転んだりして怪我をしたときに気をつけたいのが「破傷風」。子どもでも大人でも、感染すると命にかかわることがあるのをご存知でしょうか。
今回は破傷風とはどういう病気なのか、原因や予防法などについてご紹介します。
破傷風とは?どうやって感染するの?
破傷風とは、破傷風菌が傷口から体に侵入して、毒素によって神経障害を引き起こす病気です。破傷風菌は土の中であればどこにでも生息していて、誰でも感染する可能性があります。
破傷風は傷口に砂や土、木のかけらなどが入って、そこから破傷風菌が侵入することで感染します。道で転んだり、土をいじったりしてできた小さな擦り傷・切り傷から感染することもあります。
破傷風はかかった場合に亡くなる割合が非常に高く、抗体をつけるためにワクチンを接種して予防することが重要です。
破傷風のワクチンはいつ打つの?効果は?
破傷風ワクチンは、定期接種の「五種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、ヒブ)」に含まれています。
日本小児科学会が推奨している五種混合ワクチンの接種スケジュールでは、生後2ヶ月~1歳の間に、3~8週間の間隔をあけて、3回接種を行います。
そして、3回目の接種から最低6ヶ月以上の間隔をあけて、1歳~1歳半の間に、追加で4回目を接種します(※2)。
また、五種混合の予防接種が終わったあとも、11~12歳の間に「二種混合ワクチン(破傷風、ジフテリア)」を受ける必要があります。
ワクチンを接種することで、100%に近い人が十分な抗体を得られます(※3)。ただし、最後の接種から10年以上経つと効果が落ちてしまいます。
大人になってから土などで汚れた傷ができた場合は、破傷風予防のために追加でワクチンを打つこともあります。
破傷風ってどんな症状がでるの?
破傷風菌に感染すると、3~21日間(平均10日)の潜伏期間を経て以下のような症状が現れます(※1)。
● 口が開きにくい
● あごが固くなる
● 歩きにくい
● 排尿・排便の障害
● 全身の筋肉が固くなり、後後ろにつっぱって倒れる
● 呼吸ができなくなる
初期症状として、まずあごや首のあたりの筋肉がこわばります。その後、顔面、全身へと広がっていくので、疑わしい症状が起きたら速やかに病院を受診してくださいね。
破傷風の治療法は?
破傷風にかかると、呼吸をするための筋肉がけいれんすることが多く、人工呼吸器による呼吸の補助を受けます。
また、血液中の破傷風菌による毒素を中和するための薬や筋肉のけいれんをおさえる薬が使われます。
破傷風菌が入ったと思われる傷がある場合は、菌がこれ以上増えないように抗生物質を使ったり、傷口の組織を取り除いたりします。
破傷風から子どもを守ろう
破傷風は、発症すると命に関わる危険な病気ですが、ワクチンの予防接種を適切に受けていれば、ほぼ確実に防げる病気です。子どものうちは外で遊んでケガをすることが多くなるので、しっかりと予防接種を受けるようにしましょう。