臨月に入ると、妊婦健診で子宮口の開き具合をチェックされることがありますよね。具体的に何センチ開くと出産が近づくのか気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子宮口が開くとはどんな状態なのか、1・2・3センチ開いてから分娩開始や出産までどれくらいかかるのかなどをご紹介します。
子宮口が開くってどういう状態なの?
臨月を迎えると、出産の準備のために子宮口が自然と開いていきます。
子宮口には、赤ちゃんに近い「内子宮口」と外界に近い「外子宮口」があります。出産が近づくにつれて産道となる子宮頸管がやわらかくなり、内子宮口、外子宮口の順番で開きます(※1)。
赤ちゃんが子宮内で下降すると、子宮口が刺激されてさらに開いていき、開けば赤ちゃんの下降がもっと進む、という流れで出産に移っていきます。
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出産までの子宮口の開き方は?
子宮口は、次の3つの時期を経て赤ちゃんが生まれる直前に全開となり、直径10センチ程度まで開きます(※1)。
準備期
閉じていた子宮口が2センチまで開いていく時期です。まだ子宮の収縮は弱く、陣痛も始まっていません。
第1期(開口期)
規則的な陣痛が始まり、子宮口が3センチから8センチ程度まで開いていきます。
陣痛間隔は子宮口が3センチのうちは10分以内、4〜6センチまで開くと約3分、7〜8センチまで開くと約2分30秒となります。子宮口が4〜8センチのときの陣痛の持続時間は70秒間ほどです。
第2期(娩出期)
子宮口が全開大の10センチまで開いていく時期で、陣痛が最も強くなって赤ちゃんが生まれます。陣痛間隔は2分ほどで、約60秒間続きます。
子宮口が1〜2センチ開くと分娩開始までどれくらい?痛みはある?
子宮口の開きが直径1〜2センチのときは、まだ分娩が始まる前の段階です(※1)。子宮口が開くことによる痛みや自覚症状はなく、妊婦健診で「子宮口が開き始めた」といわれて気づくことがほとんどです。
まだ子宮頸管はやわらかくなっておらず、赤ちゃんの下降も始まったばかりですが、前駆陣痛やおしるしが現れる人もいます(※1)。
子宮口が1センチ開く時期は人それぞれで、正期産の時期(妊娠37週0日〜)に入る頃に開く人もいれば、出産予定日を過ぎても開かない人もいます。
また、子宮口が1〜2センチ開いた状態から分娩開始までの時間も個人差が大きく、数日から数週間かかることもあれば、数時間で始まることもあります。
子宮口が3センチ開くと出産までどれくらい?
子宮口の開きが直径3センチになると分娩開始となります(※1)。子宮頸管がやわらかくなっていて、赤ちゃんの下降も着々と進み、10分以内間隔の規則的な陣痛が始まります(※1)。
初産の場合は、陣痛間隔が約10分になったら連絡するよう指示されることが多いようです。
経産の場合は初産に比べて分娩の進行が早い傾向があるため、15〜20分などあらかじめ医師や助産師に伝えられた間隔で陣痛がくるようになったら、産院へ電話して指示を仰いでください。
個人差があるものの、子宮口が3センチ開いた状態から出産までは、初産婦で11~15時間ほど、経産婦は4.5~7.5時間ほどかかることが多いです(※1)。
出産しやすい子宮口にするには?開かせることはできる?
出産予定日が近づいているのに妊婦健診で「子宮口がかたい」「まったく開いていない」と診断されると、子宮口を開かせるために次のようなことを勧められることもあります。
体を動かす
スクワットなど股関節をやわらかくする運動は、子宮口を開く効果が期待できます。ただし腰痛やお腹の張りがあるときには無理をせず、座った状態でのストレッチなどがおすすめですよ。
冷えを改善する
体の冷えは血行を悪くし、筋肉を強張らせてしまうことがあります。湯船に浸かる、靴下の重ね履きをするなどして体を温めて、硬くなった筋肉をほぐすようにしましょう。
ただし破水をした場合は、腟から菌が入り込んで赤ちゃんが感染するおそれがあるため、湯船に浸かるのもシャワーもやめてくださいね(※1)。
リラックスした状態を心がける
緊張して体に力が入った状態だと、なかなか子宮口が開かないこともあります。出産に向けて緊張が高まりやすい時期ですが、なるべくリラックスできるように心がけましょう。
好きな音楽を聴いたり映画や動画を観たりするなど、自分に合ったリラックス方法を見つけてみてくださいね。
子宮口が開くまでの時間は個人差が大きいもの
子宮口がなかなか開かなかったり、開いても1〜2センチのまま分娩が始まらなかったりすることもあれば、開き始めたらあっという間に分娩が進むこともあります。子宮口が開くまでの時間は個人差が大きいことを理解しておきましょう。
不安なことがあったら妊婦健診で医師や助産師に聞いて、ゆったりとした気持ちで出産までの時間を過ごせるといいですね。