新生児の女の子のお世話!おまた・おしりの拭き方やおむつ替えの方法

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

はじめての赤ちゃんのお世話は、わからないことだらけですよね。女の子のママは、男の子以上に、お肌や体を傷つけてしまわないかを気にして、ガラスのように扱ってしまうこともあるかもしれません。特に性器のような大事なところは丁寧に扱いたいもの。そこで今回は、新生児の女の子のおまたやおしりの拭き方、おむつ替えの方法など、お世話や育て方のコツをご説明します。

新生児の女の子の体

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男女ともに赤ちゃんの肌トラブルで多いのは、おむつかぶれです。赤ちゃんのお尻は常におむつで包まれているので、ふやけて傷がつきやすくなっています。

さらに、うんちやおしっこのバイ菌の刺激を受けると、すぐに肌が荒れてしまいます。また、尿道からバイ菌が入ると、尿道炎や腎炎になるリスクも高まります。

特に性器はデリケートで、女の子であれば、腟炎や膀胱炎も心配です。これらの病気を防ぐためには、こまめにおむつを替えて、そのたびにお尻を外気にさらして乾燥させ、清潔に保つことが大切です。

新生児の女の子のおむつ替え・おまたの拭き方は?

赤ちゃん おむつ

女の子ママが心配するのが、「おむつ替えのときにおまたを必要以上に拭いてしまい、傷がついたらどうしよう」ということです。

拭く回数についてはそれほど心配はいりません。むしろ、おしっこだけのときでもきれいに拭いてあげるようにしましょう。

おまたはデリケートな部分なので、柔らかく水分を含んだおしりふきでそっと拭きます。割れ目を広げて、きれいに拭いてあげましょう。

特に女の子は、尿道や腟にうんちやバイ菌が入るのを防ぐため、「尿道口(おしっこが出るところ)」→「陰唇(おまたのひだ)をひらいた内側」→「陰唇の左右外側」→「おしり」へと、前から後ろに向かって拭きます。

拭いた後にすぐおむつを履かせず、短い時間でもおまたを乾燥させると、蒸れるのを防ぐことができます。

おむつ替えをしたら、すぐに石鹸で手を洗いましょう。おむつを替えたあとの手をきれいに洗い流してから、赤ちゃんに触れるようにしましょう。

新生児の女の子の上手なおまた・おしりの洗い方は?

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おしりや性器まわりをきれいにするには、お湯で洗うのが一番です。

ただし、おむつ替えの度に毎回洗う必要はありません。おむつかぶれが気になる場合は、1日1回の夕方のおふろ以外に、朝に座浴(おしりだけの沐浴)をするといいでしょう。

尿道や肛門付近は汚れが多いところなので、性器まわりは石鹸で外側を洗い、割れ目を手でやさしくひらいて軽くお湯やシャワーで洗い流します。女の子の性器は、男の子より複雑な構造になっていて粘膜部分が多いので、石鹸を使うのは外側だけにしましょう。

「それだけでキレイになるの?」と、心配なママもいるかと思いますが、女の子の性器の粘膜には「自浄作用」といって、分泌物を出して自分で清潔に保つ作用があるため、石鹸で洗いすぎる必要はありません。

新生児の女の子は皮膚カンジダ症に注意

赤ちゃん 新生児 泣く

おむつかぶれがなかなか治らなかったり、おむつが直接触れていない部分も赤く炎症を起こしていたりする場合、「皮膚カンジダ症」にかかっている可能性があります(※1)。

カンジダ菌はうんちやおしっこに潜んでいるカビの一種で、おまたからおしりにかけてカンジダ菌が侵入すると、一見おむつかぶれのようなただれや湿疹を起こします。

赤ちゃんのおまたのくびれた部分や、しわの深いところなどに赤いブツブツが見られ、おむつ替えやお風呂のケアを工夫してもなかなか治らないときは、皮膚カンジダ症を疑って小児科を受診しましょう。

新生児の女の子は、股関節脱臼に気をつけて

赤ちゃん 足 付け根 股関節

新生児の女の子に多いといわれるのが、「股関節脱臼(こかんせつだっきゅう)」です(※2)。

股関節は太ももの付け根にある関節で、この骨が骨盤からずれたり、外れたりする症状です。完全に外れてしまうこともありますし、外れかかっている状態(亜脱臼)や、外れやすい状態のこともあります。

女の子の赤ちゃんの股関節は特にやわらかく、M字型に開いています。太ももの骨と骨盤との重なりが浅いため、大人と比べて外れやすくなっているのです。おむつ替えのときに、無理に脚を引っ張ったり、開きすぎたりすると、股関節が外れてしまうこともあるので注意してくださいね。

股関節脱臼については、乳児健診でもチェックしますが、「股の開きが悪い」「左右の膝の開き方に差がある」などの様子がみられたら、かかりつけの小児科医に相談しましょう。

症状が軽い場合は、足が自然とM字型に開くよう抱っこの仕方を工夫するなど、ちょっとしたケアによって改善することもあります。

新生児の女の子を丁寧にお世話しましょう

新生児の女の子をお世話するときに、傷つけてしまわないようにとママやパパは少しドキドキしてしまうかもしれません。

たしかに、おしりや性器まわりはデリケートなので注意が必要ですが、清潔に保ち、力を入れすぎないよう丁寧にお世話していれば、大きな心配はいりませんよ。

おむつ替えをしたりお風呂に入れたりするときもスキンシップの時間と考えて、笑顔でやさしく声掛けをしながらお世話をしてあげたいですね。

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