妊婦が梅干しを食べるときの量や注意点は?つわりに効くって本当?

監修専門家 管理栄養士・フードコーディネーター 中村 美穂
中村 美穂 東京農業大学卒業。保育園栄養士として乳幼児の食事作り、食育活動、地域の子育て支援等に携わった経験を活かし、離乳食教室や子どもから大人まで楽しめる料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催。書籍、雑誌等への... 監修記事一覧へ

人によっては常に吐き気があったり食欲が増減したりするつわり。梅干しを食べるとつわりが和らぐという噂もありますが、この話は本当なのでしょうか?

今回は、妊婦さんが梅干しを食べるときの注意点や食べてもいい量、つわりへの効果についてご説明します。

妊婦さんが「梅干し」を食べるとつわりが和らぐの?

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吐きつわり・食べつわり・よだれつわりなど、つわりには様々なタイプがあります。

つわりに苦しむ妊婦さんが「梅干し」を食べて、これらの症状が和らいだということを示した科学的根拠は、今のところありません。

つわりの症状を緩和する効果があると言われているビタミンB6も、梅干し10g(中1粒)あたり約0.01mgとごく少量しか含まれていません。

しかし、梅干しには食欲を増進させる効果のあるクエン酸がたくさん含まれています。クエン酸には疲労回復を早める働きがあり、吐きつわりなどで体力が落ちているときなどであれば、症状の緩和に効果があるのかもしれませんね(※1)。

妊婦さんが食べてもいい梅干しの量は?

梅干し

つわりによる好みの変化で、酸っぱいものが食べたくなる妊婦さんも多く、梅干しをたくさん食べたくなってしまう人もいるようです。

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年)」によると、妊婦さんの1日の塩分摂取目標量は6.5g未満です(※2)。令和元年の日本人の塩分摂取量平均は9.7gとなっているため、減塩を目指す必要があるのがわかります(※3)。

塩分約20%で漬けた梅干し(Mサイズ:約10g)には、1粒あたり約2gの食塩が含まれているため、1日に4粒食べるだけで塩分の目標量を超えてしまいます。

通常の食事にも食塩が使われていることを考えると、妊婦さんが梅干しを食べるなら、1日1粒にとどめておいた方が安心かもしれませんね。

つわりで梅干しをたくさん食べたいときは、減塩タイプの梅干し(1粒あたり約0.8gの食塩量)か、塩を一切使っていない無塩梅干しを選ぶといいでしょう。

妊婦さんにおすすめの梅干しの食べ方は?

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基本的に、梅干しの食べ方に注意すべきことはありません。

食べやすく、つわりで疲れた体を癒してくれるメニューを心がけるのがおすすめです。

おかゆと一緒に食べる

おかゆは体を温め、吐きつわりなどで失われがちな水分も一緒に補えます。

あまり知られていませんが、おかゆもちゃんと噛んで食べないと唾液が十分に分泌されず、消化が悪くなってしまうことも。梅干しを添えて、よく噛んで食べてくださいね。

サラダにあえる

梅干しはサラダと相性が良く、大根やわかめと一緒にあえるとさっぱり味の大根サラダができあがります。

いろんな種類の野菜と一緒に梅干しを食べると、摂取できる栄養素も増えますよ。

お吸い物に入れる

つわりで食欲が湧かず、噛んで食べることすらままならないときは、梅干しを入れたお吸い物を試してみてください。

梅干しを入れることで酸味が加わり、飲みやすくなりますよ。

塩分の摂りすぎに気をつけよう

つわりの症状は人それぞれで、梅干しを食べただけで必ず症状が楽になるわけではありませんが、口当たりの良い、さっぱりしたものなら食べられるという人は、梅干しを試してみてはいかがでしょうか。

ただし、塩分の摂りすぎにならないよう、梅干しは適量に抑えてくださいね。

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