この記事では、鉄分を含む食材と、離乳食完了におすすめの鉄分が摂れるレシピを紹介します。
また、3大アレルゲン(卵・小麦・乳製品)には材料名に★マークをつけています。医師と相談のうえ進めてください。他の食材におきかえても構いません。
鉄分ってどんな栄養素なの?
鉄分には全身に酸素を運ぶ働きがあります。また、たんぱく質や酵素の必須成分でもあり、生体活動に欠かせない栄養素です。
離乳食完了期に入ると、栄養の8割を離乳食から摂るようになります。母乳やミルクから摂取していた鉄分が不足しやすくなるので、離乳食でしっかり補給したいですね(※1)。
成長するにつれて必要な鉄分量も増えていくため、鉄分が摂れる献立を意識してくださいね。
離乳食完了期に食べられる
鉄分を含む主な食材は?
動物性の食材に含まれるヘム鉄は吸収率が高いので、積極的に食べさせるようにしましょう。
植物性の食材に含まれる非ヘム鉄は、ヘム鉄と比べて吸収率は低いですが、ビタミンCと一緒に摂ると効率よく吸収できるようになりますよ。
離乳食完了期までに食べられる、鉄分を多く食材で代表的なものは以下のとおりです。
豆腐/水煮大豆/高野豆腐/豆乳(無調整)/納豆/きなこ/枝豆
● 野菜類
小松菜/モロヘイヤ/ブロッコリー/グリーンピース/インゲン/ほうれん草
● 卵・乳製品
卵
● 肉類
牛赤身肉/レバー(牛・豚・鶏※)/豚赤身肉
● 魚介類
かつお/かつおけずり節/ツナ水煮缶/いわし/まぐろ/さんま/ぶり
● 海藻類
わかめ/焼のり/ひじき
● 穀類
オートミール(※)
- レバーには、鉄分のほかにビタミンAが多く含まれています。食べすぎると過剰摂取となる可能性もあるので、レシピの量を守って頻繁にはあげすぎないようにしましょう。量がわかりにくい場合は、レバー入りのベビーフードを利用するのもおすすめです。
- オートミールは、ペースト状になるまで調理するか、粒が細かい物(クイックオーツ)を使用しましょう。
初めて食べる食材は加熱して一品ずつ与え、食べ慣れたら他の食材と合わせましょう。
次からは、上記の食材を使用した、離乳食完了期におすすめのレシピを「主食・主菜・副菜」に分けて紹介します。1食につき1品、取り入れてみてくださいね。
主食:
鉄分が摂れる離乳食完了期のレシピ
まぐろ入りおにぎり
- 1まぐろはさっとゆでて身をほぐす。
- 2軟飯に1と塩を混ぜ込む。
- 3のりを横長に置き、下半分に軟飯を薄く敷き、残ったのりの上半分を折り込む。
- 43がひと口サイズになるよう、包丁で手早くカットする。
のりにご飯を乗せるときには、ご飯がはみださないように端に少し余裕を持たせると、キレイに仕上がりますよ。包丁でカットするときには刃にくっつかないように素早く切るのがポイントです。
牛肉とニラのうどん
- 1うどんは2cm程度に切っておく。
- 2牛赤身肉は脂身、すじを取り除いて、ゆでて火を通し、みじん切りにする。
- 3ニラ、玉ねぎは粗くみじん切りにする。
- 4鍋に、だし汁、1、2、3を入れ、材料がやわらかくなるまで煮込む。
- 54に醤油を加え、最後に水溶き片栗粉でとろみをつける。
牛肉の旨みでモリモリと食べられそうなメニューです。野菜、たんぱく質、炭水化物が一度に摂れるので、忙しい日にもおすすめですよ。
納豆チャーハン
- 1玉ねぎとほうれん草はゆでてみじん切りにする。
- 2ボウルに卵を割ってよくほぐす。
- 3フライパンに薄く油をひくか、テフロン加工のフライパンを中火で熱し、2を流し入れてかき混ぜる。
- 4卵が固まってきたら、1の玉ねぎを入れて、しんなりするまで炒める。
- 54に1のほうれん草と、よく混ぜた納豆を加え、さらに炒める。
- 65に軟飯を加え、材料が混ざったら、醤油を加え、よく混ぜ合わせる。
鮭と豆腐のおやき
材料(1食分)
- 1豆腐をキッチンペーパーなどの上に出し、水切りする。
- 2鮭は電子レンジで30秒ほど加熱し、骨と皮を取り除いて身をほぐす。
- 3ほうれん草は、ゆでてみじん切りにしておく。
- 4ボウルに1、2、3とホットケーキミックスを入れ、混ぜ合わせる。
- 5フライパンをあたためて油をひき、スプーンで生地をすくって落とす(※)。
- 6中火で2分ほど焼き、裏返してさらに2分ほど焼く。
- フライパンに生地を落とすときに薄く伸ばせば、焼き時間を短縮できます。
鮭の塩気とホットケーキミックスの甘味が絶妙にマッチしたおやきです。たんぱく質も野菜もたくさん摂れて、見た目も鮮やかなので赤ちゃんも喜んでくれそうですね。
主菜:
鉄分が摂れる離乳食完了期のレシピ
オクラチャンプル
材料(1食分)
- 1オクラは種を取り除き、薄切りにする。
- 2玉ねぎ、にんじんは皮をむき、小さめの千切りにする。
- 3豆腐は1cm角に切る。
- 4熱したフライパンに薄く油をひいて、豚ひき肉を入れて炒める。
- 54に1、2を入れ、野菜に火が通るまで炒める。
- 65に3の豆腐を入れ、さっと混ぜ、醤油をたらす。
- 76に溶いた卵を流し入れ、卵に火が通るまで炒める。
ビタミンもたんぱく質もしっかり摂れるチャンプル。家にある野菜や豆腐などをフル活用して作ってみてくださいね。
ぶり大根
- 1ぶりはゆでて身をほぐす。
- 2大根はすりおろす。
- 3ほうれん草はやわらかくゆで、みじん切りにする。
- 4小鍋に1、2、3、だし汁を入れ、ひと煮立ちさせる。
- 54に醤油を垂らして風味をつける。
大根とぶりを組み合わせた定番レシピ「ぶり大根」で、赤ちゃんにも冬の味覚を楽しませてあげましょう。だしをきちんと取れば、薄味ながらもコクがあり、大人も満足する一品に。
モロヘイヤオムレツ
- 1モロヘイヤはやわらかくゆで、みじん切りにする。
- 2ボウルに、1と卵、だし汁を入れ、泡立て器でよくかき混ぜる。
- 3フライパンを熱して2の卵液を流し入れ、巻きながら焼く(※)。
- 43を食べやすい大きさに切る。
- 卵が半熟にならないようにしっかり加熱しましょう。
牛肉とブロッコリーの炒め物
材料(1食分)
- 1ブロッコリーはやわらかくゆで、粗くみじん切りにする。
- 2牛赤身肉は脂身とすじを取り除いて細かく切り、片栗粉をなじませる。
- 3熱したフライパンに油をひき、2を炒める。
- 4肉の色が変わったら、1を加えてよく混ぜ、仕上げに醤油を垂らす。
牛肉とトマトの豆乳煮こみ
材料(1食分)
- 1牛赤身肉は脂身、すじを取り除いて1cm程度に切ってゆでる。
- 2トマトは湯むきして種を取り除き、1cm角に切る。
- 3鍋に1と2を入れ、豆乳を入れて沸騰させないように煮る。
好みで味噌や醤油を少々加えて味付けをしても。
副菜:
鉄分が摂れる離乳食完了期のレシピ
オクラとツナのチーズサラダ
材料(1食分)
- 1オクラはゆでて種を取り除き、薄切りにする。
- 2きゅうりは皮をむき、薄切りにする。
- 3トマトは湯むきして、種を取り除き、5mm程度の角切りにする。
- 4チーズは5mmの角切りにする。
- 5ツナは水気を切っておく。
- 61、2、3、4、5を混ぜ合わせる。
卵とトマトのサラダ
材料(2食分)
- 1ゆで卵を作り、みじん切りにする。
- 2トマトは湯むきして種を取り除き、みじん切りにする。
- 3ほうれん草はゆでてみじん切りにする。
- 41、2、3と豆乳を混ぜ合わせる。
豚汁
- 1豚赤身肉は脂身を取り除き、幅1cmの細切りにする。
- 2大根、しいたけ、にんじんは粗みじん切りにする。
- 3鍋に1、2、だし汁を入れ、野菜がやわらかくなるまで煮る。
- 43に味噌を溶き、水溶き片栗粉でとろみがつくまで煮る。
鉄分を含む食材を使って栄養バランスの良い離乳食を作ろう
栄養はバランス良く摂ることが大切なので、特定の栄養に偏りすぎないようにしてくださいね。もし離乳食があまり食べられない場合には、鉄分が多く含まれるフォローアップミルクを飲ませてあげるのも、ひとつの方法ですよ。
※ 赤ちゃんの成長や発達に合わせて無理なく進めましょう。
※ 赤ちゃんが食物アレルギーの診断を受けている、または疑いのある場合は必ず医師と相談のうえ進めてください。
※ レシピの食材は旬のものや自宅にあるものに置き換えてもかまいません(ただし、その時期に食べられる食材かどうかチェックしましょう)。