母乳性黄疸とは?症状はいつまで続くの?1ヶ月後も消えないときは?

記事監修 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 続きを読む

多くの赤ちゃんは、生後数日すると肌が黄色っぽくなる「新生児黄疸」という症状が見られます。一般的に生後1~2週にかけて治まる症状ですが、母乳育児をしていると「母乳性黄疸」といって、黄疸の症状が長引く場合があります。それでは、この母乳性黄疸には何かリスクがあるのでしょうか?また、いつまで続くのでしょうか?今回は母乳性黄疸の原因や症状、いつまで続くのかなどについてご説明します。

そもそも新生児に黄疸が出る理由は?

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胎児はママのお腹の中で効率よく酸素を取り入れるために、血液中の赤血球が産まれた前と形態も異なっており、その量も多くなっています。

しかし、出生後は自分の肺で呼吸できるようになるため、たくさんあった赤血球は不要になり、少しずつ分解されます。

この際に、赤血球中のヘモグロビンから黄色い色素を持つビリルビンという成分が大量に生み出されます。本来ビリルビンは、肝臓に運ばれて便や尿と一緒に体外に排出されるのですが、赤ちゃんの肝臓は未発達なので、ビリルビンを上手く処理できません。

すると、血液中のビリルビン値が上がり、肌が黄色くなってしまうのです。これを新生児黄疸と呼びます。新生児黄疸は、生まれたばかりのほとんどの赤ちゃんに起こる生理現象なので、基本的に心配する必要はありません。

新生児黄疸は、一般的に生後1~2週頃に治まります。

母乳性黄疸の原因や症状は?いつまで続く?

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新生児黄疸は遅くても生後2週頃には消えますが、特に完全母乳育児で育てている場合、生後1ヶ月を過ぎても黄疸の症状が消えない場合があります。これを「母乳性黄疸」と呼びます。

母乳に含まれる女性ホルモンの影響で、ビリルビンが肝臓で処理する能力が低下して、黄疸の症状が続きます。そのため、完全母乳育児だと、黄疸の症状が長引きやすいといわれています。

母乳性黄疸は生後1ヶ月以内に発症して、生後2~3ヶ月頃には治まります(※1)。

母乳性黄疸は病院に行ったほうがいい?検査方法は?

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生後2週を過ぎても黄疸が続くようであれば、小児科へ相談しておくのが安心です。母乳性黄疸で症状が長引いているのであれば問題ないのですが、敗血症や先天性胆道閉鎖症などの病的な理由で長引いている可能性も考えられるからです(※1)。

病院では血液検査を行い、血液中のビリルビン値が直接型・間接型のどちらが優位か、またその値が正常範囲であるか、肝機能に異常がないかなどを確かめます。また、長引く黄疸が母乳性黄疸かどうかを見分けるために、母乳を2日間止め、黄疸の変化を見る検査も行います(※2)。

しかし、母乳をしばらく止めると母乳の出が悪くなることもあるので、リスクを考慮しながら医師と話し合って、どの検査方法を行うか決める必要があります。その際は、おっぱいが張ってくると母乳が詰まって乳腺炎になる恐れがあるので、搾乳をして定期的に母乳を出すようにしましょう。

母乳性黄疸ではない場合は、治療が必要なの?

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黄疸の原因が母乳であれば、基本的には自然と症状は治まっていきますが、他の原因で高ビリルビン血症と診断されて黄疸が出ている場合、一般的に治療が必要になります。

体内のビリルビンの量が過剰になると、影響は脳にまで及び、「核黄疸」という脳障害が起きることがあり、進行すると、神経過敏や筋肉硬直、ひきつけといった症状が出てきます(※3)。

核黄疸を予防するためにも、早期治療が大事です。症状がひどい黄疸の治療法としては、光線療法と交換輸血があります。光線療法は青白色や緑色の人工的な光を当てて、赤ちゃんのビリルビン値を下げる治療法です。

ビリルビンは光を当てられると、肝臓と腎臓によって排出されやすくなる形態になるため、光線療法にはビリルビン値を下げる効果を見込めるというわけです。光線療法は、赤ちゃんにアイマスクをつけ、保育器の中で治療用の光を当てて行います。

光線療法を行っても症状が改善しないときは、体の血を取り替える交換輸血を行うこともあります。また、便が白いという症状があれば、胆道閉鎖症が疑われるため、その際には便を持って小児科を受診してください。

母乳性黄疸か気になるときは医師に相談を

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母乳性黄疸が現れると心配ですが、きちんと母乳を飲んでくれている証拠でもあります。母乳性黄疸は自然に治まっていくので、あまり心配しすぎずに様子を見てあげてください。

ただ、母乳育児に取り組んでいても、母乳の出が悪い、あるいは赤ちゃんがあまり母乳を飲んでくれないといった場合は、母乳性黄疸の可能性は低くなります。

また、自己判断は難しいものなので、黄疸の症状が消えない場合は病院を受診して検査をしてもらってください。

きちんとビリルビン値を測っておけば、不要に心配になることも減りますよ。

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