出産すると、腰痛や恥骨の痛み、肩こり、尿もれなどに悩まされる人も多いですよね。妊娠中に緩んだ骨盤まわりの筋肉を鍛えると、症状が改善する手助けになりますよ。
今回は、産後に自宅で簡単にできるストレッチや、ストレッチをするときの注意点などについてご説明します。
産後に骨盤まわりの筋肉を鍛えるのが大切な理由は?
妊娠中はホルモンの影響で、赤ちゃんが産道を通りやすくなるように、骨盤まわりの関節や靭帯が緩みます。
その状態で徐々に大きくなる子宮を支えるため、骨盤まわりの筋肉や骨に負担がかかって、腰、足のつけ根、骨盤などが痛みやすくなります。
また、出産で子宮や腸、膀胱などを支える筋肉である骨盤底筋がダメージを受けて、尿もれが起こる人も多くいます。妊娠中には思うように体を動かせないため、骨盤底筋そのものの筋力も低下しやすく、産後のぽっこりお腹の原因になることも。
そのため、出産が終わったら骨盤まわりの筋肉を鍛えて、痛みや尿もれなどを解消・予防するのがおすすめです。
産後に骨盤まわりの筋肉を鍛えるストレッチをするときの注意点は?
骨盤まわりの筋肉を鍛えるストレッチは、経腟分娩の場合、寝ながら行うものであれば産後4〜5日目から始められます。立った姿勢で行うものは、産後1週間以上経って体調に問題がなければ始めましょう。
帝王切開で出産したり産後にトラブルがあったりする場合は、産後数週間ほど経ってから始められることがほとんどです。
産後の体には個人差があるため、ストレッチを始める前に必ず医師に確認するようにしてください。
特に産後1ヶ月は、悪露が出たり貧血気味だったりと出産の影響が体に残っています。
夜間の授乳やおむつ替えなどで疲れている時期でもあるので、まずは体調や生活を優先してくださいね。
産後の骨盤まわりの筋肉を鍛えるためにおすすめのストレッチは?
ここでは、産後におすすめの骨盤まわりの筋肉を鍛えるストレッチをご紹介します。
寝ながら行うストレッチ
1. ひざ寄せストレッチ
骨盤まわりの筋肉バランスを整えるストレッチです。息を吐きながら行うと筋肉が緩みやすくなるので、動きに合わせてゆっくり深呼吸をしましょう。深呼吸はリラックス効果があるため、寝る前にもおすすめです。
- 仰向けに寝た状態で、息を吐きながら片方のひざを曲げて胸の方に引き寄せる
- 息を吐ききり、ひざが胸についたら息を吸いながらひざを元に戻す
- 反対側も同様に行う。交互に3〜5セット行う
2. 股関節のストレッチ
骨盤と連動している股関節を回して柔軟にします。ひざ寄せストレッチとセットで行うと、より高い効果が期待できます。
- 仰向けに寝て両手をお腹の上に置き、お尻の穴をぎゅっと締める意識をする
- 両足を少し浮かせ、自転車を漕ぐように、片足を空中でゆっくり20回ほど回す
- 反対の足も同様に行う
3. 簡単骨盤ストレッチ
こちらは、とても簡単にできるので、就寝前や赤ちゃんと一緒にお昼寝するときなどに行ってみましょう。
- 仰向けに寝て、片方の足を伸ばす
- 伸ばしていない方の足の膝を曲げ、足の裏を床につける
- 2の足を内側にパタンと倒し、5秒間キープする
- ゆっくり元の位置に戻す
- 1~4を左右交互に、3~5セット行う
立った姿勢で行うストレッチ
4. 骨盤回し
フラフープの要領で腰を回すだけの簡単ストレッチです。腰痛防止にも効果的ですよ。
- つま先はまっすぐ前に向けて、両足を肩幅に広げて立ち、腰に手をあてる。お尻の穴をぎゅっと締める
- 視線はまっすぐ前を向き、上半身は固定したまま時計回りに腰を回す
- 時計回りで30回行う
- 反時計回りで30回行う
5. 骨盤底筋ストレッチ(※産後2ヶ月以降)
骨盤底筋を鍛えると、くしゃみなどによる尿もれを予防することができます。前述のように、産後は尿もれが起きやすいので、気になっている人はぜひ試してみてください。
また、今は症状がなくても、加齢とともに骨盤底筋は弱くなりやすいもの。産後に限らず、ストレッチを習慣化するのがおすすめですよ。
- 立った姿勢でひざにタオルやクッションをはさむ。お尻の穴をぎゅっと締める
- タオルやクッションを押しつぶすようにかかとをつけて、つま先を90度以上開く
- 5秒ほどかけて屈伸を行う
- 屈伸を30回繰り返す
※このストレッチは、産後2ヶ月以降に行うようにしてください。
骨盤まわりの筋肉を鍛えるストレッチを産後の生活に取り入れよう
今回ご紹介したストレッチは、短時間で簡単にできるものが多いので、生活に取り入れられるものから始めてみるといいでしょう。
急にストレッチをしたり、体調がすぐれないときに行ったりすると体への負担が大きくなるので、無理のない範囲で行うようにしてくださいね。