帝王切開でも立ち会い出産できる?夫や家族が立ち会う際の注意点は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行って... 監修記事一覧へ

新しい命の誕生の瞬間を夫婦で迎えられる立ち会い出産。立ち会い出産できるのは自然分娩だけと思っている人も多いようですが、病院によっては帝王切開でも立ち会うことができます。しかし、実際はどんな状態で行われるのでしょうか。そこで今回は、帝王切開の立ち会いについて、体験者の声や注意点を含めてご紹介します。

立ち会い出産のメリットとは?

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立ち会い出産とは、家族や親族が妊婦さんと一緒に分娩室に入って、出産に立ち会うことをいいます。

立ち会い出産には、分娩中にママを一人にしないことで出産に対する不安を軽くすることができるというメリットがありますが、それ以外にも様々なメリットがあります。特にパパが立ち会うことに関しては、以下のようなメリットがあります。

● 夫婦の絆が深まりやすい
● 赤ちゃん誕生の感動を夫婦で共有しやすい
● パパが父親としての自覚を持ちやすく、育児に移行しやすい

この他に、最近は医学的な観点からも、ママと同様、パパと赤ちゃんが早期に触れ合うことが重要だとされています。

特に帝王切開手術の場合は、ときに緊急対応も余儀なくされる緊迫した場ですが、パパが立ち会うことでママを励まし、安心させてあげることもできます。

ただし、こうしたメリットをどう捉えるかは人によって異なります。立ち会い出産をしないからといって夫婦の絆が深まらないわけではありませんし、むしろ立ち会わないことがかえって良かったりすることもあります。

立ち会い出産をするかどうか、夫婦でよく話し合って決めたいですね。

帝王切開は立ち会い出産できる?

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そもそも、自然分娩でなければ立ち会いができないと思っている人は多いかもしれませんね。しかし、最近は立ち会い分娩を希望する人が増え、そのメリットも知られるようになってきたためか、帝王切開の出産でも立ち会いが可能な病院が増えてきているようです。

帝王切開には、あらかじめ日程を決めている「予定帝王切開」と、経腟分娩の途中で何か問題が起きたときに、母子の健康状態を優先して行われる「緊急帝王切開」がありますが、立ち会いができるのは「予定帝王切開」で、事前に同意がされている場合がほとんどです。

自然分娩中に緊急帝王切開に切り替わった場合は、立ち会いができないケースも少なくないので、事前にしっかりと病院に確認しておきましょう。

帝王切開で立ち会いを経験した人の声は?

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実際に経験しないと、帝王切開の立ち会いがどのようなものなのかわかりにくいかもしれませんね。そこで、帝王切開の立ち会いを経験した先輩ママたちの声をみていきましょう。

先輩ママたちによると、帝王切開で立ち会う方法は病院によって様々なようです。

例えば、手術中の様子を見て倒れてしまうパパが多いという理由から、ママの頭の近くに座っているよう医師に指示されたという人もいれば、反対に、特に指示はなく、ママのそばであればパパがいる位置は自由だったという人もいます。

手術中、お腹から下がカーテンで仕切られて見えなくなってしまったけれど、パパと会話ができたのでリラックスできた、あるいは手術中に気持ち悪くなったけれど、パパがいたから精神的に安心できた、ということを帝王切開に立ち会うメリットとして挙げている声もあるようです。

なかには、血や注射が大の苦手なパパが、帝王切開のときは「どうしても立ち会う」と言って聞かず、いつもとは違う姿を見せたので驚いた、といった声もあります。

帝王切開で立ち会い出産するときの注意点とは?

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実際に帝王切開で立ち会い出産をすることが決まったあとも、確認することや注意することがあります。

以下を参考に、心配なときはパパと一緒に担当の医師に確認しましょう。

事前講習について確認する

手術中にどんなことが行われるのか、帝王切開をするメリット・デメリットもしっかり把握してから書類にサインすることが大切です。

当日の流れやリスクを知るために事前講習を受ける必要がある場合もあるので、確認しておきましょう

「手術」をしているという意識を忘れない

出産自体は待ち望んだ大イベントですが、帝王切開は開腹手術の一つです。立ち会うことが許されたとしても、触ってはいけないもの、入ってはいけない場所は絶対に守るようにしましょう。

また、手術中にママや赤ちゃんの容態が変化して、手術内容が変更されたり、緊急処置が必要となることもある、ということも理解しておく必要があります。

赤ちゃんが生まれる瞬間を撮影したいという気持ちもあるでしょうが、禁止される場合もあります。母子の安全が第一なので、医師の指示に従ってください。

余計なものは手術室に持ち込まない

手術室はとにかく清潔であることが大切です。ビデオを持ち込んで良いかなどのルールも病院によって異なるので、手術室に入る前に確認しておきましょう。

気分が悪くなったらすぐに申告

手術中は血をたくさん見ることになります。直接見ないようにしていても、なんとなくパパの視界に入ってきてしまうこともあるかもしれません。

出産中は周りに迷惑をかけないように、少しでも気分が優れないときは、座るなり、しゃがむなりして、パパはしっかりと自己管理をしましょう。どうしてもきついときは、助産師さんなどに申告してください。手術中に途中退室できるかも、念の為確認しておくといいかもしれません。

帝王切開で立ち会いするときは事前に話し合っておこう

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帝王切開で立ち会い出産をするときは、まず分娩する病院で立ち会いができるのかを確認する必要があります。病院の設備や医師の人数などによってはできないこともあるので、注意が必要です。

妊娠週数が進むと、逆子などの理由で帝王切開が必要だと判断されることもあります。まだ帝王切開だと決まっていなくても、立ち会い出産を望んでいる場合は、医師に聞いておくことをおすすめします。

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