授乳中に胃薬は飲める?太田胃散やガスター10は?注意点は?

監修医師 産婦人科医 渡邉 京子
渡邉 京子 産婦人科専門医。長門クリニック勤務。女性特有の月経や更年期にまつわる悩みの助けとなること、また、妊娠出産期を安心安全に過ごすお手伝いすること、を念頭に置いて日々診療しています。 監修記事一覧へ

授乳中は赤ちゃんのお世話で自分の生活リズムが不規則になってしまったり、ついつい食事の量が増えてしまったりして、胃に不調を感じる女性がいるかもしれませんね。そこで今回は、授乳中に胃薬は飲めるのか、太田胃散やガスター10などの市販薬は使っても大丈夫なのか、胃薬を飲むときの注意点などについてご説明します。

授乳中に胃薬を飲んでもいい?

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一般的に、ママが薬を飲むと、ほとんどの薬は母乳にもその成分が移行してしまいます。しかし、移行したとしてもたいていはごくわずかで、しかも母乳を飲むことで赤ちゃんの体に吸収されるのはさらにその一部です。

そのため多くの薬は、授乳中に飲んだとしても赤ちゃんに影響はありません(※1)。

特に胃薬の場合は、次のような成分のものであれば授乳中に飲んでも問題ないとされています(※1)。

● ニザチジン
● ファモチジン
● ラニチジン

胃痛などで病院を受診した際は、授乳中であることを伝えて薬を処方してもらうようにしましょう。その他にも授乳中に飲める胃薬はあるので、まず医療機関で相談しましょう。

授乳中に飲める市販の胃薬は?

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以下に授乳中でも使える市販の胃薬をご紹介します。

太田胃散

総合胃腸薬の太田胃散には母乳に入ってしまう成分が使われていないため、製造元は授乳中に使っても問題ないとしています(※2)。

大正漢方胃腸薬

大正製薬が販売している大正漢方胃腸薬は、授乳中の使用については特に禁止はされていません(※3)。

市販の胃薬を購入する際は、ドラッグストアなどに常駐している薬剤師さんに相談してから購入するようにしてください。

また、自宅にある胃薬を飲みたい場合など、薬剤師さんに相談できない状況であれば、念のために必ずパッケージや添付文書などに、授乳中の女性に対する注意書きがないか確認しましょう。

注意書きがない場合は、薬の添付文書などに記載されている問い合わせ先に確認すると良いでしょう。

ただ、どんな場合でも胃薬を使う前には医療機関に相談するのが一番です。相談できる医療機関が身近にない場合は、厚生労働省が運営している「妊娠と薬情報センター」へ相談する方法もあります。

「妊娠と薬情報センター」の利用には所定の手続きが必要なので、利用する前に公式ホームページを確認してくださいね。

授乳中に服用しないほうがいい市販の胃薬は?

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市販の胃薬の中には、授乳中に使ってもいいものがある一方で、授乳中は避けるべきものも存在します。そこで、その一例をご紹介します。

ガスター10

第一三共ヘルスケアが販売しているガスター10は、母乳に成分が移行することがわかっているので、製造元は授乳中の使用ができないとしています(※4)。もし授乳中にガスター10を飲んでしまったら、医療機関に相談してくださいね。

アバロン

大正製薬が販売している胃薬のうちアバロンという胃薬には、授乳中に飲むと母乳に入り、赤ちゃんの脈が早くなることがあります。

そのため販売元の大正製薬は、これらを授乳中には使用しない方がいいとしています(※3)。

パンシロン

ロート製薬はパンシロンというブランド名でいくつか胃薬を出していますが、多くは授乳中の使用を避けた方がいいとしています。

例えばパンシロン01という胃薬では、母乳に成分の一部が移ってしまい、赤ちゃんの脈が早くなることがあるため、販売元はパッケージにも授乳中の使用を避けるよう記載しています(※5)。

授乳中に胃薬を使うときの注意点は?

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授乳中に使っても問題ないとされている胃薬だったとしても、使用するうえでいくつかの注意点があります。

市販の胃薬の場合

授乳中に市販の胃薬を使う場合は、自分の症状にあったものを選ぶことが大切です。そのため、購入する前にパッケージに表示してある効能などの項目をしっかりと確認しましょう。心配な場合は購入する薬局の薬剤師さんなどに相談してください(※6)。

医師から処方された胃薬の場合

授乳中に医師から処方された胃薬を使う場合、指示された用法・用量を守って使いましょう。薬の中には、症状が改善しても使い続けなければいけないものや、再発を防ぐために長く使い続ける必要があるものなどがあるからです。

また使用中に気になる症状が現れたら、薬の副作用の可能性もあるため、必ず処方してくれた医師や薬剤師に相談しましょう(※7)。

授乳中に胃薬を使わずに胃をいたわるには?

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授乳中に薬を飲むことに不安があるときは、胃薬を使わずに胃の調子を整えてみるのもいいですね。そこで、胃薬を使わずに胃をいたわる方法の一例をご紹介します。

消化のいいものを食べる

胃がもたれたり、痛かったりするのは、消化しづらい食べ物を消化しようとして胃酸が出すぎているせいかもしれません。その場合は、消化のいいものを食べることで解消することがあります。

体を温める

体が冷えてしまうと、胃の血流が滞り、胃が痛くなることがあります。そのため、温かい飲み物を飲んだり、お風呂にゆっくりつかったり、いつもより少し厚着をしたりして体が冷えないようにすると、胃の調子がよくなる可能性があります。

胃に負担の少ない姿勢を取る

食後しばらくしてから横になると、胃が楽になることがあります。ただし、食べてすぐに横なると胃酸が食道に逆流して、逆流性食道炎を引き起こす可能性もあるので、横になるのは少し時間が経ってからにした方がいいでしょう。

授乳中の胃薬は指示どおり使いましょう

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胃薬の中には授乳中に使っても問題ないとされているものもあれば、母乳に成分が移行してしまい、赤ちゃんに影響が出る可能性があるものもあります。

そのため授乳中に胃薬を使う場合は、市販薬であろうと、医師から処方された薬であろうと、用法・用量を守って使うようにしましょう。

もちろん胃薬を使わずに胃をいたわる方法もあるので、そちらを選択することも検討してみてください。

授乳中は、赤ちゃんに影響がない方法で胃をいたわってあげたいですね。

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