産後に退院したあと、赤ちゃんのお世話に専念したいと思っていても、なかなか難しいもの。周囲に気軽に頼れる人がいなかったり、病院や駅が自宅から遠かったりすると、産後すぐでも車に乗りたいと思いますよね。しかし、産後は思っているよりも体はダメージを受けています。そこで今回は、産後の車の運転はいつからしていいのか、怖い思いをしないための注意点などをご紹介します。
産後の体の状態や生活の変化とは?
出産直後のママは、体に大きな負担がかかっている状態です。子宮が妊娠前の状態に戻ろうと収縮して痛みが出たり、会陰切開や帝王切開の痛みが残っていたりします。
さらに、胎盤が剥がれて体外に出たことで子宮の内側が傷つき、しばらく悪露が続きます。また、赤ちゃんが産道を通ってきたことによる骨盤の開きや歪み、ホルモンの乱れによるだるさや疲れに加え、精神的に不安定になるなど、心身ともに負担が大きいのが特徴です。
産後6~8週間は「産褥期」と呼ばれ、産後の体が回復していく時期です(※1)。この期間は、赤ちゃんのお世話をしつつも、できるだけ体の回復を優先しましょう。
産後は車の運転をいつからしてもいいの?
産後いつから車の運転をしていい、という決まりはありません。しかし、体の回復状態や、産後の不安定な体調を考えると、産後1ヶ月頃に行われるママの健康診断(1ヶ月健診)が終わるまでは、車の運転はおすすめできません。
1ヶ月健診で、母体の回復状況が順調と医師から判断されたら、車の運転についても医師に確認しましょう。
1ヶ月健診で子宮が順調に回復していても、貧血症状がひどい場合、運転中にめまいなどの貧血症状が起きる可能性もあります。その場合、注意力が散漫になり、事故につながる恐れもあるので、車の運転は控えたほうが良いでしょう。
また、産後の車の運転で産前と一番違うところは、赤ちゃんがいることですよね。赤ちゃんをチャイルドシートに乗せて車を運転する場合、赤ちゃんの様子が気になってしまうこともあるので、運転にはより一層の集中力が必要になります。
もし医師から車の運転にNGが出たり、少しでも運転に不安を感じたりする場合は、しばらくはタクシーやネットスーパーを利用するようにしてくださいね。
産後の車の運転で怖い思いをしないための注意点は?
産後の1ヶ月健診が順調で、運転の許可が出た場合、いきなり長距離や長時間運転することは避け、少しずつ練習して慣らしていきましょう。
妊娠前は日常的に車の運転をしていた人でも、お腹が大きくなるにつれて運転しなくなった、という人も多いでしょう。産後、久しぶりに車の運転をするときには、体の変化で違和感を覚えることもあります。
久々の車の運転で怖い思いをしないためにも、以下のことに注意しましょう。
慣れた道で練習をする
パパがお休みの日に赤ちゃんをみてもらい、短時間でも自宅周辺から運転の練習をしましょう。
赤ちゃんの1ヶ月健診で外出の許可が出ていれば、低月齢から使えるチャイルドシートを設置して、万が一のときに交代できるようパパにも同乗してもらい、練習するのも良いですね。
遠回りでも知っている道を使う
少しずつ車の運転に慣れてきたら、たとえ遠回りでも、知っている道を使いましょう。知らない道で、「実は一方通行だった」といった場合、慌てて正しい判断ができないこともあります。
遠回りしても間に合うくらい、時間や心に余裕を持った行動を心がけてくださいね。
最低限の移動にとどめる
はじめから長時間の車移動が必要な遠出は避けましょう。駅までの送迎、病院、スーパー、上の子の習いごとなど、短時間かつ日常生活で必要な場所だけにとどめてください。
産後は骨盤のゆるみや開きにより腰痛が起こりやすい状態なので、長時間同じ姿勢での車の運転は禁物です。
赤ちゃんが泣いても慌てない
お世話を始めたばかりの頃は、赤ちゃんが泣くたびに「すぐ対応しなきゃ」と慌ててしまいますが、車の運転中は赤ちゃんの安全のためにも冷静になり、「ちょっと待ってね」と声をかけてあげてください。
いつもと様子が違う泣き方であれば、車を停めてから様子をみましょう。
産後に車の運転をするときは赤ちゃんのことも考慮しよう
産後に車の運転をするときは、ママの体調はもちろんですが、生後間もない赤ちゃんのことも考えて移動する場所や時間を判断してくださいね。
たとえば生後1ヶ月の赤ちゃんは、まだ首もすわっていない状態です。外出をするのも、日中に近場を少し散歩したり、ベランダや庭で外気浴をしたりする程度が好ましい時期です。
赤ちゃんが少しお出かけに慣れてくる産後3~4ヶ月頃までは、ママと赤ちゃんの体調を中心に考え、必要最低限の外出や運転にとどめてくださいね。