そろそろ離乳食を始めようかなと考えているママ・パパは、「ちゃんと作れるかな?」「食べてくれるかな?」と心配になることもあるかもしれませんね。離乳食をスタートする前に準備しておくものや始め方のコツを知っておくと、スムーズに進める手助けになりますよ。
そこで今回は、離乳食の始め方、スタートするときのコツや注意点、離乳食初期の進め方などを詳しくご紹介します。
離乳食の始め方は?スタートするサインは?
一般的に、離乳食を始めるのに適した時期は生後5~6ヶ月頃といわれています。ただし、赤ちゃんの成長・発達には個人差があるため、様子をみながらスタート時期を検討しましょう。
生後5ヶ月を過ぎた頃に赤ちゃんに次のようなサインがみられたら、離乳食を開始してもよいタイミングです。
離乳食をスタートするサイン
□ 首がしっかりすわっている
□ 周りの人が食事をする様子に興味を示す
□ 赤ちゃんの口に指を添えても舌で押そうとしない
□ 5秒以上ひとりで座れる
□ よだれの量が増えている
普段の生活の様子をよく観察して、赤ちゃんからのサインを見逃さないようにしましょう。
離乳食を始める前の準備は?
もうすぐ離乳食を開始する時期かなと思ったら、早めに調理器具や食器を準備しておきましょう。
離乳食作りに必要な調理器具は?
離乳食の時期や使う食材によって調理方法は変わりますが、まずは下記の調理器具を基本として準備しておくと便利です。
● 直径18cm程度のふた付き片手鍋
● すり鉢&すりこぎ、ブレンダー
● 裏ごし器または茶こし
● 計量カップ、計量スプーン
● 小分けできる保存容器、製氷器(ふた付き)
ベビー用品店などで販売されている離乳食用の調理セットには、すり鉢や裏ごし器、保存容器などが含まれています。100円ショップの調理器具も役立つものが多くありますよ。
離乳食を食べさせるときに必要な食器は?
離乳食をはじめるときには、以下のような食器を準備しておきましょう。
スプーン
まずは、赤ちゃんが食べやすく安全性の高い離乳食用のスプーンを準備しましょう。
離乳食初期から中期はママやパパが食べさせやすいように、さじの部分が小さく持ち手が長い介助用スプーンがおすすめです。
赤ちゃんがスプーンを持ちたがるようになったら、柄が短く太くて丸みのあるスプーンを握らせるといいでしょう。その際は、必ず大人が近くで見守るようにしてくださいね。
離乳食用スプーンの材質はプラスチック、木、ステンレスなどがありますが、赤ちゃんによっては特定の材質を嫌がることもあるので、いくつか試してみるといいですね。
フォークは基本的には1歳を過ぎてつかみ食べができるようになってから使うので、離乳食初期の段階では準備しなくても大丈夫です。
小さめの器、ワンプレート型のお皿、お椀
離乳食を開始してしばらくは食べる量が少ないので、少し深さのある小さめの器を準備しておくといいでしょう。
離乳食専用の食器でなくても自宅にある小鉢や小分け用のお皿でかまいません。陶器の場合は、赤ちゃんが落としてしまわないように気をつけてくださいね。
離乳食が始まって1〜2ヶ月ほど経ち品数が増えていったら、小さめの器を増やしたり、仕切りがあるワンプレート型のお皿を使ったりしましょう。おかゆやスープ用に、深さのある器も準備しておくといいですね。
スタイやお食事エプロンも忘れずに用意してくださいね。
離乳食を始めるときのコツや注意点は?
離乳食を始めるときは、下記のコツや注意点をおさえておきましょう。
食物アレルギーの症状が出た場合に備える
赤ちゃんがはじめて口にする食材は、アレルギー症状が出た場合や心配ごとに備えて、かかりつけの病院を受診できる曜日の午前中に与えましょう。
赤ちゃんが食物アレルギーを起こしやすいのは、三大の「鶏卵・牛乳・小麦」です。これらの食材をはじめて与えるときは、特に慎重に赤ちゃんの様子をみるようにしてくださいね。
はじめて食べる食材は1日1口から始める
アレルギー症状が出た場合に原因となった食材を特定しやすいように、赤ちゃんがはじめて食べる食材は必ず1日1口から始めましょう。
赤ちゃんの様子をみながら、徐々に量を増やすようにしてくださいね。
食材は必ず加熱する
赤ちゃんは抵抗力が弱いため食中毒のリスクを減らすためにも、食材には必ず火を通すようにしましょう。加熱することで赤ちゃんも消化・吸収がしやすくなりますよ。
果物や野菜を食べて起こることがある口腔アレルギー症候群の原因物質は、加熱することで壊れやすいとされています(※1)。
はじめて食べさせるときは必ず加熱をして、慣れてきたら生で少量ずつ試すと安心です。
食材の食べられる時期を確認する
離乳食期の赤ちゃんは消化器官が未発達です。脂質や繊維の多い食材は消化しにくく、赤ちゃんの体に負担がかかるため、まずは消化しやすい食材を使いましょう。
食中毒のリスクも大人より高いため、食材には基本的に火を通して、特に肉や魚、卵はしっかり加熱してくださいね。
繊維が多い野菜や弾力がある肉類などは、噛む力がつく前に食べさせるのは危険です。また、喉につまりやすい丸のままの豆、ミニトマト、ぶどうなどは皮をむいて刻んで与えるようにします。
以下は離乳食期の赤ちゃんは与えてはいけないとされている食材です。赤ちゃんがうっかり口にしてしまわないように注意してくださいね。
● はちみつ ※1歳を過ぎれば与えてOK(※2)
● 黒砂糖
● 刺身
● 魚卵
● 貝類 ※離乳食完了期は火をしっかり通してみじん切りにすれば与えてOK
● 餅・もち米
● そば
● 丸のままの豆・ナッツ類・ピーナッツ
● カフェインを含む飲み物
● 香辛料
赤ちゃんのペースにあわせる
離乳食をスタートするときは赤ちゃんの体調や機嫌が良い日に始めましょう。
離乳食の進み方は赤ちゃんによって個人差があります。嫌がったり、体調がよくなかったりする日は無理に食べさせず、離乳食をお休みして様子をみてくださいね。
離乳食期は「食べる力を育む」ことが大切なので、なかなかスケジュール通りに進まなくても焦る必要はありませんよ。
離乳食をスタートしたらどうやって進めていくの?
離乳食を開始してから約2ヶ月間は離乳食初期にあたります。1日1回、できるだけ午前中の同じ時間に食べさせることを基本に、上記の順番を目安に進めてみましょう。
はじめて食べさせるときは、すりつぶした10倍がゆ小さじ1から始めます。赤ちゃんの体調に問題がなければ、翌日から小さじ1ずつ増やし、2週目以降は野菜ペーストを追加してみてください。
食材はなめらかにすりつぶし、とろとろのポタージュ状にします。また、ざらつきが気になるようであれば裏ごししましょう。
週数や食べる量、挑戦する食材がこの通りに進まなくても問題ないので、赤ちゃんのペースを優先して進めてくださいね。
離乳食を始めてから1ヶ月ほど経ち、1回食の量や食材に慣れてきたら、2回食を少しずつ試してみてもいいでしょう。
離乳食を始めてからのスケジュールは?
離乳食初期のあとは、中期・後期・完了期とステップアップしていきます。ここでは、それぞれの時期のポイントや次のステップに移行するサインをご説明します。
離乳食中期
離乳食を始めて2ヶ月ほど経過し、赤ちゃんに以下のようなサインがみられたら中期へ移行します。
□ ヨーグルト程度のかたさのものが飲み込める
□ 1回に大さじ3程度の量を食べられる
□ 1日2回の離乳食を始めている
離乳食中期では、1日2回食べさせます。1回目は毎日同じ時間、2回目は1回目から4時間以上あけるようにしましょう。
舌で食べ物をつぶしてモグモグと食べる練習をするために、指で軽くつぶせる絹ごし豆腐くらいのかたさにします。
中期の前半では食材の形が少し残る程度につぶし、後半からはやわらかくした食材を2〜4mmほどに細かく刻んでください。
離乳食後期
生後9ヶ月を過ぎた頃に、赤ちゃんに以下のようなサインがみられたら後期へ移行します。
□ 1日2回の離乳食を安定して食べられる
□ 豆腐くらいのかたさのものを舌でつぶして食べられる
□ 1回で子ども用茶碗に軽く1杯くらいの量を食べられる
離乳食後期では、1日3回食になります。食事の間隔は3〜4時間以上あけて、慣れてきたら大人と同じ食事時間に近づけていきます。
歯ぐきでつぶして食べる練習をするために、指でつぶせる熟したバナナくらいのかたさにしましょう。やわらかくした食材を5〜8mm角ほどに刻み、赤ちゃんの様子をみながら少しずつ大きくしていってくださいね。
離乳食完了期
1歳を過ぎた頃を目安に、赤ちゃんに以下のようなサインがみられたら完了期へ移行します。
□ 3回の離乳食を安定して食べられる
□ 手づかみ食べをしている
□ やわらかめの肉団子くらいのかたさのものを歯ぐきでつぶせる
完了期では、1日3回、朝は7〜8時、昼は12時前後に食べさせ、夜は19時くらいまでに夕飯を終わらせるようにしましょう。おやつは食事に響かない時間帯を選んでください。
食材は、歯ぐきでかめるやわらかい肉団子程度のかたさを目安にします。1cm程度の角切りから始め、スティック、乱切りなどいろいろな形に挑戦していきましょう。
完了期へ移行したら、様子をみながら徐々に食べ物を普通のかたさへ近づけていきます。
ただし離乳食が完了しても、大人と同じ味付け、かたさ、大きさで食べられるようになるのは3歳頃なので、それまでは幼児食として味付けやかたさに注意してくださいね。
離乳食の始め方のコツをつかんで食べる楽しさを伝えよう
離乳食を開始する時期が近づいたら、今回ご紹介した始め方のコツや注意点を把握しておくと、順調にスタートすることができますよ。
食べさせるときは、機嫌よく食べているか、下痢や便秘、発疹といった体調不良やアレルギー反応がないかなど、赤ちゃんの様子をよく観察しましょう。
赤ちゃんが食べることの楽しさを知ってさまざまな食材を食べられるようになるために、やさしく見守りながらゆっくり進めていってくださいね。
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