妊婦さんのつわりにはトマト!妊娠中はどれくらい食べてもいい?

監修専門家 管理栄養士 安蒜 ゆい
安蒜 ゆい 病院・保育園にて管理栄養士として献立作成・衛生管理や食育活動に携わり、現在は独立しフリーランス管理栄養士・彩り時短食プランナーとして活動しています。「季節や行事を通して食事・家族の時間の大切さを伝えて... 監修記事一覧へ

妊婦さんが悩まされることが多い「つわり」。食べ物のにおいが気になって、ほとんど食事ができなくなるなか、なぜかトマトだけは食べられるという妊婦さんもいます。

今回は、つわり中のトマトについて、妊婦さんに支持される理由や1日に食べてもいい量、食べるときの注意点をご紹介します。

妊婦はつわり中にトマトを食べたくなるの?

トマト 野菜 

つわりとトマトの関係については、科学的にまだ解明されていません。

つわり中に「無性にトマトが食べたくなった」「トマトだけは食べられた」という妊婦さんの声をよく聞きますが、水分が豊富でのど越しがよく、ほどよい酸味があるため、つわりで気持ち悪いときでも食べやすいのかもしれませんね。

また、つわり中は料理をすると食べ物のにおいで気分が悪くなったり、体力が落ちて料理をすることがおっくうになったりするので、調理せずにそのまま食べられるトマトは便利ということも理由の一つかもしれません。

そもそも妊婦はトマトを食べてもいいの?

トマト 野菜

妊娠中にトマトを食べても問題はありません。栄養価が高いので、むしろ積極的に摂りたい食材になりますよ。下記にトマトに含まれる代表的な栄養成分をご紹介します(※1)。

リコピン

トマトの代表的な栄養成分であるリコピンは、皮の赤い色素に含まれます。血圧の改善に有効な可能性があり、妊娠中にも積極的に摂りたいですね(※2)。

ビタミンC

トマト可食部100gあたりには、15mgのビタミンCが含まれます。

妊娠中は、ビタミンCが不足して起こる新生児の壊血病の予防のために、妊娠前よりも1日10mg多く摂ることが推奨されています(※3)。

βカロテン

トマト可食部100gあたりには、540μgのβカロテンが含まれます。

βカロテンは体内に入ると必要に応じてビタミンAに変わり、目の健康維持などの作用があります(※3)。

妊婦は1日にどれくらいトマトを食べてもいいの?つわり中は?

重さ 重量 野菜 果物 摂取量

妊娠中のトマトの摂取量について、1日何グラムまで食べてもいいという決まりはありません。また、つわり中だからといって摂取量を増減する必要もありません。

ただし、夏野菜の代表格であるトマトは体を冷やす働きがあるため、食べ過ぎには気をつけましょう。特に冷え症の妊婦さんは注意してください。

もし食べられるのであれば、トマトをスープやパスタ、煮込み料理の材料として使うと、体も冷えず消化も良いのでおすすめですよ。

妊婦がトマトを食べるときの注意点は?

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妊娠中にトマトを食べるときには、下記の点に注意しましょう。

しっかりと洗う

妊娠中に気をつけたい感染症の一つに「トキソプラズマ症」があります。

妊娠中にトキソプラズマに感染すると、胎児に感染し、先天性トキソプラズマ症を引き起こす可能性があります(※4)。

トキソプラズマは土の中に潜んでいることもあるため、生野菜や果物は土が残らないようしっかり洗うことが大切です。

生のトマトを食べてトキソプラズマに感染する可能性は極めて低いですが、生のトマトを食べるときは、汚れを落とすためにもしっかり洗ってから食べるようにしましょう。

塩やドレッシングはかけすぎない

トマトに塩やドレッシングをかけて食べるときは、その量に注意しましょう。

妊娠中に塩分やカロリーを摂りすぎて血圧が上がったり体重が急激に増加したりすると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病にかかるリスクが高まります(※5)。

調味料は少量だけ使うように心がけたり、酢やノンオイルドレッシングなど塩分や脂肪分を抑えられるもので代用したりするといいですね。

農薬が気になるときは皮をむく

トマトの皮の農薬が気になる人は、トマトを熱湯に入れて湯むきしましょう。皮ごと食べたいときは、無農薬栽培のトマトを選ぶと安心です。

つわり中にはトマトジュースもおすすめ?

トマトジュース 野菜 健康

つわりがひどいと、トマトさえも食べられなくなることがあります。そんなときは、トマトジュースがおすすめです。

トマトジュースは、トマトの栄養がそのまま凝縮されていて、代表的な栄養成分であるリコピンも効果的に摂取することができますよ。

ただし、トマトジュースには塩が加えられているものがあります。前述の通り、妊娠中に塩分を摂りすぎて血圧が上がると妊娠高血圧症候群になるリスクが高まるため、できるだけ無塩タイプのものを選ぶようにしましょう。

つわり中だけでなく妊娠中を通じてトマトを食べよう

トマトにはリコピンをはじめ、妊娠中の体にも嬉しい栄養成分が含まれているため、妊娠期間中を通じて食べたい野菜です。

つわりが終わったら栄養バランスに気をつけながら、トマトとほかの食材を上手に組み合わせて、健康的なマタニティライフを送っていけるといいですね。

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