臍帯巻絡とは?へその緒が首に巻きつく原因は?エコーで判断?

「臍帯巻絡(さいたいけんらく)」という言葉を聞いたことがありますか?妊娠・分娩中のトラブルの原因になる臍帯異常のひとつで、へその緒が胎児に絡まっている状態のことをいいます。今回は、臍帯異常の中でも圧倒的に頻度の高い「臍帯巻絡」についてまとめました。

臍帯巻絡(さいたいけんらく)とは?

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臍帯とは、いわゆる「へその緒」のことで、胎盤と赤ちゃんを結び、酸素や栄養を胎児に供給する大切な管です。その管が赤ちゃんの体の一部に巻き付いている状態のことを「臍帯巻絡」といいます。

全分娩の約20%前後にこのような状態がみられ、とても頻度の高い臍帯異常の一つといえます。手足や胴体に巻きつくこともありますが、ほとんどが頸部(首)で、頸部巻絡が8~9割とされています。ただ、赤ちゃんはおなかの中にいるうちは羊水に浮かんでいるので、臍帯巻絡があっても首や手足が締めつけられて苦しいということはあまりないようです。

臍帯巻絡の原因は?へその緒が長いとなりやすいの?

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活発な胎動や通常よりも長いへその緒が臍帯巻絡の原因と考えられていますが、正確には分かっていません。ただし、傾向として胎動の激しい赤ちゃんに臍帯巻絡が多いようです。また、実際に臍帯巻絡がみられる赤ちゃんの臍帯は通常より長い場合が多いのですが、長いために絡まったのか、絡まって引っ張られたことで伸びたのかまでは分からないようです。

臍帯巻絡に兆候や症状はあるの?

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他の臍帯異常と同様、基本的に臍帯巻絡の自覚症状はなく、何らかの症状が母体に出るということもありません。赤ちゃんにとってはへその緒から酸素や栄養を受け取るため、複数回も体に絡まるなど、きつく締まってくるとうっ血したり、呼吸困難を引き起こすことがあります。

臍帯巻絡はエコー検査でわかる?

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臍帯巻絡かどうかは、超音波検査(エコー検査)などで初めて分かる場合が多いとされています。ただ、超音波検査で臍帯巻絡と診断されても、それが胎児の生命リスクに直結するほどのものかどうか、判断がつきにくいというのが現状です。

基本的には、1回巻きつきであれば締め付けられることはなく、通常の妊婦健診で赤ちゃんの成長や心音を確認し、経過を見ていけば出産まで進むことができます。赤ちゃんの状態に不安が大きいときには、パルスドプラー法などにてへその緒の中の血流がきちんと送られているかを把握してくれる産婦人科もあるようです。

臍帯巻絡の治療法は?予防するには?

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妊婦健診などの超音波検査でかなり確実に診断することができ、巻絡の回数も推測できます。しかし、絡まった部分は外からはどうすることもできず、出生前に臍帯巻絡を治療する方法はありません。

対処法として、分娩が困難になることが予想されたり、分娩中におなかの赤ちゃんの心拍に異常がみられたりすると、帝王切開も視野に入れた迅速な分娩がすすめられます。また、残念ながら、臍帯巻絡は予防することができません。臍帯異常は予防や治療ができない、難しい症状なのです。

臍帯巻絡でも自然分娩できる?

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臍帯巻絡と診断されると無事に出産できるのか心配になってしまいますよね。でも、多くの妊婦さんが経験する症状で、1回の巻きつきでは、ほとんど問題なく経腟分娩となります。

臍帯巻絡がある妊婦さんの出産では、まず分娩時にNSTという赤ちゃんの心拍数などを計る機械をお腹に巻きつけます。その後、経腟分娩を進め、へその緒が引っ張られて血液の流れが悪くなり、赤ちゃんに酸素や血液が運ばれなくなるなどのトラブルが起きていないか、注意しながら分娩を進めます。

臍帯巻絡で帝王切開になるのはどんなとき?

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臍帯巻絡として、複数回巻きつきがあるときや、経腟分娩で心音の低下が見られたときには、帝王切開での出産になることが多くなります。巻きつきによって赤ちゃんへの負担が大きくなると、死産を引き起こすなどの可能性もあるため、医師が診断をして安全な出産方法が選択されます。

臍帯巻絡には死産や障害が残る可能性もあるの?

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基本的に、臍帯巻絡と診断されても1回の巻きつきであれば、ほとんどが経腟分娩での出産が可能です。ただ残念ながらへその緒が複数回にも巻きつき、死産してしまう可能性も。日本産科婦人科学会に報告されている臍帯異常による死産率は、全出産数の0.1%程度です(※1)。

また、臍帯巻絡が起きると脳への酸素や栄養供給が妨げられて障害や後遺症が残るのでは、と心配される妊婦さんも少なくありません。ただ、羊水に浮かんでいるうちはへその緒が巻きついてしめつけられることはまれですし、出産時に赤ちゃんの呼吸が苦しくなることがあってもすぐに絡まったへその緒を処置したり、人工呼吸などが行われるため、ほとんどの場合で心配する必要はありません。

出産後の様子を見て、赤ちゃんに気になる点があるようでしたら、産婦人科医に相談してくださいね。

臍帯巻絡と診断されても、落ち着いた毎日を過ごしましょう

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臍帯異常は誰にでも起こる可能性はありますし、もし臍帯巻絡がわかっても自分を責めないでくださいね。毎日不安になってばかりいてはストレスが溜まり、おなかの赤ちゃんにもよくありません。胎動チェックをしたり、様子を感じながら、ゆったりとリラックスした生活を送ることが赤ちゃんにとって一番ですよ。

※1参考文献: 日本産科婦人科学会「周産期統計(2014年)」

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