぶれ対策4選!口の周りのかぶれは薬で治せる?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

生まれたばかりの赤ちゃんは肌が弱く、生後しばらくは肌トラブルが起きがちです。特によだれが出始める生後2ヶ月頃からは、よだれによって赤ちゃんの口周りや頬が赤くなる「よだれかぶれ」になることがあります。よだれかぶれは湿疹のようになったり、口周り一帯が赤くなったり症状は様々です。今回は、赤ちゃんのよだれかぶれについて、対策や薬は使えるのかどうかについてご説明します。

赤ちゃんがよだれかぶれになりやすい原因とは?

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赤ちゃんが「よだれかぶれ」になるのは、皮膚が大人よりも薄く乾燥しやすいため、わずかな刺激を受けるだけで肌に負担がかかりやすいことが主な原因です。

赤ちゃんは口を閉じたり、唾液を飲み込みこんだりすることがまだ上手にできません。そのため、口周りや頬に頻繁によだれが垂れてしまいます。その唾液に含まれる消化酵素が刺激となり、よだれかぶれになることがあるのです。

赤ちゃんの口周りや頬によだれが垂れたまま放っておいたり、よだれを何度も拭き取ったりすることも、赤ちゃんの肌には刺激になります。

母乳やミルク、離乳食なども同様で、赤ちゃんの口周りには様々なものが付着します。これらも赤ちゃんの肌にとって刺激となり、よだれかぶれのような肌荒れにつながります。

赤ちゃんのよだれかぶれはいつから?いつまで続く?

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赤ちゃんは生後2ヶ月頃からよだれが出るようになり、その頃からでよだれかぶれになりやすくなります。

ちょうど指しゃぶりも始まる頃で、指をしゃぶっていると唾液がどんどん分泌されます。その唾液が口周りや頬、あご、首まで垂れてしまい、よだれかぶれを引き起こします。

その後、生後6~7ヶ月頃になると乳歯が生え始め、離乳食も始まるため、さらによだれが出やすくなります。しかし、生後8~9ヶ月頃には口の周りの筋肉がついて、少しずつよだれの量が減っていきます。

個人差はありますが、1~3歳頃になってよだれの量が落ち着いてくると、よだれかぶれは起きにくくなっていきますよ。

唾液腺が発達する5歳頃までは多少よだれが出ることもありますが、皮膚も強くなっていくので、よだれかぶれができるほどではなくなります。

赤ちゃんの口周りや頬にできやすいよだれかぶれの対策とは?

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赤ちゃんのよだれかぶれは、口周りや頬によくできます。よだれが顎や首すじまで垂れていれば、そのあたりによだれかぶれができることもあります。

よだれかぶれを防いだり、悪化させないためには、よだれこまめに拭いてあげることが何より大切です。ここでは、赤ちゃんのよだれかぶれの対策についてご説明します。

1. 柔らかいコットンで拭き取る

よだれが垂れていたら、柔らかいコットンでそっと拭いてあげましょう。

こするようにして拭くと赤ちゃんの肌に刺激を与えてしまうので、やさしくポンポンと押さえます。

離乳食などで口の周りが汚れていたら、軽く湿らせた柔らかいコットンでそっと拭いてあげましょう。拭き取った後は、清潔なガーゼで押さえるようにして水分を取ります。

2. こまめにスタイを交換する

赤ちゃんがねんねしているときにスタイをつけたままにしていると、何かの拍子でこすれてよだれかぶれが悪化することもあります。

授乳や離乳食が終わったら、スタイは取り外すようにしましょう。

よだれが垂れてもいいように常にスタイをつけている場合、よだれが垂れたり汚れたりしたらこまめに交換して、清潔を保つようにしましょう。

3. 汚れがひどいときはぬるま湯で洗い流す

赤ちゃんの口周りや頬の汚れがひどいときは、ぬるま湯か水で洗い流しましょう。温水だと、必要な皮脂まで奪ってしまうことがあります。

ママの指の腹を使って、優しく洗い流してあげましょう。

4. ケアをしたら水気を取って保湿をする

汚れを拭き取ったり洗顔をしたりしたあとは、水気をしっかり取ったうえで保湿をします。

水気が蒸発するときに肌の水分を奪ってしまうので、まずはガーゼなどで水気を押さえるようにしましょう。そのあとで、口周りや頬に使える保湿クリームを、薄く塗ってあげましょう。

赤ちゃんのよだれかぶれに効く薬はある?

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よだれかぶれによる湿疹が悪化してしまった場合は、ワセリンなどの保湿剤を塗りましょう。ドラッグストアの薬剤師さんに相談すると、適切な薬を教えてくれます。

よだれかぶれに保湿剤を塗っても、すぐに赤ちゃんが手で触ってしまったり、よだれに流されて薬が取れてしまったりすることもあります。

保湿剤は皮膚の保護にもなるので、根気よく塗り続けてください。よだれかぶれの予防としても役立ちます。

よだれかぶれで肌がすでに荒れているときは、保湿剤の成分に注意が必要です。

ただれていたり、血が出ていたり、赤みがあったりとひどい状態のときは自己判断で保湿剤を使用せず、小児科または皮膚科を受診して相談してくださいね。

ステロイドを使うときの注意点

赤ちゃんのよだれかぶれにステロイドを使うときは、医師から処方されたものを適切な用法・用量で使いましょう。

ステロイドは市販もされていますが、赤ちゃんの肌に合わなかったり、効き目が強すぎたりすることもあります。

使い方次第ではよだれかぶれの症状が悪化してしまうこともあるので、自己判断で使用せず、小児科・皮膚科で相談してくださいね。

赤ちゃんのよだれかぶれはこまめなケアで対策を

赤ちゃんの肌がよだれかぶれで赤くなると、ママやパパはビックリしてしまいますよね。しかし、赤ちゃんは新陳代謝が活発なので、軽度のよだれかぶれであれば自然に治まることもあります。

口周りや頬のよだれや汚れはそのままにせず、こまめに拭き取ったり、保湿したりしてあげましょう。

赤ちゃんのよだれかぶれを心配するあまり、薬を大量に、何度も塗ってしまうと肌トラブルの元になりかねません。薬をつけるときは、医師や薬剤師の指示を守るようにしましょう(※1)。

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