妊娠中の授乳は流産しやすい?二人目の妊娠初期に断乳すべき?

記事監修 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 続きを読む

妊娠中に上の子の授乳をどうするかは、二人目妊娠ならではの悩みですよね。「妊娠中の授乳は、流産を引き起こしやすい」という噂を聞いて、不安を感じているママもいるのではないでしょうか?そこで今回は、本当に授乳が流産の原因となるのか、妊娠中に授乳するポイントや卒乳のコツについてご説明します。

妊娠中の授乳は流産しやすいの?

疑問

授乳をすると、赤ちゃんが乳首を吸うことによる刺激で、「オキシトシン」の分泌が促進されます(※1)。オキシトシンは、「幸せホルモン」と呼ばれることもあり、愛情が深まったり、ストレスが軽減されて心が落ち着いたりするという作用を持ちます。

ただし、オキシトシンには、子宮収縮を促す作用もあり、妊婦さんが授乳をするとお腹が張ったり、痛みを感じたりすることがあるので、注意が必要です。

「妊娠中の授乳によって流産率が上がる」ことを示す医学的・統計的なデータは、現在のところ発表されていません。ただし、あまりにお腹が張ると切迫早産や早産になる恐れもあるので、上の子の授乳については医師に相談して決めましょう(※2)。

「妊娠中に授乳をしていいかどうか」は医師や助産師によって意見が割れるところですが、もし授乳を続けるのであれば、きちんと妊婦健診を受けて、早産の兆候がないか慎重に見ていく必要があります。

医師によって、「妊娠したら授乳をやめたほうがいい」と指導される場合もあれば、「お腹の張りがない限りは、授乳を続けても問題ない」と判断されることもあります。

妊娠したら、授乳は止めた方が良いの?

授乳 赤ちゃん

世界保健機関(WHO)は、母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源であり、「母乳単独であれば生後6ヶ月まで、適切な補助食品(離乳食など)と並行して2歳を過ぎるまで」母乳を与えることを推奨しています(※3)。

また、ママ自身も母乳育児を続けたいと願っていて、赤ちゃんも欲しがるのであれば、続けてあげるのがおすすめです。妊婦健診でも特に問題が見られなければ、母乳をあげ続けても良いでしょう。

しかし、医師からストップがかかったときには、やめるという選択をしなければいけません。妊娠したときに上の子がどれくらいの月齢なのかによって、卒乳・断乳方法は異なります。

0~1歳未満

1歳前であればまだ1日に5~6回は授乳をしていることも多いので、いきなり断乳しようとすると子供がとまどってしまうかもしれません。搾乳したおっぱいをあげる、夜間断乳を始めるなど工夫する必要があります。

1歳以降

1歳を過ぎていれば、必要な栄養はほぼ離乳食や幼児食から摂れているので、そろそろ完全な卒乳・断乳を考えても良いかもしれません。

しかし、授乳によって精神的な安定を感じている子も多いので、子供にもママにも無理のないよう、少しずつおっぱいから離れる工夫が必要です。

妊娠中に上の子(1歳以上)の授乳をやめるコツは?

ステップ 流れ

ここでは、「こそだてハック読者アンケート(※)」に寄せられた先輩ママからのエピソードをもとに、少しずつ授乳をやめる方法をご紹介します。

妊娠を機に卒乳・断乳を決意したママは、自分や子供に合ったやり方を試してみてくださいね。

ステップ1

授乳回数は今まで通りで、1回の授乳時間を短くします。

1歳以降であれば、授乳の役割は、満腹感を得ることよりも心の安定を得ることにシフトしてきている段階です。おっぱいを欲しがったときにいきなり「ダメ!」と拒絶すると、かえってスムーズに進まないことも。

1歳半になった頃、夜の寝かしつけのおっぱいを吸わせる時間を短くしました。ひとりで寝つけるようになってきたので、断乳をスタートし、たくさんスキンシップを取ったり一緒に遊んだりするようにしたら、日中はおっぱいなしでも過ごせるようになりました。

あーちゃんママさん

ステップ2

時間の短縮がうまくいったら、次は回数を減らしていきます。3日~1週間かけて少しずつ減らしましょう。時間や回数を減らしている分、抱っこなどでしっかりスキンシップをとってあげてくださいね。

昼間のおっぱいから徐々に回数を減らし、夜間の授乳をやめました。最後まで寝る前は授乳を続けていましたが、実家に帰省するのを期に、寝る前のおっぱいもやめました。実家の母に寝かしつけを頼み、髪の毛をなでなですると寝られると聞いたので、実践してみました。

こうちゃんの母さん

ステップ3

1日の授乳回数が1~2回になった頃を見計らって、まずは3日間一切の授乳をやめてみます。うまくいけばそのまま続け、難しいようなら日に1~2回の授乳サイクルに戻しましょう。

下の体験談にもあるとおり、授乳をやめると決めたら旦那さんなど家族に協力してもらうのも一つの方法ですね。

離乳食の回数が増えるにつれ、1〜2ヶ月かけて授乳の回数を減らし、1歳の誕生日を迎える頃に断乳しました。就寝時のおっぱいをやめるのが1番大変だったので、パパが連休で家にいる日を選び、3日間は寝かしつけをパパ担当にしました。最初はギャン泣きしましたが、寝る前のおっぱいはやめることができました。

みーさん

子供がおっぱいにどれくらい執着するかは、個人差があります。意外とあっさり卒乳することもあれば、大泣きしてしまうことも。

ママの体調と子供の気持ちとのバランスを取るのは難しいかもしれませんが、ママが焦るとその気持ちが子供にも伝わってしまいます。卒乳・断乳は、ゆったりした気持ちで進めるのがコツですよ。

妊娠中に授乳をするときの注意点は?

女性 腹痛

夜中の授乳で寝不足になり、疲れがたまるのは、妊婦さんにとっては好ましくない状態です。体調を崩す原因にもなるので、夜間授乳の回数が多く、体力的につらい場合には、授乳を昼間だけにできるよう工夫してみましょう。

また、お腹の張りや痛みがある場合は、ママの体のためにも、お腹の赤ちゃんの早産リスクを減らすためにも、授乳をやめてください。かかりつけの産婦人科で、ミルクへの切り替えやおっぱいケアについて相談してくださいね。

妊娠中の授乳は妊婦健診で相談しよう

女性 医者 診察

子供にとって、ママのおっぱいは心地良いものです。上の子と過ごせる時間を大切にしながら、ママも子供もなるべく笑顔で卒乳できるように進めていけるといいですね。

ママや子供の体調や月齢、生活環境などは人それぞれなので、「妊娠中だから授乳は絶対にだめ」と一概にはいえません。授乳を続けるかどうかは、妊婦健診などで医師に相談したうえで決めてください。

※アンケート概要
実施期間:2017年6月30日~7月9日
調査対象:卒乳・断乳を完了した/検討している「こそだてハック」読者
有効回答数:207件(うち卒乳・断乳を完了したママは169名)
収集方法:Webアンケート

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