まだおっぱいが満足に出ず、授乳回数が多い新生児期の授乳は、ママの負担も大きいものです。そんなママを助けてくれる授乳方法として、「添い乳」があります。今回は、その添い乳を新生児からしてもいいのか、げっぷはさせた方が良いのかなど、添い乳の方法や注意点についてご紹介します。
添い乳はいつから?新生児からしてもいいの?
添い乳とは、赤ちゃんとママが布団の上などで、一緒に横になりながら授乳をすることをいいます。添い乳を始める時期に決まりはなく、生まれてすぐの新生児でも添い乳をすることは可能です。
添い乳のメリットは、ママも楽な姿勢を取って休みながら赤ちゃんにおっぱいをあげられること。抱っこするのも辛いときや眠くて仕方ないときなどは、添い乳は楽な授乳方法です。
また抱っこでやっと寝かしつけたのにベッドに置いた途端、すぐに泣き出すというのは赤ちゃんにはよくあることですよね。新生児期の体重が軽い赤ちゃんであっても、長時間抱っこしなければならないというのは本当に大変です。
寝かしつけと授乳を同時進行でできる添い乳は、赤ちゃんの入眠もスムーズになるので、添い乳で寝かしつけるママも多いようです。
新生児の添い乳の方法は?
新生児でもすぐに添い乳ができるといいましたが、新生児だとまだおっぱいを上手に飲むこと自体難しい時期なので、添い乳がうまくいかないことも多いでしょう。ここでは、新生児でもできる添い乳の方法を、順を追って説明します。
1. 横になって肘を曲げる
まず、ママは赤ちゃんと向かい合って横になります。添い乳での授乳は、横になったときに下側になっているおっぱいで行います。ママの体の下になる手はおっぱいの下には置けないので、バンザイ状態にして頭の後ろまで上げましょう。
このとき、ママのおへそと赤ちゃんのおへそをくっつけるイメージで向かい合うといいでしょう。
腕を曲げずに伸ばしたままにしておくと、添い乳中にしびれたり痛くなったりしやすいので、肘を曲げて頭や枕の下に腕を入れる体勢をとると楽ですよ。
2. 赤ちゃんの背中や首を支える
ママのもう片方の手は軽くおっぱいに添えて、赤ちゃんが飲みやすい角度に微調整してあげます。赤ちゃんの背中や首に手を添えて支えてあげると赤ちゃんの体勢も安定し、赤ちゃんが安心して添い乳でおっぱいを飲んでくれますよ。
また、赤ちゃんの背中に丸めたタオルなどを当ててあげると、体勢が崩れにくくなるのでおすすめの添い乳方法です。
赤ちゃんも首だけを横にして向けるのではなく、体全体をママのほうに向けてあげるとより飲みやすくなります。
3. 途中でおっぱいをチェンジ
1、2の体勢がとれたら、下側のおっぱいを赤ちゃんに飲ませます。そしてある程度飲ませたら、今度は上になっている側のおっぱいを飲ませます。赤ちゃんは移動できないので、ママが体を傾けて、上側のおっぱいが赤ちゃんの口に届くようにしてあげるといいですね。
このとき、ママの体で赤ちゃんの鼻を塞いでしまわないように注意してください。枕やクッションを上手に使って楽な姿勢を取るように工夫してくださいね。
難しい場合は、ママが赤ちゃんの反対側に移動して、赤ちゃんの向きも変え、また下側のおっぱいを飲んでもらってもいいですね。
バランスが悪くならないよう、通常の授乳と同じように添い乳でも交互に飲ませましょう。
添い乳も新生児・赤ちゃんのげっぷは必要?
新生児の頃は、まだ吐き戻しやすい赤ちゃんかどうかわかりませんが、そのまま寝ると吐いてしまう可能性が高いので、添い乳が終わったら一度起こしてげっぷをさせてあげましょう。
新生児期を過ぎてからは、その子が母乳を吐き出しやすい赤ちゃんであれば、添い乳後にげっぷをさせてあげます。
添い乳をしている間に赤ちゃんが寝てしまった場合は無理にげっぷをさせなくてもかまいません。しかし、普段の様子からげっぷをさせた方がいい赤ちゃんであれば、添い乳後にゆっくり抱き起こしてげっぷをさせましょう。
おっぱいを飲んだ量によってはげっぷが出ないこともあるので、背中を少しトントン叩いて出なければまた寝かせてあげてください。
添い乳にはデメリットもあるの?
添い乳にはメリットばかりではなく、以下のようなデメリットもあります。
窒息
添い乳には、窒息の危険性があります。添い乳の最中にママも一緒に寝てしまい、赤ちゃんの上に覆いかぶさるような体勢になると危険な場合があるので、特に新生児期は注意が必要です。
中耳炎
添い乳は横向きで行うものなので、知らず知らずのうちに飲み込んだ母乳が逆流して耳の中に入ってしまうこともあります。その結果、中耳炎を発症してしまうことがあります(※1)。
乳腺炎
添い乳をしていると、一定の角度からだけ授乳をすることになるので、母乳を乳房全体からまんべんなく吸うことができなくなります。
添い乳をすることで浅飲みになったり、乳頭をねじり、引っ張っるような飲み方をすることもあり、それが乳腺の詰まりの原因になることもあると考えられます。
また、ママがうとうとしていると、つい片方のおっぱいだけの授乳で終わらせてしまうことがあり、飲み残しのある方のおっぱいが詰まりやすく乳腺炎を起してしまう危険性もあるとされています。
添い乳をするかどうかは、ママ次第!
添い乳にはメリットもデメリットもあり、お医者さんや助産師さんによって意見が異なります。メリット・デメリットを理解したうえでママ自身が添い乳を行うかどうか決めるといいでしょう。
ママがストレスなく育児ができることが一番です。短い授乳期間を、さまざまな工夫を凝らして楽しみながら過ごしてくださいね。