ママの授乳の負担を少し軽くしてくれる「添い乳」。赤ちゃんもママも横になって行う授乳なので、なかなか体を休める暇のないママにはありがたい方法です。寝かしつけにも有効ですが、注意点も潜んでいます。今回は、添い乳で寝かしつける方法や注意点、それでも寝ないときの対処法についてまとめました。
添い乳の方法は?
添い乳をどのようにするかというのは、いたって簡単。赤ちゃんとママで向かい合って横になり、寝ころんだ姿勢のままで授乳をすれば良いだけです。
赤ちゃんの大きさやママのおっぱいの位置などは、人それぞれなので、腕枕をしてあげたり、手の平で赤ちゃんの後頭部を優しく支えてあげたりしながらベストなポジションを探しましょう。
手がしびれてしまうこともあるので、赤ちゃんの頭の下に薄くタオルを敷いても良いですね。
添い乳で寝かしつける方法は?
夜間の授乳が多い赤ちゃんの場合、添い乳はとても便利です。夜中に赤ちゃんが泣いて起きても、起き上がることなく泣き止ませることができ、さらにそのまま再度寝かしつけができるからです。
ここでは、具体的に赤ちゃんがママの右側に寝る場合で寝かしつける方法をご紹介します。
1. 赤ちゃんをママの右隣に寝かせたら、ママは右側(赤ちゃんの方)を向く
2. ママの右肘を曲げて上にあげ、自分の頭の下や枕の下に置く(肘を枕のようにする)
3. 左手で赤ちゃんの首と後頭部を支え、左手と左腕で、赤ちゃんの身体全体をママの方に向けて支える
※このとき、赤ちゃんの顔だけがママの方を向き、身体は仰向けになっていると、うまく飲むことができないので、体全体の向きを変えてあげる
4. 体勢を整えて、右(下にある方)のおっぱいから授乳する
5. 右のおっぱいが終わっても赤ちゃんが寝ていなければ、左のおっぱいで授乳する。赤ちゃんの体勢は変えず、ママが体をさらに赤ちゃんの方に傾けて、左のおっぱいを飲みやすいようにしてあげる
ときどき、赤ちゃんが足をバタバタして、ママのお腹を蹴ってしまうことがあるので、帝王切開をしたママは傷に当たらないよう注意してくださいね。
添い乳をするときの注意点
添い乳をするときは、赤ちゃんが窒息しないよう注意しましょう。おっぱいで口が塞がれているので、鼻も塞がれてしまうと窒息してしまいます。上からママの体が覆い被さってきて、危険な状態になった実例も多くあります。
ママと赤ちゃんの距離を取る、布団や枕が赤ちゃんの顔に覆いかぶさらないなどの注意が必要です。
また、横になっておっぱいを飲んでいると口元から母乳がこぼれ、耳の穴の中に入ってしまう恐れもあります。そうすると中耳炎などを発症しやすくなるので、よくこぼす、吐き戻しが多いといった赤ちゃんの場合は、添い乳後にげっぷをさせてあげましょう。
その場合、結局体を起こすことになるので、添い乳自体を続けるかどうかを再検討した方がいいかもしれません。
添い乳で寝かしつけても寝ないときは、どうする?
多くの赤ちゃんは、添い乳をすると寝ることが多く、夜中であればなおさらです。
しかし、もちろん添い乳でも寝ないことはあります。添い乳しても全く寝ないで泣く、添い乳を最初から受けつけず泣く赤ちゃんは抱っこでの寝かしつけなど別の方法を試してみましょう。
下記に代表的なものを挙げるので、1つずつ試してみてくださいね。
おっぱい以外で赤ちゃんを寝かしつける方法
・抱っこでゆらゆら
・お腹や背中をトントンする
・絵本を読む
・リラックスする音楽をかける
・子守歌を歌う
・眉間やおでこを優しくなでる
・ママが寝たふりをする
添い乳でしか寝ないときは、どうする?
添い乳して一度寝たが、おっぱいを離すとすぐに起きる赤ちゃんは、添い乳で寝るのが癖になっています。生後2・3・4・5ヶ月くらいの頃であれば、しばらくは様子を見ても大丈夫ですが、生後6ヶ月を過ぎても添い乳でしか寝られないと大変です。徐々に添い乳の回数を減らし、抱っこなどの方法で寝かしつけてくださいね。
また、「母親以外が寝かしつけると寝る」ということもあります。ママからは母乳の香りがするため、ついおっぱいが欲しくて寝られなくなってしまう赤ちゃんもいるのです。
また、単にママに甘えてぐずっている場合もあります。そんなときは、ママではなくパパ、おじいちゃん・おばあちゃんに抱っこしてもらうと、諦めもあり、母乳の香りがしないのもあり、すんなり寝ることもありますよ。思い切って寝かしつけを交代してもらうのも、一つの手かもしれませんね。
添い乳での寝かしつけのメリット・デメリットを知ろう
添い乳は、メリットばかりではなく、デメリットもあります。そのため産院や助産院では積極的にすすめられている方法ではありません。
しかし、ママの育児が少し楽になるのなら、試してみたいですよね。デメリットやリスクを十分理解したうえで、添い乳をどうするのかを判断しましょう。
授乳中は、大変なことも多く、永遠に続くように感じるかもしれません。しかしほんの少しの短い時間のこと。赤ちゃんと密にスキンシップを取ることができる貴重な期間なので、授乳に関する知識を得ながら楽しい授乳ライフを過ごしてくださいね。