妊婦は口内炎ができやすい?妊娠中、妊娠初期でも薬を使っていいの?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠するとホルモンバランスが大きく変わるため、「えっ、これも妊娠と関係があるの?」と、一見関係なさそうな変化が体に現れることも少なくありません。実は「口内炎」も、妊婦さんによく起きる病気のひとつなんですよ。今回は、妊娠中の口内炎について、できやすい原因や治療法、予防法をご説明します。

妊娠中の口内炎は妊娠初期にできやすい?

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口内炎とは、口の中の粘膜に起こる炎症のことです。ウイルス性のものやアレルギー性のものなどいくつか種類がありますが、よく見られる口内炎は「アフタ性口内炎」と呼ばれるものです。

アフタ性口内炎は、頬の内側や舌、唇の裏などにできやすく、白っぽい小さな潰瘍の周りが赤くなることが多いです。

アフタ性口内炎の原因ははっきりと分かっていませんが、睡眠不足や栄養不足、ストレス、疲労など、免疫力が低下しているときに発症しやすいといわれています(※1)。

また女性の場合、生理前の時期や妊娠中など、ホルモンバランスが大きく変化するときにも口内炎ができやすくなります(※1)。

特に、妊娠初期はホルモンバランスの変化に加えて、つわりがひどいと食べられるものが限られてしまうため、栄養バランスに偏りが出ることも口内炎ができやすい原因となります。

妊娠中の口内炎の治療方法は?

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口内炎ができると、食べ物や飲み物がしみて痛みがあり、つばを飲み込むことすらつらくなることもありますよね。食事が十分にできなくなって栄養が偏ると、さらに治りが遅くなってしまう…という悪循環に陥ることも。

通常、アフタ性口内炎であれば1~2週間ほどで自然に治りますが、栄養不足のままだとまたすぐに口内炎ができてしまいます。なかなか治りが遅いときや、痛みで食事もままならない場合は、早めにかかりつけの産婦人科で相談しましょう。

症状によっては塗り薬を処方してもらうなど、適切な処置を受けることで回復が早まりますよ。

妊婦でも使える口内炎の薬はある?

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口内炎による痛みがひどいと、すぐにでも市販薬を使いたい、と考える妊婦さんもいるかもしれません。しかし、自己判断で市販薬を使用するのはおすすめできません。

市販薬には、口内炎ができた部分に直接塗る・貼る薬や、スプレータイプの薬、ビタミンが配合された錠剤の飲み薬など、様々な種類がありますが、お腹の赤ちゃんへの影響などを考えて、「妊娠中は使用前に医師や薬剤師に相談すること」と説明書に書かれている薬も多くあります。

なお、「妊婦さんでも問題なく使える」と明記されている薬として、錠剤の「チョコラBBプラス」(エーザイ)などがあります(※2)。

なかなか口内炎が治らないときは、こうした市販薬を使ってみるのもひとつの方法ですが、念のため事前に薬剤師や医師に相談するようにしましょう。

妊娠中に口内炎を予防する方法は?

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口内炎は、治るまでにある程度の時間がかかりますし、一度かかると何度も繰り返すことがあります。口内炎の発生や再発を予防するために、次のようなことを心がけてみてくださいね。

疲れを溜めない

妊娠中はただでさえ免疫力が下がっているうえに、つわりで体力を消耗していたり、お腹の赤ちゃんの状態に気を使う必要があったりして、心身ともに疲れやすくなっています。

妊娠前はちょっとくらい無理をしても平気だった、という人も、妊娠中は十分に睡眠をとったり、ゆっくり湯船に浸かったり、温かい飲み物でホッと一息ついたりと、疲れやストレスを溜めない工夫をしましょう。

歯みがきやうがいをする

妊娠中は、体調がすぐれないこともあり、歯みがきやうがいを面倒に感じる人もいるかもしれません。しかし、口内炎を予防するには、口の中を清潔に保つことが大切です。

仕事をしている妊婦さんも、職場に歯ブラシセットを置いておいたり、時間がなくてもうがいだけはしたりするなど、意識してみてくださいね。

口内炎は粘膜や歯茎などにできやすいので、歯をみがくときに傷つけないよう、少しやわらかめの歯ブラシで優しくみがくのがポイントです。

ビタミンを摂る

妊娠初期など、つわりで思うように食べられないときは無理をする必要はありませんが、体調が落ち着いているときは栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

特に、皮膚や粘膜の健康を保つ効果がある「ビタミンB2」「ビタミンB6」などのビタミンB群は、口内炎予防のため積極的に摂りたい栄養素です(※3)。

ビタミンB2はレバーや納豆、乳製品に、ビタミンB6はマグロやカツオ、バナナなどに豊富に含まれています(※3)。献立を考えるときの参考にしてみてくださいね。

妊娠中の口内炎は早めの対策を

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妊娠中は、口内炎以外にも歯周病になりやすいなど、口内環境が乱れがちです。つわりで体調がすぐれないときは「食べられるものを、食べられるときに食べる」で構いませんが、それ以外のときは栄養バランスを意識し、歯みがきなどのケアを心がけてみましょう。

もし口内炎ができてしまったときは、シチューやスープなど、栄養がとれて食べやすいものを選ぶと良いでしょう。痛みがつらいときは病院を受診するなどしてなるべく早く治して、楽しいマタニティライフを送れるといいですね。

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