子作りの方法は?コツを知って妊娠率アップ!

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

子供が欲しいと思っても、すぐに妊娠できるわけではありません。妊娠を望んでいる女性が妊娠するまでにかかる期間は個人差が大きく、すぐに赤ちゃんを授かる人もいれば、何年も妊活をする人もいます。「できるだけ早く妊娠したい」と考えているのであれば、早めに準備することがポイントです。今回は、妊娠率を高めるための子作りのコツと方法をご紹介します。

子作りの適齢期は何歳くらい?妊娠率はどのくらい?

女性 ハート

女性が自然妊娠するのに最も適している年齢は20歳代から35歳までと考えられています(※1)。25〜35歳前後は、ホルモンバランスが安定していて、心身や卵巣機能、卵細胞も元気です。

また、赤ちゃんを授かりたいと望む健康なカップルがタイミングを合わせたときの妊娠成功率は、20代前半で約30%、30歳で約20%、35歳で約10%程度といわれています(※2)。そのため、タイミングをとるようになって、一度や二度ですぐ妊娠しなくても焦る必要はありません。

ただし、避妊をしないで定期的に性交しているのに1年以上妊娠しないときは、不妊の可能性があります(※3)。できるだけ早く妊娠を望むのであれば、不妊外来のある病院の産婦人科か不妊治療専門のクリニックで不妊検査を受けましょう。

子作りに適した妊娠しやすい体とは?

女性の妊娠適齢期は25〜35歳前後といいましたが、この年齢の女性が誰でも妊娠できるわけではありません。

妊娠力は、年齢、食生活、生活習慣と深く密着しています。それでは、「妊娠しやすい体」とはどんな体のことを指すのでしょうか?

妊娠しやすい体の特徴

● 若い(30代前半まで)
● 生理が順調である
● 冷え性ではない
● 精神的ストレスを抱えていない

この4つが揃っていると妊娠をしやすい体といわれています。

特に、冷えは妊娠には大敵といわれていて、妊娠を望むならば季節を問わず体を温めることを心がけましょう。

また、精神的ストレスはホルモンバランスを乱し、月経不順を引き起こしたり、排卵障害や着床障害の要因になったりすることもあります。ストレスを感じたら、早めに解消するように心がけることも大切です。

子作りの方法は?コツはあるの?

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子作りを始めるには、まず生理周期や排卵日を知る必要があります。排卵日がわかれば、排卵日当日またはその前日、前々日の3日間に子作りすることで妊娠する確率を上げることができます。

排卵日をできるだけ正確に予測するための方法には下記のような方法があります。

正確に排卵日を知る方法

基礎体温を測る

まずは基礎体温をつけることから始めましょう。基礎体温は毎朝の起床時、ベッドや布団から出る前に計測します。基礎体温を測ることによって、自分の生理リズムを把握し、排卵日を予測できるようになります。

一般的に排卵日は、いちばん基礎体温が下がった日、あるいはその翌日か翌々日であることが多いといわれています。

排卵検査薬を使用する

市販の排卵検査薬を使えば、簡単な尿検査で排卵日が約1日前にわかります。基礎体温測定と併用することで、より正確に排卵日を予測できます。排卵検査薬は、薬剤師のいる薬局やドラッグストアで購入可能です。

病院やクリニックで排卵日を予測してもらう

産婦人科ではエコー検査によって排卵日を予測することができます。基礎体温や排卵検査薬で予測するよりも精度が高いといわれているので、正確に排卵日を知りたい場合は受診してみましょう。

子作りのコツは生活習慣の改善も

カップル 夫婦 海 手

子作りするのであれば、生活習慣を見直すことも大事です。普段から健康に気をつかっている人も、子作りのためにプラスしてできることがあるかもしれないので、是非チェックしてみてくださいね。

食生活を改める

元気な卵子と精子を作るには、質の良い食材をバランスよく食べることが大切でしょう。特に、体の基礎となるたんぱく質、貧血を予防する鉄分、女性ホルモンの分泌を助ける亜鉛は積極的に摂りたい栄養素です。

また、厚生労働省は妊娠を望んでいる女性に対して、妊娠1ヶ月以上前から葉酸を摂取することを推奨しています(※4)。いまのうちから、葉酸を効率よく摂ることができる、葉酸のサプリメントを飲む習慣をつけるといいですね。

体を冷やさない

前述の通り、妊娠に冷えは大敵です。体が冷えると血行不良が起き、臓器の働きが悪くなります。

「冷え性が不妊の原因になる」とは必ずしも言えませんが、冷えによって子宮の働きが悪くなると女性ホルモンが上手く分泌されなくなり、卵巣機能や黄体機能の低下、排卵障害や卵子の発育悪化、着床障害を引き起こすリスクもあります。

季節に関わらず、常温、または温かい食べ物や飲み物を摂り、腹巻きや靴下で冷え予防をしましょう。また、下半身を圧迫するような服装は血行が悪くなり冷えにつながるため、避けましょう。

ストレスを溜めない

前述のように、過度の疲労やストレスは、月経不順やホルモンバランスの乱れ、排卵障害、着床障害を引き起こします。

現代社会で生きている限り、ストレスを全く感じないのは難しいことですが、ストレスが溜まっていると感じたらこまめに解消するようにしましょう。ゆっくりお風呂に浸かったり、リラックスしてティータイムを過ごしたり、自分なりの解消法を見つけてくださいね。

タバコやお酒を控える

タバコは血行不良を起こし、冷えを招きます。さらに、男性の喫煙は、精子の運動性や濃度、正常形態率に関わるといわれています(※5)。赤ちゃんを望むのなら今すぐ禁煙をしましょう。

また、過度な飲酒は月経異常を起こすこともあるので注意が必要です(※6)。

適度な運動をする

ウォーキングのような穏やかな運動を毎日30~40分することで、妊娠率が高くなるといわれています(※5)。運動することはストレス解消にもつながりますよ。

運動が苦手な人は、簡単なストレッチやヨガ、ウォーキングなどから始めてみましょう。

体重管理をする

太りすぎていたり痩せすぎていたりすると、妊娠率が低下しやすいといわれています(※5)。適正体重を保っていれば無理にダイエットをする必要は全くありませんが、オーバーしている場合は、食事内容を見直したり、運動を取り入れたりしましょう。

子作りの方法とコツを知り妊娠率を高めよう

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妊活は女性だけがするものと思われがちですが、元気で健康な赤ちゃんを授かるには、パートナーの協力も必要です。男性が喫煙や不摂生な食事をしていると、精子の質や活動量に悪影響を及ぼすこともあります。

この機会に、パートナーと妊活や妊娠についてしっかり話をして、一緒に生活習慣や健康について見直していけるといいですね。

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