初めての妊娠では、食べ物や過ごし方など、いろいろなことが気になりますよね。特にホルモンバランスの変化で精神的に不安定になりやすい妊娠初期は、小さな疑問が大きな不安につながってしまうこともあります。なかでも、妊娠初期の寝方は、妊婦さんによくある疑問の一つです。今回は、妊娠初期のうつぶせ寝には問題がないのか、どんなリスクや注意点があるのかをご説明します。
妊娠初期の母体の状態と過ごし方は?
妊娠初期は、胎盤やへその緒、赤ちゃんのさまざまな器官などが形成される、とても大切な時期です。つわりでつらい思いをする人も多くいますが、食べられるものをできる範囲で食べたり、こまめに水分補給してくださいね。
この時期は、まだそれほどお腹が目立たないものの、デリケートな時期なので無理は禁物です。外出時はバッグにマタニティマークをつけるなどして、周囲に協力をお願いするのも一つの方法です。
妊娠する前と比べて心身ともに変化があって戸惑ったり、仕事との両立などに悩んだりすることもあるかもしれませんが、まずは赤ちゃんとママの体を第一に考えたマタニティライフを送りましょう。
妊娠初期にうつぶせで寝てもいいの?リスクはある?
妊娠初期の赤ちゃんは、胎盤と羊水でしっかりと守られているので、ママの寝方が赤ちゃんに悪影響を与えることはありません。普段からうつぶせ寝だとリラックスできるという人は、引き続きうつぶせで寝ても大丈夫です。自分が楽だと感じる体勢で寝ましょう。
ただし、妊娠初期にお腹の張りがあり、少し安静にしても治まらないようであれば、念のため産婦人科を受診してください。
また、お腹がだんだんと大きくなってきて、うつぶせや仰向けが苦しくなってきたら注意が必要です。特に仰向けの場合、子宮の重みで下大静脈が圧迫されて血圧が下がったりするリスクがあります(※1)。
基本的に、ママが苦しい姿勢は赤ちゃんにとってもあまり良くないと考え、なるべく楽な寝方をしてくださいね。
妊娠初期の寝方の注意点は?
妊娠初期の寝方で避けたいのは、座ったまま机などに突っ伏して長時間寝てしまうことです。長い時間座ったままの姿勢でいることで体の血流が悪くなり、さらにお腹を内側にして背中を丸めているので、肩こりや腰痛を引き起こしやすくなってしまいます。
妊娠初期は体型がほとんど変わらないので、つわりなどの妊娠初期症状がなければ、無理をしてしまいがちです。しかし、妊婦さんの体の中ではホルモンバランスが大きく変化しており、体調が変わりやすい時期です。
また、妊娠週数が進むにつれて、思うように体を動かせなくなってくるので、できるだけ妊娠初期から体を労ってあげてください。もし仕事中などに気分が悪くなったら、デスクに突っ伏すのではなく、できるだけ静かで横になれる場所へ移動しましょう。
妊娠初期を過ぎたら、うつぶせ以外の寝方をすべき?
妊娠初期を過ぎてお腹が大きくなり、うつぶせで寝るのが苦しくなってきたら、抱き枕を使った「シムスの体位」を試してみてください。
上のイラストのとおり、左側を下にして寝て、左足をまっすぐ伸ばし、右足の膝を曲げて抱き枕に乗せます。抱き枕がなければ、膝の下に座布団やクッションを置きましょう。
シムスの体位は、お腹の右側にある太い血管(下大静脈)を子宮が圧迫しないよう、左を下にして寝るのが基本です。しかし、ずっと同じ向きで寝ると苦しいという場合は、たまに体の右側を下にしたり、仰向けで寝たりするのもいいですね。
ただし、妊娠後期になるとお腹がだいぶ大きくなり、張りやすくなってくるので、仰向けで寝ていると大きくなった子宮で血管が圧迫され、低血圧・めまい・腰痛などさまざまなマイナートラブルが起こりやすくなるので注意しましょう。
シムスの体位には血液の循環を改善するだけでなく、リラックス効果も期待できるので、ぜひ試してみてくださいね。
妊娠初期はうつぶせで寝ても大丈夫!
妊娠すると、自分ひとりの体ではなくなるので、寝方一つを取っても「赤ちゃんに影響はないかな?」と心配になってしまうものです。しかし、妊娠初期はうつぶせでも仰向けでも問題はないので、あまり深く考えすぎずに自分が心地よいと思えるスタイルで寝ましょう。
つわりなどで体調がつらいこともある時期なので、疲れやストレスを溜めこまないようゆっくり睡眠をとってくださいね。