高齢出産で二人目!不妊やダウン症のリスクは?体験談も紹介!

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行って... 監修記事一覧へ

「二人目が欲しいけれど、年齢的に厳しいかな…」と、迷っている人も多いかもしれません。実際のところ、高齢で二人目を妊娠・出産する場合、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか?今回は、二人目妊娠で高齢出産をした先輩ママの体験談を交えながら、出産前に知っておきたい二人目の高齢出産のリスクなどについてご説明します。

二人目は何歳からが高齢出産?

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日本産科婦人科学会の定義では、35歳以上ではじめて出産する女性を「高年初産婦」といいます(※1)。

経産婦について、日本では年齢に関する定義はありませんが、国際産婦人科連合(FIGO)は、35歳以上の初産婦、40歳以上の経産婦を「高齢出産」と定義しています。

つまり国際的には、40歳以上で二人目を出産する場合、高齢出産と考えられているということです。

何人目の妊娠・出産にせよ、35歳以上になると胎児の先天性異常や流産、母体の病気リスクが高まるため、健康管理に気をつけて出産に臨むことが大切です(※2)。

高齢出産の二人目は妊娠しにくい?

ママ 悩む

そもそも35歳以上になると、二人目での妊娠を目指して妊活していてもなかなか妊娠しづらく、いわゆる「二人目不妊」で悩む夫婦も多くいます。

高齢出産での二人目不妊に悩んだ先輩ママは多く、不妊治療を経験した人も少なくないようです。

半年経っても妊娠できず…

1人目は31歳のときで、比較的すぐに妊娠することができました。35歳になり、1人目の育児も少し落ち着いてきたので、2人目が欲しいと思いましたが、実際に妊娠するのに半年以上かかりました。

1人目がすぐに妊娠できただけに、2人目もすぐできるだろう、と正直軽く思っていたのですが、やはり年齢によって違うのだなと実感しました。

Yさん 40代

年齢を重ねると精子と卵子の機能が衰え、体外受精などの技術を使っても、妊娠する確率が下がってしまいます。日本生殖医学会は、35歳以上の場合、避妊せずに性交をしてから半年経っても妊娠しないときには、産婦人科で相談することを推奨しています(※3)。

高齢出産の二人目だと病気にかかりやすい?

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高齢出産は母体への負担が増え、妊娠中に体調を崩したり、病気にかかったりしやすくなることもあります。

特に、35歳以上の妊婦さんは「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」のリスクが高くなります(※2)。

これらの病気がママと赤ちゃんの両方の命に関わる恐れもあるため、推奨される体重増加量を大幅に超えないよう、適切な体重増加と健康的な生活を心がける必要があります。

高齢出産の二人目はダウン症の確率が高い?

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高齢出産の場合、何人目の出産であっても、胎児に染色体異常が起きるリスクが高まります(※2)。染色体異常の原因は様々ありますが、加齢による卵子や精子の機能低下も原因のひとつと考えられています。

先天性の病気や染色体異常がないかどうかは、出生前診断によってわかる場合もあります。

ただし、出生前診断を受けるかどうか、また結果が出たらどう受け止めるかについてはパートナーや家族とよく話し合い、専門医から適切な遺伝カウンセリングを受けたうえで検討しましょう。

高齢出産の二人目は、流産しやすい?

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高齢での妊娠は、流産のリスクが高くなります(※2)。これは、先述のとおり加齢が原因で胎児の染色体に異常が起こる頻度が上がるためです。

一般的に、年齢に関係なく妊娠の約15%で流産が起きますが、年齢別で見ると35〜39歳の流産率は20%、40歳以上では40%というデータもあります(※4)。

染色体異常による流産は、妊婦さんの努力によって防げるものではありませんが、年齢が上がるにつれて流産のリスクも高くなるということについては、知っておきたいですね。

二人目が高齢出産だと、上の子のお世話が大変?

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二人目が高齢出産の場合、「以前よりも体力の衰えを感じた」「二人の子供の遊び相手をするだけでヘトヘト」という先輩ママも多いようです。

出産より産後の育児がつらかった

妊娠・出産は、1人目の経験があったので比較的余裕を持っていられたのですが、産後の育児が1番大変だった…。1人目のときは平気だったはずなのに、年齢を重ねてやはり体力が落ちていたようです。

産後のむくみがなかなか取れなかったり、目の疲れがひどくて日中の光さえ眩しく感じたりと、マイナートラブルがなかなか治まらないなか寝不足になるというのもつらかったです。

Yさん 40代

上の子の赤ちゃん返りがひどかった

上の子の赤ちゃん返りがひどく、大変でした。しかもそこに、抱っこのしすぎで腱鞘炎になったり、乳腺炎にもなって40度の熱が出たりしたので、体力的にヘトヘトに…。

Mさん 30代

無事に二人目を授かったとして、子供が育ち盛りの時期を迎えたときの自分やパートナーの年齢、生活環境などを考えて、体力的に無理のない育児をする方法を夫婦で話し合っておきたいですね。

高齢出産の二人目は、うれしいことも

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一人目を出産したあと、かなり年月が経って二人目を授かった、という先輩ママもたくさんいます。その場合、上の子にとっても歳の離れた赤ちゃんが家にやってくることになりますが、これがいい影響を与えることもあります。

たとえば、「どうやって自分がこの世に命を授かり、どのように育てられたか」を知る機会になります。また、積極的に赤ちゃんの面倒を見てくれるなど、急に上の子の成長を感じた、という先輩ママも少なくありません。

上の子の成長が見られた

上の子が4歳のときに2人目を出産しました。赤ちゃん返りも多少あったけど、下の子をかわいがってくれたり、お世話してくれたりと、お姉さんとして頑張ってくれた姿を見られたのがとてもうれしかったです。

Yさん 40代

家族のサポートがあたたかかった

妊娠中のつわりがきついときに、3歳の上の子が、重い荷物を率先して代わりに持ってくれたり、お腹を撫でながら赤ちゃんに話しかけてくれたりと、私にも赤ちゃんにもとても優しくしてくれたのが嬉しかったです。夫も家事や育児を率先してやってくれて、家族のサポートがあたたかかく感じました。

Mさん 30代

高齢出産の二人目は夫婦で相談を

高齢での出産は、妊娠中の病気や流産、胎児の染色体異常などのリスクが高くなることは事実です。しかし、近年では出産年齢の高齢化が進んでおり、35歳を過ぎての高齢出産であっても、無事に出産するママも多く見られるようになりました。

体力的なことも考えると、二人目が高齢出産となる場合、パートナーなど身近な人のサポートも大切です。妊娠中の無理のない過ごし方や、産後の家事・育児分担など、ママばかりに負担がかからないよう夫婦でよく話し合ったうえで、生まれてくる赤ちゃんを温かく迎えてあげたいですね。

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