赤ちゃんの昼寝や夜の就寝中に、いびきが聞こえて驚いたことがあるママやパパは多いのではないでしょうか。心地よくスヤスヤと寝ている姿とは反面、心配になってしまうこともありますよね。そこで今回は、赤ちゃんのいびきについて、原因や対処法、無呼吸になった場合にどうすればいいかをご紹介します。
赤ちゃんや新生児は、いびきをかくの?
赤ちゃん新生児でも、いびきをかくことがあります。
そもそも「いびき」とは、息が喉を通るときの振動音です。何らかの理由で息の通り道である気道が狭くなったり、喉の粘膜が震えたりするといびきが出てしまいます。
そのため、気道が狭く未発達な赤ちゃんや新生児がいびきをかくのは、それほど珍しいことではありません。
赤ちゃんのいびきの原因は?鼻詰まり?
赤ちゃんのいびきは、前述のように、喉や鼻の構造がせまく未発達であることが原因で起こることがほとんどです。これは生理的なものなので喉の組織が成長するにつれておさまってきます。
いびきが継続的に続いていて、特に眠りに影響していない状態であれば問題はないので、しばらく様子をみましょう。
ただし、下記のような原因でいびきをしているケースもあります。
鼻づまり
「フガフガ」や「ズルズル」と鼻をすすり上げるような音がする赤ちゃんのいびきは、鼻づまりが原因だと考えられます。
ふだん赤ちゃんは鼻呼吸をしますが、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎といった鼻疾患や風邪で鼻水が出て気道が狭くなると、苦手な口呼吸にならざるを得ず、いびきをかきやすくなります。
鼻疾患が悪化すると、あきらかに鼻の奥に何か詰まっているようないびきの音がして、眠れなくなったり呼吸困難になったりする恐れもあるため、小児科や耳鼻咽喉科で診てもらいましょう。
扁桃腺肥大・アデノイド肥大
風邪の症状や鼻炎がないのに、赤ちゃんが大きないびきをかく場合は、「扁桃腺肥大」や「アデノイド肥大」が考えられます。喉の組織である扁桃腺やアデノイドが大きくなってしまう症状です。
扁桃腺もアデノイドも喉の組織の一部で、肥大化することで気道が狭くなり、いびきをかいてしまうのです。発熱を繰り返しやすい特徴もあります。
10歳くらいをピークに自然と治るケースがほとんどですが、症状がひどい場合は手術が必要なので、疑われる場合は早めに小児科を受診してください。
赤ちゃんがいびきをかいたときの対処法は?
いびきがひどくなると呼吸がしづらく、息苦しくて目が覚めてしまい、寝不足になってしまう赤ちゃんもいます。また、口呼吸になって喉が乾燥し、咳き込んで目が覚めてしまうこともあります。
以下に赤ちゃんのいびきの原因別に対処法をご紹介するので、原因に合わせて対処してあげましょう。ホームケアをしても解消せず、いびきが出続ける場合には耳鼻咽喉科や小児科を受診してくださいね。
喉の構造が未発達であるときのいびきの対処法
赤ちゃんを横向きにして寝かせてあげましょう。仰向けに寝ていると上気道が狭くなってしまいますが、横向きにすることで緩和できます。うつぶせ寝に倒れないようにクッションを挟ませておくと良いですね。
鼻づまりが原因のいびきの対処法
温めたタオルを赤ちゃんの鼻の下にあてて鼻の通りを良くする方法がおすすめです。鼻水が固まったり、鼻くそがたまったりしているときは、しぼりたての母乳を数滴鼻の中に入れて、揉んであげる方法も効果的ともいわれています。加湿器や鼻用のピンセット、吸引機なども使ってケアしてあげましょう。
扁桃腺・アデノイド肥大が原因のいびきの対処法
扁桃腺やアデノイド肥大は、成長とともに自然に治っていくことがほとんどです。まずは、耳鼻咽喉科や小児科を受診して適切な治療を行い、いびきについても相談してみましょう。
しかし、しばらく経っても症状が改善しなかったり、睡眠障害で日中の活動に支障があるときは、再度、耳鼻咽喉科を受診してください。
抗生物質で炎症を抑えることもあれば、症状によっては手術が必要なこともあります。
赤ちゃんのいびきで注意することは?無呼吸の場合はどうする?
赤ちゃんのいびきの原因がわかって対処できていれば基本的には問題はありませんが、注意したいのは、「睡眠時無呼吸症候群」です。
睡眠時無呼吸症候群とは、いびきや寝息が一定時間止まり、その間は息ができていない状態です。赤ちゃんが睡眠中に苦しそうにしていたり、寝ているはずなのに日中も眠たそうにしていたりするときは、寝ている間に呼吸ができていない可能性があります。
赤ちゃんの睡眠時無呼吸症候群は、扁桃腺肥大やアデノイド肥大が原因で起こることがほとんどです。
睡眠時無呼吸症候群に陥ってしまうと、体の器官へ充分な酸素が行き渡らなくなり、極まれに体の発育に悪影響を与える恐れがあります。気づいたら耳鼻咽喉科に相談してください。
赤ちゃんのいびきを普段からチェックしよう
赤ちゃんのいびきは、気道が未発達であることが原因のケースがほとんどですが、なかには病気が原因の場合もあります。
赤ちゃんはどんな異変があっても、自分から伝えることができないので、ママやパパが普段から寝ているときの様子やいびき、朝の目覚め方をチェックすることが大切です。
赤ちゃんのいびきをはじめ、日々の癖や体質を知っておき、症状の変化があったときに早く気づいてあげられるようにしましょう。