妊娠してから「正期産」という言葉を初めて聞いた人も多いかもしれません。いつからいつまでを指すのかや早産との分かれ目が気になっているのではないでしょうか。
そこで今回は、正期産の時期やこの時期以外に生まれたケースなどをご説明します。
正期産とは?時期はいつからいつまで?
「正期産」とは、妊娠37週0日〜妊娠41週6日の間に出産することです(※1)。
赤ちゃんの身体機能や臓器は、妊娠37週0日に入るまでに十分に発育し、いつでも外の世界に出られる状態になります。
出産予定日は最終月経開始日と妊娠初期に赤ちゃんの頭殿長を測定することで割り出された「予測日」でしかないので、実際に生まれる日が正期産の期間内で前後します。
赤ちゃんは出産予定日ではなく、正期産の期間のどこかで生まれることが多いです。
正期産の期間を「正産期」ということがありますが、正期産は医療用語であるのに対し、正産期は医療用語ではなく一般的な俗語として知られています。
早産はいつから?正期産より前に出産したら?
正期産より前の妊娠22週0日~36週6日の間に出産することを「早産」といいます(※1)。37週目を迎えているかどうかが、正期産と早産の分かれ目ということになります。
早産は、子宮頸管無力症や子宮の異常(子宮筋腫や子宮奇形など)、絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)などが原因で起こります(※1,2)。
また、喫煙やストレスといった生活環境や、多胎妊娠、羊水過多症なども、早産のリスクを高める原因となります。
正期産より前に生まれると、赤ちゃんは呼吸器系の病気や感染症などさまざまな合併症が起こる確率が高くなります。
生まれる時期が妊娠37週に近ければ近いほど合併症の可能性が少なくなるので、早産の兆候がみられたらできるだけ妊娠期間を延ばす処置がとられます。
正期産を過ぎたらどうなるの?
正期産より後の妊娠42週0日以降の出産は、「過期産」と呼ばれます(※1)。
過期産は妊娠期間が通常より長くなるため、母子ともに次のようなリスクを伴うことがあります。
- 胎盤の機能が低下する
- 赤ちゃんが発育しすぎて巨大児になる
- 羊水が減少する
- 赤ちゃんが子宮内で胎便を吸い込んで呼吸障害を起こす など
妊娠42週を過ぎたら必ず危険な状態になるというわけではありませんが、慎重に経過観察をする必要があります。母体と赤ちゃんの状態によっては入院をして、子宮収縮薬の投与などの医療処置がとられることもあります。
安心して正期産を迎えるために健康的な生活を
出産のタイミングは人それぞれですが、赤ちゃんとママの健康のためには正期産で出産するに越したことはありません。早産の時期は無理をしすぎず、少しでも違和感があればすぐにかかりつけの産婦人科に連絡をしてください。
安心して正期産を迎えられるように、残りの妊娠生活を健康的に過ごせるといいですね。